聯想集団とIBM、パソコン事業買収を含む戦略的提携を正式発表
中国、アジア最大手のパソコンメーカーである聯想集団有限公司(Lenovo)とIBMコーポレーション(IBM)は12月8日、LenovoがIBMのパソコン事業部門を買収し、売上規模世界第3位のパソコン会社を設立することで最終合意に達したと発表した。これによりLenovoは、IBMの企業向けPCのテクノロジーをコンシューマ市場向けに展開するとともに、中国、アジアに加え、グローバルなビジネス拡大を目指す。
両社の03年度の決算を合算すると、パソコン事業の年間総売上は120億ドル、総出荷台数は1190万台規模に達する。調査会社のIDCによると、03年度のLenovoとIBMのパソコン・ビジネスを合わせたワールドワイドのマーケット・シェア(台数)は約8%。Lenovoの新しいPCビジネスは、IBMの世界160か国にわたる流通・販売ネットワークを継承し、世界に通用する“Think”ブランドと中国でのLenovoの知名度を生かして、コンシューマおよび法人顧客向けにグローバルな販売展開を行う。
取引にともないIBMは、6億5000万ドルの現金と6億ドル相当のLenovo普通株(今後3年間のロック・アップ期間付き)を受け取り、この結果、Lenovo株の18.9%を有する第2筆頭株主となる。さらに、Lenovoは、約5億ドルと見込まれるIBMのパーソナル・コンピュータ事業の負債を引き継ぐ。
また、今回の取り組みの一環として、LenovoとIBMは、IBMがLenovoに対して優先的にサービスやファイナンシングを提供することなどを含む、幅広い戦略的アライアンスを結ぶ。LenovoはIBMに優先的にパソコンを供給するプリファード・サプライヤーとなり、逆にIBMはLenovoから調達したIBMブランドのすべてのパーソナル・コンピュータ製品とソリューションを、企業ユーザーに提供することになる。
現IBMシニア・バイス・プレジデンド兼パーソナルシステムグループのゼネラルマネージャーであるStephen M.Ward,Jr.は、取引完了を受けて新会社のCEOに就任。現Lenovo副会長、CEO兼取締役会長のYuanqing Yangは取引完了後のLenovoの会長に就任する予定。
今後、戦略的アライアンスの一環として、IBMは3万人のプロフェッショナルを擁する企業向け営業部門とibm.com部門を通じて、Lenovo製品のマーケティング・サポートとデマンド・ジェネレーション(需要喚起)サービスを提供する。同時に、Lenovo製品は新たにLenovoに加わるIBMのPCスペシャリストを通じても販売される。
Lenovoグループは、PC新会社の本社をニューヨークに設置し、主要拠点を中国・北京と米国ノースカロライナ州ラーレイに置き、営業拠点は世界中に展開する計画。契約の手続き終了後、Lenovoの社員数は、IBMからの移籍社員も含めて約1万9000人となる(現社員数約1万人)。