ケータイ春の「天王山」間近!ドコモとauの一騎打ちに隠し玉も!?
2月に入り、各キャリアが一斉に新機種を発表・発売し、にわかに盛り上がりはじめた携帯電話市場。毎年、3月は純増数が一番多くなる時期である(図)。まさに各キャリアにとっては「天王山」といえる。それでは、今年の春商戦はどこのキャリアが制するのだろうか? すでに発表済みの新機種情報をベースに、3月の商戦を先読みしてみよう。
2月に入り、各キャリアが一斉に新機種を発表・発売し、にわかに盛り上がりはじめた携帯電話市場。毎年、3月は純増数が一番多くなる時期である(図)。まさに各キャリアにとっては「天王山」といえる。それでは、今年の春商戦はどこのキャリアが制するのだろうか? すでに発表済みの新機種情報をベースに、3月の商戦を先読みしてみよう。
まず、NTTドコモは、1月にムーバ「N506iS」「premini-II」を発表して市場に投入。2月には機能を絞って端末の価格を下げたFOMAの新ラインアップ「700i」を4機種発表して話題を集めた。また、901iシリーズも1月に「N901iC」、2月にFOMA「D901i」と「P901i」を発売し、店頭を賑わせている。さらに、昨年発表したムーバ「Lecchiffon」(2月発売)も加わり、例年になくラインアップは充実している。
対するauは、1月に多彩な機能を搭載した「W31SA」、WINのエントリーモデルの「W31K」、CDMA 1Xのエントリーモデルにあたる「A5509T」「A1404S」「Sweets」を、2月にはau design projectの第4弾としてWIN端末「PENCK」を発表している。
また、Vodafoneは2月にハイエンドのPDC端末「V603SH」と「V603T」の2機種を発表。3G端末としては、1月に「802SH」、2月に「802N」を投入している。
こうした各社のラインアップを客観的に眺めると、ドコモの新商品の充実ぶりがひときわ目立つ。「901iシリーズ」でハイエンド端末を求める層に訴求する一方で、「700iシリーズ」では、より広い層をFOMAに移行させていく戦略を展開。そしてムーバでは、デザイン感度の高いユーザーをターゲットに「premini-II」や「Lechifon」を投入している。
一部の報道によると、本来901iは「800MHz/2GHzのデュアルバンド端末」になる予定だったが、ソフトバンクの参入騒動で800MHz帯を901iに使用することを見送らざるをえなかったと伝えられている。もし、この件がなければ901iはもっと早く発売できたはずであり、この結果として、今回の春商戦のラインアップが充実してしまったともいえる。また、ナンバーポータビリティを控えた今年は、あえて901iの発売タイミングをずらして春商戦を重視したという憶測も成り立つ。
一方、有力な対抗馬とされるauは、「CDMA 1X端末をローエンドユーザー向けに」、「CDMA 1X WINをハイエンドを求めるユーザー向けに」――という棲み分けを戦略的に考えている様子。もちろん、「W31K」のようなWINのエントリーモデルという例外も存在するが、基本的に最新サービスはWINに搭載されるようになっている。そして、Vodafoneは、この春商戦に投入された端末を見る限り、いずれもハイエンド端末に絞られたラインアップである。
つまり、ハイエンドからローエンド端末まで、ユーザーの選択肢を幅広く用意したドコモに対し、auは1Xや「W31K」でローエンドからミドルエンドまでのユーザーを広くカバーしている。とくに「PENCK」ではデザイン志向の強いユーザーに対しても訴求しているが、逆にハイエンド端末がドコモと比べるとやや少ない印象だ。Vodafoneに関しては、ハイエンド端末一本で、他のユーザー層がカバーできていないという印象は否めない。
昨年からの流れを見る限り、「天王山」となる3月は、やはりドコモとauの一騎打ちになることが予想される。豊富な機種数、ターゲットユーザーのカバー範囲などを考えると、ややドコモが有利か。auはドコモのように春商戦のラインアップを一斉に発表しているわけではなく、まだ隠し球が出てくる可能性も考えられるが、迎え撃つドコモも、さらなる隠し球を用意しているようだ。いずれにせよ、3月の販売状況はフタを開けてみないとわからないが、ドコモとau、この2キャリアの戦いは例年になく熾烈さを極めることになるだろう。
