ベアボーン売れ筋ベスト10、拡張性+コンパクトで急伸
手軽に自作パソコンを組み立てたいというユーザーの間で、ベアボーンキットの人気が高まっている。ベアボーンキットとは、マザーボードや電源、本体ケースなどが1セット揃えられるキット。コンパクトさと日曜工作でも十分に作成可能なDIY性、メーカー製PCにはないオリジナリティ溢れるデザインなどで、自作パソコンユーザーの入門用としても人気を集めている。
手軽に自作パソコンを組み立てたいというユーザーの間で、ベアボーンキットの人気が高まっている。ベアボーンキットとは、マザーボードや電源、本体ケースなどが1セット揃えられるキット。コンパクトさと日曜工作でも十分に作成可能なDIY性、メーカー製PCにはないオリジナリティ溢れるデザインなどで、自作パソコンユーザーの入門用としても人気を集めている。
1月1週(1月3日?9日)のBCNランキングでベンダー別のシェアに目を向けてみると、マザーボードを始めとするPCアセンブリパーツでお馴染みのAOpenが全体のシェア37.32%でトップ、次いでShuttle(20.89%)、ASUSTek(14.67%)といった、AOpen同様のPCアセンブリパーツメーカーが続く。(表1)とくにAOpenは、ベアボーンキット市場参入は意外にも03年中旬と遅いにも関わらず、積極的にラインアップの充実化を図り、着々と売り上げを伸ばしてきた。
各社の製品のなかでも、とくに売れ筋なのが、適度な拡張性とコンパクト性を両立させた「キューブ型」だ。具体的にいえば、「適度な拡張性」とは、5.25インチ、3.5インチ、内蔵といった拡張ストレージベイを1つずつ、そしてPCIスロットを最低でも1つは備えていること。「コンパクト性」とは、横幅20cm以内、奥行き30cm以内、高さ20cm以内といった限りなくスクエアに近い形状のケース(つまりキューブ型)であることを意味している。実際にベアボーンキット市場ではキューブ型が7割近くを占め、「ベアボーン=キューブ型」という考えがユーザーの間に定着しているようだ。(図)
ベアボーンキットの弱点といえば、コンパクトなサイズからくる拡張性の低さ。だが、この問題も昨今USB接続式PCパーツの充実により解消されつつある。現状ではハードディスクや記録型DVDドライブといったストレージはもちろんのこと、TVチューナーまでもがUSBで接続できる時代。また、カード式に比べて接続が簡単で女性にも容易に増設作業が行えることから、ベアボーンキットの拡張性の低さは、一般ユーザーにとってさほど重要なものではなくなってきている。
そういった事情からか、最近ではベアボーンPCをメインマシンとして使用するユーザーも少なくない。ベアボーンキットの現状について、専門店に話を聞くと、「男性から女性へのプレゼントで買っていくケースや、オフィスで少しでも机の上の占有スペースを広くとるため、企業の部署がまとめてメーカーから購入するケースもある」とのこと。USB機器の充実もあり、現状でのベアボーンキットは、以前のように一部のマニアがセカンドマシンとして求めるものではなくなってきているようだ。
市場全体の対前年比に目を向けても、AOPenが152%、Shuttleが164%、ASUSTeKが126%と、販売台数シェアのトップ3ベンダーは前年同期比で2ケタ成長の大幅な伸びになっている。とくに販売台数シェアトップのAOpenは、メインの事業である、マザーボードのシェアを落としつつも、ベアボーン事業では着々とした伸びを見せており、この分野に対する同社の力の入れ具合をうかがい知ることができる。
また、CHENMING MOLDといった新規メーカーの市場参入や、様々なユニークな特徴をもったベアボーンをラインアップして他社との差別化を図るイーレッツなどのメーカーの存在により、今後もベアボーン市場は面白い存在となるだろう。(フリージャーナリスト・市川昭彦<Aqui-Z>)
手軽に自作パソコンを組み立てたいというユーザーの間で、ベアボーンキットの人気が高まっている。ベアボーンキットとは、マザーボードや電源、本体ケースなどが1セット揃えられるキット。コンパクトさと日曜工作でも十分に作成可能なDIY性、メーカー製PCにはないオリジナリティ溢れるデザインなどで、自作パソコンユーザーの入門用としても人気を集めている。
1月1週(1月3日?9日)のBCNランキングでベンダー別のシェアに目を向けてみると、マザーボードを始めとするPCアセンブリパーツでお馴染みのAOpenが全体のシェア37.32%でトップ、次いでShuttle(20.89%)、ASUSTek(14.67%)といった、AOpen同様のPCアセンブリパーツメーカーが続く。(表1)とくにAOpenは、ベアボーンキット市場参入は意外にも03年中旬と遅いにも関わらず、積極的にラインアップの充実化を図り、着々と売り上げを伸ばしてきた。
各社の製品のなかでも、とくに売れ筋なのが、適度な拡張性とコンパクト性を両立させた「キューブ型」だ。具体的にいえば、「適度な拡張性」とは、5.25インチ、3.5インチ、内蔵といった拡張ストレージベイを1つずつ、そしてPCIスロットを最低でも1つは備えていること。「コンパクト性」とは、横幅20cm以内、奥行き30cm以内、高さ20cm以内といった限りなくスクエアに近い形状のケース(つまりキューブ型)であることを意味している。実際にベアボーンキット市場ではキューブ型が7割近くを占め、「ベアボーン=キューブ型」という考えがユーザーの間に定着しているようだ。(図)
ベアボーンキットの弱点といえば、コンパクトなサイズからくる拡張性の低さ。だが、この問題も昨今USB接続式PCパーツの充実により解消されつつある。現状ではハードディスクや記録型DVDドライブといったストレージはもちろんのこと、TVチューナーまでもがUSBで接続できる時代。また、カード式に比べて接続が簡単で女性にも容易に増設作業が行えることから、ベアボーンキットの拡張性の低さは、一般ユーザーにとってさほど重要なものではなくなってきている。
そういった事情からか、最近ではベアボーンPCをメインマシンとして使用するユーザーも少なくない。ベアボーンキットの現状について、専門店に話を聞くと、「男性から女性へのプレゼントで買っていくケースや、オフィスで少しでも机の上の占有スペースを広くとるため、企業の部署がまとめてメーカーから購入するケースもある」とのこと。USB機器の充実もあり、現状でのベアボーンキットは、以前のように一部のマニアがセカンドマシンとして求めるものではなくなってきているようだ。
市場全体の対前年比に目を向けても、AOPenが152%、Shuttleが164%、ASUSTeKが126%と、販売台数シェアのトップ3ベンダーは前年同期比で2ケタ成長の大幅な伸びになっている。とくに販売台数シェアトップのAOpenは、メインの事業である、マザーボードのシェアを落としつつも、ベアボーン事業では着々とした伸びを見せており、この分野に対する同社の力の入れ具合をうかがい知ることができる。
また、CHENMING MOLDといった新規メーカーの市場参入や、様々なユニークな特徴をもったベアボーンをラインアップして他社との差別化を図るイーレッツなどのメーカーの存在により、今後もベアボーン市場は面白い存在となるだろう。(フリージャーナリスト・市川昭彦<Aqui-Z>)