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加湿器の置き場所はどこが最適? 間違えると性能が出ないだけじゃなく結露の被害も

暮らし

2024/09/17 15:30

 乾燥する時期にたくさん使うことになる加湿器。最適な置き場所をご存じでしょうか。人によってはなんとなく置いているという人も多いかもしれません。そんな人のために、加湿器を置いていい場所について詳しく解説します。

 また、加湿器を置いてはNGな場所もお伝えするので、自宅の置き場所をチェックしてみてください。最適な置き場を知って、加湿器の効果を最大限発揮させましょう。

 

加湿器とは


 放出する水分で部屋の湿度を高くする機器である加湿器には、以下の4つの種類があります。

スチーム式加湿器
気化式加湿器
超音波式加湿器
ハイブリッド式加湿器

 


 それぞれの特徴をみていきましょう。
 

スチーム式加湿器

 スチーム式加湿器は、水をヒーターで加熱して蒸発させ、水蒸気を発生させます。加湿能力が高く、短時間で湿度を高められるのが特徴です。ヒーターで加熱して発生させる水蒸気は高温のため、加湿に加えて室内の温度も上げる効果があります。

 メリットは、水を沸騰させるため雑菌が繁殖しにくい点です。デメリットは、電気代が高くなりやすいことや吹き出し口が熱くなりやすいことです。
 

気化式加湿器

 気化式加湿器は、水を含んだフィルターに風をあて、水分を気化させて加湿する仕組みです。メリットには、ヒーターを使用しないため吹出口が熱くならず、電気代があまりかからない点が挙げられます。フィルターが水を常に含んでいるため、定期的な手入れが必要である点はデメリットです。
 

超音波式加湿器

 超音波式加湿器は、水を超音波で振動させてミストを発生させます。特徴は、運転音が静かで消費電力が低い点でしょう。その他のタイプと比較して本体価格も低めです。

 一方で水を加熱しないため、こまめな掃除を必要とします。また、床や壁が濡れやすくなるため注意しましょう。
 

ハイブリッド式加湿器

 ハイブリッド式加湿器は、「加熱+気化式タイプ」と「加熱+超音波式タイプ」に分けられます。「加熱+気化式タイプ」はフィルターに温風を送って加湿するタイプで、比較的高性能なモデルに採用されることが多い方式。「加熱+超音波式タイプ」はお湯を霧状にして噴出させるタイプで、主に卓上などで使う小さな加湿器に多いです。

 ハイブリッド式、中でも加熱気化式タイプは、各加湿方式のデメリットを補ったタイプの加湿器といえ、効率的に加湿できることから必要以上に電気代がかかりません。一方で、高性能なため価格が高くなりやすいのがデメリットです。
 

最適な加湿器の置き場所



 加湿器の種類や特徴について理解したところで、加湿器の最適な置き場所を解説します。加湿器を使用することが多い「リビング」「寝室」にわけて紹介するので、自宅での置き場所と照らし合わせながらチェックしてください。
 

リビング

 リビングで加湿器を使用する際は、できるだけ部屋の真ん中に置くようにしましょう。効率良く加湿するためには、加湿器から放出された水蒸気が部屋の空気に溶け込んで、部屋全体にできるだけ行き渡る必要があります。加湿器を部屋の真ん中に置けば、暖かい空気に水蒸気が溶け出し、全体に拡散されていくでしょう。

 しかし、リビングのデザインやリビングに置いた家具の配置によっては、部屋の真ん中に置けない場合もあるかと思います。そんなときには、エアコンの吸入口(部屋の空気を取り込む部分)の近くに加湿器を置くと効果的です。

 エアコンは吸入口から部屋の空気を吸い、暖めて(冷やして)部屋の中へ再び出す仕組みです。加湿器から放出された水蒸気を含んだ空気がエアコンに吸入され、部屋全体に水蒸気が拡散されることで、効率良く部屋の湿度を上げられます。

 ただし、湿度センサがついているエアコンの場合、加湿器から出た湿った空気がエアコン本体に当たるときに部屋の湿度を誤って認識してしまう場合があります。エアコンの真下など加湿器を近づけて使用する際は注意しましょう。
 