2月に入り、各キャリアが一斉に新機種を発表・発売し、にわかに盛り上がりはじめた携帯電話市場。毎年、3月は純増数が一番多くなる時期である(図)。まさに各キャリアにとっては「天王山」といえる。それでは、今年の春商戦はどこのキャリアが制するのだろうか? すでに発表済みの新機種情報をベースに、3月の商戦を先読みしてみよう。
まず、NTTドコモは、1月にムーバ「N506iS」「premini-II」を発表して市場に投入。2月には機能を絞って端末の価格を下げたFOMAの新ラインアップ「700i」を4機種発表して話題を集めた。また、901iシリーズも1月に「N901iC」、2月にFOMA「D901i」と「P901i」を発売し、店頭を賑わせている。さらに、昨年発表したムーバ「Lecchiffon」(2月発売)も加わり、例年になくラインアップは充実している。
対するauは、1月に多彩な機能を搭載した「W31SA」、WINのエントリーモデルの「W31K」、CDMA 1Xのエントリーモデルにあたる「A5509T」「A1404S」「Sweets」を、2月にはau design projectの第4弾としてWIN端末「PENCK」を発表している。
また、Vodafoneは2月にハイエンドのPDC端末「V603SH」と「V603T」の2機種を発表。3G端末としては、1月に「802SH」、2月に「802N」を投入している。
こうした各社のラインアップを客観的に眺めると、ドコモの新商品の充実ぶりがひときわ目立つ。「901iシリーズ」でハイエンド端末を求める層に訴求する一方で、「700iシリーズ」では、より広い層をFOMAに移行させていく戦略を展開。そしてムーバでは、デザイン感度の高いユーザーをターゲットに「premini-II」や「Lechifon」を投入している。
一部の報道によると、本来901iは「800MHz/2GHzのデュアルバンド端末」になる予定だったが、ソフトバンクの参入騒動で800MHz帯を901iに使用することを見送らざるをえなかったと伝えられている。もし、この件がなければ901iはもっと早く発売できたはずであり、この結果として、今回の春商戦のラインアップが充実してしまったともいえる。また、ナンバーポータビリティを控えた今年は、あえて901iの発売タイミングをずらして春商戦を重視したという憶測も成り立つ。
一方、有力な対抗馬とされるauは、「CDMA 1X端末をローエンドユーザー向けに」、「CDMA 1X WINをハイエンドを求めるユーザー向けに」――という棲み分けを戦略的に考えている様子。もちろん、「W31K」のようなWINのエントリーモデルという例外も存在するが、基本的に最新サービスはWINに搭載されるようになっている。そして、Vodafoneは、この春商戦に投入された端末を見る限り、いずれもハイエンド端末に絞られたラインアップである。
つまり、ハイエンドからローエンド端末まで、ユーザーの選択肢を幅広く用意したドコモに対し、auは1Xや「W31K」でローエンドからミドルエンドまでのユーザーを広くカバーしている。とくに「PENCK」ではデザイン志向の強いユーザーに対しても訴求しているが、逆にハイエンド端末がドコモと比べるとやや少ない印象だ。Vodafoneに関しては、ハイエンド端末一本で、他のユーザー層がカバーできていないという印象は否めない。
昨年からの流れを見る限り、「天王山」となる3月は、やはりドコモとauの一騎打ちになることが予想される。豊富な機種数、ターゲットユーザーのカバー範囲などを考えると、ややドコモが有利か。auはドコモのように春商戦のラインアップを一斉に発表しているわけではなく、まだ隠し球が出てくる可能性も考えられるが、迎え撃つドコモも、さらなる隠し球を用意しているようだ。いずれにせよ、3月の販売状況はフタを開けてみないとわからないが、ドコモとau、この2キャリアの戦いは例年になく熾烈さを極めることになるだろう。