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エディオン、IoT家電をつなぐ「エディオンスマートアプリ」を無料で提供

経営戦略

2025/03/28 12:00

 エディオンは4月1日から、国内家電メーカー各社のIoT家電を一つのアプリで操作できる「エディオンスマートアプリ」(スマートアプリ)を無料で提供する。諸外国と比較して低い日本のスマート家電の普及を後押しし、将来的には見守りサービスや防犯対策など社会課題の解決につなげる。導入の障壁となるIoT家電とアプリの設定作業は、有償の「おまかせIoTパック」(1万2650円)を用意する。

スマート家電の普及を促進する「エディオンスマートアプリ」

スマート家電で社会課題を解決する

 エディオンのスマートアプリは、異なる機種やメーカーの家電をまとめて操作できる。例えば、外出先からエアコンのオン/オフや運転モード、設定温度の切り替えなどを遠隔で操作したり、洗濯機の運転状況を確認したりできる。

 また、家電のエラーを検知した場合は「スマートアプリ」に通知が届き、保証の残り期間や修理受付窓口をシームレスに確認できる。エディオン以外の家電量販店などで購入した家電も、まとめて操作できる。

 開発の背景について執行役員の安倍寛営業本部 商品企画統括部 統括部長は「IoT家電による利便性の向上だけではなく、高齢者の見守りサービスや直近で増加している強盗への防犯対策など社会課題の解決につなげていきたい」と語った。
 
エディオンの安倍寛営業本部 商品企画統括部 統括部長(写真中央)

 諸外国と比べて日本のスマート家電の普及率は低い。リビングテック協会の調査によると、日本は13%であるのに対し、ノルウェーは66%、米国は81%、中国は92%と大きな開きがある。
 
日本の普及率は13%(出典:リビングテック協会)

 理由として「設定の難しさ」や「製品価格が高い」「商品選定が難しい」「操作が分からない」などがある。特にスマート家電とアプリの「設定」は、購入者に任せっきりとなっている。

 エディオンは、スマート家電の販売だけではなく、操作環境の提供や設置・設定サポート、操作説明までカバーすることで、スマート家電の普及を促進する。
 

シャープ、ダイキン、パナソニック、東芝、日立、三菱電機から開始

 操作環境の提供では、現状、各メーカーの製品ごとに各社のアプリを開いて操作する必要がある。エディオンのスマートアプリなら、これをひとつに集約して、各社ごとに分かれているアプリによる設定をワンアプリでできる操作環境を提供する。月額などの費用もかからない。
 
各社のアプリを探す必要がなくなる

 4月1日のアプリ提供時はシャープ、ダイキン、パナソニック、東芝、日立、三菱電機の5社のスタートとなる。このうちシャープとダイキンは、エディオンのスマートアプリから直接操作できる直接操作方式を採用。

 他4社はエディオンのスマートアプリと各社のアプリを連携したアプリ遷移方式となる。アプリ遷移方式でも、エディオンのスマートアプリから各社のアプリを操作できるので、いちいち各社のアプリを探さなくてもよく、利便性は高まる。
 
直接操作方式の対応家電カテゴリ

 直接操作方式の対応家電カテゴリはエアコン、洗濯機、冷蔵庫、エコキュート、空気清浄機となる。今後はIHジャー炊飯器など対象カテゴリを増やしていく。
 
直感的に操作できる

普及のカギとなる「アプリ設定」をサポート

 自分でアプリの設定ができない顧客向けには、「おまかせIoTパック」を1万2650円で提供。エディオンのサービス担当者が顧客宅を訪問し、スマート家電と顧客のスマホとの接続、スマートアプリの操作説明まで行う。

 今後の展望は、国内外のメーカーへの働きかけや家電カテゴリの拡充、エディオンのPB商品「e-angle」との連携などがある。

 各社とのクラウド接続の規格は、エコーネットコンソーシアムの「ECHONET Lite Web API」に準拠しているので、まずは同コンソーシアム会員企業との連携となる。エディオンも4月から、家電量販企業として初めて同コンソーシアム会員になるという。(BCN・細田 立圭志)
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