寝室

 寝室に加湿器を置く場合もリビングと同じで、部屋の真ん中への配置がおすすめです。ベッドを置いていてスペースがない場合、エアコンの吸入口の近くに設置しましょう。

 寝室では、卓上加湿器などの小型加湿器を置くのも一つの手です。水蒸気が家具や家電、自分に当たらない程度の距離を取り、ベッドサイドに置くようにしましょう。

 また、寝室に加湿器を置く際には以下のような注意点もあります。

寝るときは加湿器を止める
蒸気が顔に当たらない場所に置く


 まず、寝るときは加湿器を止めるか、タイマー設定をし一定時間で消えるようにしましょう。加湿器をつけっぱなしにすると湿度が上がりすぎてしまいます。寝室は湿気がこもりやすい環境でもあるため、結露が起こることもありえるでしょう。湿度が60%以上になると、カビが繁殖しやすくなるため、気をつけてください。

 また、加湿器の蒸気が顔に当たるのもNGです。勘違いされやすいことですが、加湿器の蒸気で肌がうるおうのでは? と思われるかもしれませんが、加湿器の水蒸気は粒子が大きすぎるため肌には浸透しません。さらに、肌についた水分が蒸発するときに、もともとあった顔の水分も蒸発してしまい、乾燥がひどくなる可能性も否めません。

 以上、リビング・寝室ともに、最適な置き場を把握して効果的に保湿できるようになりましょう。
 

加湿器を置いてはいけない場所



 続いて、加湿器を置いてはいけない場所についても解説します。NGな場所を見ると、意外と知らずに置いてしまっている人も多いのではないでしょうか。それぞれ置いてはいけない場所と理由を紹介していきます。
 

エアコンの風が加湿器に当たる場所

 エアコンの風が当たる場所も、加湿器を置いてはいけない場所のひとつです。温度や湿度センサーが付いた加湿器では、エアコンの温風が直接当たると誤作動を起こしてしまうことがあります。そのため、エアコンと併用する場合には注意が必要です。
 

紙類に近い場所

 紙類が近くにある場合も、加湿器を置く場所としては適していません。紙類が加湿器の近くにあると、水蒸気があたって紙がふやける原因になります。

 本などは乾かしても元のようにきれいな状態には戻らず、シワになってしまうでしょう。紙袋も濡れると破れやすくなってしまいます。加湿器の近くに紙類がないか確認してから置くようにしましょう。
 

壁や窓の近く

 壁や窓の近くに加湿器を置くこともやめましょう。壁の近くに加湿器を置くと、水蒸気が壁に当たってカビが発生しやすくなります。

 窓は室内でもっとも温度が低い場所であり、窓際は空気が冷えやすく水蒸気が結露してしまうため置き場所として適していません。結露はカビや雑菌の繁殖の原因となるため、窓から少し離して置きましょう。
 

換気扇の近く

 換気扇の近くに加湿器を置くと加湿器から放出された水蒸気が室外に出てしまい、加湿効率の低下を招きます。加湿器は、換気扇から離して置くようにしましょう。同様に、ドアの近くなど出入り口付近も水蒸気が室外に出てしまうため、避けたほうがいいでしょう。
 

家電の近く

 家電は基本的に水に弱いため、家電の近くに加湿器を置くと故障の原因になりかねません。テレビやオーディオ、PCなどの故障を招きかねないため、精密機器の近くに加湿器を置くのはやめてください。
 

部屋の広さと加湿量



 部屋の広さにあった加湿量の加湿器を選ぶことも、加湿器選びにおいては大事なポイントです。

 加湿量は「mL/h」で表されます。これは室温20度・湿度30%のとき、1時間あたり何リットルの水蒸気を出すかを示した数値です。この値が高いほど加湿量が多く、より広い部屋で使えることを意味します。

 加湿量に応じた部屋の広さの目安となるのが、「適用床面積」です。以下の2つのタイプの構造でそれぞれ基準が設けられており、数値も異なります。

和室(木造住宅):一般的な在来工法住宅
洋室(プレハブ住宅):密閉性が高いとされるプレハブ洋室、鉄筋コンクリートなど


 以下は、部屋のサイズ別の加湿量目安です。加湿器選びの参考にしてください。


参考:一般社団法人 日本電機工業会「加湿器ってなに?」