米ゲートウェイ、日本市場に再参入を発表、新ブランド「Gateway」確立へ
米ゲートウェイ(本社・カリフォルニア州、ウェイン・イノウエ社長兼CEO)は12月2日、日本市場に再参入すると発表した。新たに「Gateway」ブランドを立ち上げ、「Gateway」と「eMachines」の2ブランドを日本市場で確立していく。あわせて今回、「Gateway」ブランドの4製品を発表した。
ゲートウェイは、米国のパソコン市場において第3位のPCメーカー。デル、HPの後を追っており、今年初めにイーマシーンズ社を買収、経営陣も一新した。日本市場では、すでに九十九電機などで「eMachines」ブランドのPCを販売している。
それぞれのブランドの位置付けについては、「Gateway」をプレミアムモデルとして、より高度な、最新テクノロジーを採用していく。一方、「eMachines」はバリューモデルと位置付け、低価格、高付加価値を追求する。なお、ノートパソコンについては、今後全モデルを「Gateway」ブランドに統合していく方針。
ウェイン・イノウエ社長は、「自動車メーカーでも買収したブランドを生かし、顧客ターゲットごとにブランド細分化するという戦略はよくある例。米国でも、デル、HPと対等に渡り合っており、日本市場でも他メーカーと十分に競合していける」と、自信をみせた。日本市場への再参入については、同社の製品競争力に加え、「より合理的なコンシューマが日本にいるため」と説明している。
同社の強みは、独自のコストストラクチャを構築したことにある。一流部品メーカーで高品質・高性能の製品を提供し、協力販売店舗による流通網を構築。人件費を抑えるとともに、手厚いカスタマーサポートを行う。
販売ルートは、石丸電気、上新電機、九十九電機、ノジマの4社。日本市場では、直販、インターネット販売などは行わず、すべてこの4社に販売委託する。当面は個人市場に販売をフォーカスしていく方針。
今回「Gateway」ブランドとして発売するのは、ノートモデル2機種とデスクトップモデル2機種の計4機種。ノートタイプの「Gateway 4000シリーズ」(4モデル)は、15インチのTFTパネルを搭載、上位機種にはインテルCentrinoテクノロジーによる802.11gの無線LAN、マルチフォーマットのDVD+/?RWドライブも装備している。価格は11万9800円から。
同「Gateway 3538JP」は、14インチのワイド液晶ディスプレイ、インテルCentrinoテクノロジーを搭載したほか、標準サイズのキーボードを備えており、持ち運びに適している。価格は12万9800円。
デスクトップタイプの「Gateway 600シリーズ」は、日本市場向けに開発したスリムタイプのパソコン。工具無しで部品の交換も行える。05年初頭に日本で発売する計画。
同「Gateway 705JP」は、店頭販売商品としては日本初となる、インテル提唱の「BTX」仕様に準拠したモデル。「BTX」はマザーボードの新規格で、各部品を個別に冷却するのではなく、システム全体でエアフローを考慮して設計しているのが特徴。価格は11万9800円から。
さらに、「705JP」は同社特許(米国で出願中)「EQテクノロジー(Extended Life-Quiet operation)」を採用。きょう体前面と背面に12cmの大型ファンを採用し、効果的に冷却を行うとともに、ファンの速度を約40%スピードダウンさせ、動作音を静かにした。このほか、「スナップ・ラッチ」というレバーによって簡単にドライブの交換が可能となっている。
会場に同席した米インテルの取締役ケビン・セラーズ マーケティング部本部長は、「顧客のニーズがCPUのスピードからワイヤレス、セキュリティといった特徴に移行している。『BTX』では、とくに静音、熱、拡張性に配慮した」と語っている。
イノウエ社長は、「まず顧客満足度でNo.1になる。そのためには、製品の高品質、トップクラスのサービス体制、修理などのプログラム充実を目指す」と今後の展開を述べた。具体的には、製品クオリティにこだわっていくほか、24時間年中無休の無償コールセンター対応、持ち込み修理(九十九電機、上新電機)や引取り修理などのオプション提供を行っていく。