NMビジュアル、液晶ディスプレイを一新、TV画質の19インチなど10機種投入

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2004/10/27 19:10



 NEC三菱電機ビジュアルシステムズ(NMビジュアル、松田博利社長)は10月27日、TV機能一体型マルチメディア液晶ディスプレイ「VISEO」など3シリーズ10機種を11月下旬から順次発売すると発表した。2年ぶりとなるフルモデルチェンジで、デジタル家電との融合を図っていく。

 副社長兼販売事業部長の栗坂伸継氏は、「ディスプレイモニタ市場は、今年度、CRTが57%から44%、LCDが43%から56%と、世界的に販売比率が逆転する勢い。とくに日本国内市場では、LCDの比率が高く、約90%をLCDが占める。当社の03年国内シェアは、店頭販売台数で23%とトップを維持。今年上期も、6月に投入した光沢液晶パネル搭載『194S』が好調で、一時は25%までシェアを伸ばした。下期は、上期から5万台の販売増となる48万台、売り上げ185億円を見込んでいる」と拡販に意欲を見せた。

 サイズ別では、15インチが減少する一方で、19インチの販売シェアが伸びており、「下期では、19インチの販売を6万5000台(上期4万5000台)、構成比18%(同14%)にもっていく」と説明。19インチの販売を強化していく方針。

 新機種のデザインは、すべて、AUの携帯電話「インフォバー」を手掛けたNaoto Fukasawa Design社の深澤直人氏によるもの。1991年のCRTモニタ時代からデザインを担当している深澤氏は、「今後のモニタは、洗練された家具と融合していかなくてはいけない。家庭でもオフィスでも机の上にモノが置かれなくなっていく方向にあるが、モニタは必ず残るので、今以上にモニタのデザインが重要となってくる。今のモニタのデザインはシャープになってきたが、クールすぎるきらいもある。今回の基本コンセプトでは、精緻でありながら、どこか温かさをもったデザインを追及した」と、新デザインへの思いを披露した。

 具体的なデザインの特徴は、(1)スリムベゼルとしつつ、フロントに若干のふくらみを採用、(2)手でモニタを支えているような形をした背面スタンド、(3)円形台のスタンドベース、(4)ボタンを額縁から分離、(5)背面にやわらかなふくらみをもたせつつ、放熱孔をきれいに処理、(6)ケーブルをスタンド内に収納――など。

 新ラインアップのフラッグシップモデルとなるのは、19インチの「VISEO」2機種(シルバー/ブラック)。とくにデジタル家電との融合を意識しており、ビジネスでの資料作成からTV、動画まで、マルチソースに対応している。

 NMビジュアルの谷口明彦 日本AP販売事業部長兼営業部長は、「これまでのチューナー付きディスプレイは画質が悪いという声もあったが、今回は“液晶テレビに匹敵するテレビ画質を実現する”がコンセプトとなっている。スペック的にも、業界最高速の応答速度8ms、最大輝度400cd/m2と、最強のTVチューナー付き液晶ディスプレイに仕上がった。動画視聴・録画需要に対応しつつ、17インチから19インチへの需要シフトを図っていく」と、新製品に自信を見せた。

 「VISEO」の主な特徴は、(1)アナログ・デジタル入力対応。コンポジットビデオ、S-Videoなど多様な映像入力に対応、(2)VHF/UHF/CATV対応チューナーを搭載。本体のみでTV鑑賞が可能、(3)3次元Y/C分離、3次元I/P変換、3次元ノイズリダクション機能搭載で動画がきれい、(4)コントラスト700:1の光沢液晶パネルで黒の引き締まった映像を提供、(5)アンプ内蔵スピーカー搭載、(6)PIP、デジタルズーム、静止画メモリー機能、(7)指一本で簡単に操作できる4方向スティック「E-STICK」を採用、(8)入力や「DV MODE(Dynamic Visual Mode)」の切り替えが行える専用赤外線リモコン搭載――など。価格はオープンで、実勢価格は10万円弱となる見込み。

 このほかの新製品は、チューナー非搭載の「ダイヤモンドクリスタ」として、動画にも対応したマルチソース対応の「Sシリーズ」4機種と、ビジネス(静止画)用途に強い「Vシリーズ」4機種の計8機種(19/17インチ:シルバー/ブラック)を投入。とくに「RDT195S」では、「VISEO」と同機能となる最速応答8ms、最大輝度400cd/m2を実現。光沢液晶パネルとともに、動画表示をサポートする。

 「ダイヤモンドクリスタ」全機種の特徴は、(1)「Sシリーズ」に光沢液晶パネルを採用、(2)3つの表示モードが選べる「DV MODE」搭載、(3)E-STICK採用、(4)上位機種搭載の高さ調節機能を全機種標準搭載、(5)小型化、スリムベゼル化、(6)デジタル入力「DVI-D」とアナログ入力の2系統を搭載――など。実勢価格は、「RDT195S」が9万弱、「RDT195V」が7万円弱、「RDT1710S」が6万円弱、「RDT1710V」が5万円弱となる見込み。

 同社では、「ViSEO」を“最強チューナー搭載ディスプレイ”として、「195S」を“動画・録画編集に強いディスプレイ”として販売していく考え。とくに、「VISEO」の販売では、有楽町や渋谷の屋外ビジョンでタレントの「加藤あい」さんを起用したプロモーションビデオを放送していくほか、東京・山の手線での「宣伝トレイン」など、積極的な告知活動を行っていく。さらに、店頭では、製品カタログのほか、デザインや開発設計の思想を語るパンフレットを設置する予定。

 販売目標は、「VISEO MDT191S/MDT191S(BK)」2機種で月3000台、「RDT195S」で月5000台、「RDT195V」で月5000台、「RDT1710S」で月1万台、「RDT1710V」で月1万台。