ビクター、現行DVDと互換性もつブルーレイディスクを開発、HD DVDに対抗
日本ビクターは12月24日、次世代DVD規格として期待されるBD(ブルーレイディスク)の新技術として、1枚のDVDディスクに高画質なHD映像とSD(標準)映像の両方を収録できるBD?DVDコンビネーションROMディスク技術(合計容量33.5GB)を開発したと発表した。独自の高機能反射膜を使って、世界初のBD単層/DVD2層の3層構造を実現した。実用化されればブルーレイディスクとしてもDVDディスクとしても再生できる。
新ディスクは、表面部分にBD単層(HD映像を収める信号層、容量25GB)、内部にDVD2層(SD映像を収める信号層、容量8.5GB)を設けた、片面読み取り3層構造のコンビネーションディスク。BD再生時には、BD機器の青色レーザーが表面部分のBD層を再生し、DVD再生時にはDVD機器の赤色レーザーが内部のDVD層を再生する仕組みで、同社が長年培ったディスクプロセス技術を駆使して開発した。DVD層には現行のDVD規格と同じ2層構造(容量8.5GB)を採用するため、発売中のDVDソフトから新ディスクへの移行も難しくない。
実用化した場合には、リビングでは大画面テレビで高精細なBDのHD映像を再生し、個室の小型テレビやPC、モバイル端末などではDVDのSD映像を楽しむといった使い方や、ソフト購入当初はDVD機器でSD映像を楽しみ、BD機器購入後はBDのHD映像を楽しむといった幅広い楽しみ方が可能になる。さらに大容量を生かして、映像・音楽・ゲームなどのコンテンツを1枚のディスクに盛り込むなどして、新たな可能性も広げていきたい考え。
同社では、実用化に向け、ブルーレイディスクアソシエーション(BDA)へ新技術の規格提案を行う。一方、大容量化にも取り組み、合計容量58.5GB(BD2層50GB+DVD2層8.5GB)ディスクの開発を目指す。