NEC、現行DVD・CDにも対応するHD DVD装置を世界に先駆け開発
NECは、1つの光ヘッドで次世代DVD(HD DVD)と現行DVD、CDの3種類のディスクに対応した互換技術を開発。デスクトップ型パソコンに搭載可能なハーフハイトサイズのドライブ装置を世界で初めて試作したと発表した。
開発した試作装置の特徴は、(1)3波長互換ピックアップの実現、(2)3世代互換可能なシステムLSIの実現、(3)デスクトップ型パソコンに搭載可能なハーフハイトサイズの実現、(4)互換ドライブでの安定動作の実現――など。
光源に青色LD、赤色LD、赤外LDの3種類のLDを搭載し、対物レンズ1個のピックアップの形態で、HD DVD、DVD、CDの各ディスク個々に最適な条件で取り扱うことを可能とした。また、基板厚や波長の違いによる球面収差を、対物レンズの倍率を変化させることで補正。波長選択性をもつ開口制御素子によって、各ディスク規格に応じて対物レンズの開口数を制御するなど、性能を維持したまま安定動作を実現している。
ハーフハイトサイズの実現においては、上記3波長互換機能を盛り込み、ドライブ用ピックアップサイズにまでコンパクトに機能集積し完成度を高めたほか、システムLSIを搭載した回路ボードを開発した。
同社では、今回のHD DVD、DVD、CDの3世代互換ピックアップ技術と、システムLSI技術、ファームウェア技術の開発によって、HD DVDのパソコンへの組み込み、機器の小型化が容易に実現できるようになるとしている。また、HD DVDの普及を大きく推進するものととらえ、今後さらに研究を加速していく方針。