EcoFlowが電動モビリティ体験イベントに出展 DELTA Pro3で電気自動車に電力を供給する実演デモを披露
EcoFlow Technology Japanは3月15~16日に開催された電気自動車の体験イベントに出展。同社のポータブル電源のEcoFlow DELTA Pro 3に溜められた電力を電気自動車に供給するデモンストレーションを行った。
EcoFlow DELTA Pro 3から電気自動車に電力を供給
同イベントの開催は今回で5回目。トヨタや日産、マツダ、三菱の日本勢はもとより、BMW、フォルクスワーゲン、ロータス、ミニ、フィアット&ジープ、キャデラック、ヒョンデ、BYDなどの海外メーカーもそれぞれ実車を出展した。
二子玉川のライズに各国のメーカーから電気自動車が集結
二子玉川ライズの中央広場と後方のスタジオ&ホールでも
各社のEV&PHEVが出展
今回のイベントではポータブル電源メーカーのEcoFlowが中央広場にブースを出展。コンパクトなRIVER 3シリーズやDELTAシリーズ、増量用のエクストラバッテリーなどを展示するとともに同社が2024年6月に発売した大容量ポータブル電源のEcoFlow DELTA Pro 3(以下、DELTA Pro 3)を一部の出展社ブースに提供して実車への電力供給デモも行われた。
EcoFlowはイベント会場の
二子玉川ライズ中央広場にブースを出展
充電はACとソーラー、車載のシガーソケットに加え、EVスタンドやガソリン発電機、オルタネーターと6通りの充電方法に対応。接続機器に電力を供給する出力ポートはAC×7、DC×2、USB TypeC×2、USB TypeA×2で、AC 200Vにも対応している。
EcoFlow DELTA Pro 3は
最大12kWhまで容量の拡張が可能
デモでは、DELTA Pro 3からプラグインハイブリッドのボルボXC90 Ultra T8 AWDへ電力を供給。同社では「100Vで電力を送るとどうしても充電に時間がかかってしまい、ユーザーにとってはストレスとなる。DELTA Pro 3は200V対応で、エクストラバッテリーを1台積むと8000Whの電力を200Vで送ることができる」と解説する。
電力供給デモではボルボの最新PHEVモデルが使用された
ボルボXC90に電力を供給するEcoFlow DELTA Pro 3
電気自動車に付属のケーブルは大抵200V用で、自動車メーカー純正の100V用充電ケーブルはあるが高価とのこと。つまり、DELTA Pro 3を使えば充電ケーブルを別途入手することなく、電気自動車に付属のケーブルを使って充電ができるというわけだ。
また、漏電による事故発生の防止策として、自動車メーカー純正の充電用ケーブルにはアースの検知機能が搭載されている。電力を供給するデバイスがアース線で漏電対策をしていない場合、検知機能が働いてエラーとなり充電ができないケースもあるという。
しかし、「DELTA Pro 3にはGFCI機能が搭載されていて、EcoFlowアプリで機能をオンにするとアースを取っていなくてもエラーが出ず、充電ができる」
実際にデモを行った会場の中央広場はオープンスペースで、アースを接続する端子や設備はなく、アースを取っていなかったのだが、XC90には約3000Whで電力が供給できていた。
約3000Whで給電するDELTA Pro 3(左)と
充電中のインジケーターが点灯しているXC90(右)
ちなみに静かな事務所の騒音レベルは50dBほどで、自宅で電気自動車に充電しても近隣の住宅に動作音が伝わる心配はほぼないといえよう。
屋外の実演デモでは充電中の動作音がほとんど聞こえない
同社では「ポータブル電源はソーラーパネルにつなげ、太陽光で発電した電力を充電すれば電気代がかからず、環境配慮にもつながる。電気自動車はもともと環境配慮を考えた車なので、その意味で親和性は高い」と考えている。
会期の2日間はあいにくの天気で、特に16日は終日の雨となり、屋外での展示ができなかった。同社では今回のイベント出展に関して「ポータブル電源で電気自動車を充電できることを知らなかったという声も多くいただきました。実際に眼の前で充電の様子をご覧いただくことで、新たな活用方法を知っていただく貴重な機会となりました」という。
また、EV充電スポットが見つからないときや災害時のバックアップ電源としても役立ちそうとの声も寄せられ、イベントに出展したことで「ポータブル電源の可能性を広く認識していただけたと感じています」とコメントする。
これまで家電機器への電力供給デモは何度か体験してきたが、ポータブル電源から電気自動車への電力供給は初の体験だった。当初、車へはいくつものツールを使い、ケーブルも連結させて供給すると思っていたが、実際はケーブル1本でつなぐだけで電力供給ができる。その準備と操作はあっけないほど簡単なのが印象的だった。
当初はキャンプなどのアウトドア用途で注目を集めたポータブル電源は、災害時の電力供給源として認知が進んでいる。リン酸鉄リチウムイオンの採用でバッテリー寿命は伸び、日常使いでもさまざまなシーンで活躍する。
大容量のDELTA Pro 3は
家庭内での電力源としても活躍する
同社のコメントにもあるように、ポータブル電源の用途は今後さらに拡大していくだろう。そんな将来を感じさせるイベントだった。(BCN総研・風間理男)

各社の電気自動車が二子玉川に集結
3月15~16日の2日間、東京・世田谷区の二子玉川ライズにおいて体験型オープンイベント「EV:LIFE FUTAKO TAMAGAWA 2025」が開催された。同イベントは自動車専門誌のル・ボランが主催し、電気自動車メーカーによるプレゼンテーションやEV&PHEVの実車展示と試乗体験、ジャーナリストによるトークなどが行われた。同イベントの開催は今回で5回目。トヨタや日産、マツダ、三菱の日本勢はもとより、BMW、フォルクスワーゲン、ロータス、ミニ、フィアット&ジープ、キャデラック、ヒョンデ、BYDなどの海外メーカーもそれぞれ実車を出展した。


各社のEV&PHEVが出展
今回のイベントではポータブル電源メーカーのEcoFlowが中央広場にブースを出展。コンパクトなRIVER 3シリーズやDELTAシリーズ、増量用のエクストラバッテリーなどを展示するとともに同社が2024年6月に発売した大容量ポータブル電源のEcoFlow DELTA Pro 3(以下、DELTA Pro 3)を一部の出展社ブースに提供して実車への電力供給デモも行われた。

二子玉川ライズ中央広場にブースを出展
DELTA PRO 3からボルボXC90へ電力供給デモを実施
DELTA Pro 3はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載し、バッテリー容量は4096Wh。専用エクストラバッテリーを連結させると最大12kWhまで拡張できる。連結はDELTA Pro 3にエクストラバッテリーを積み重ねるため、接地面積はそのままで容量の拡張が可能だ。充電はACとソーラー、車載のシガーソケットに加え、EVスタンドやガソリン発電機、オルタネーターと6通りの充電方法に対応。接続機器に電力を供給する出力ポートはAC×7、DC×2、USB TypeC×2、USB TypeA×2で、AC 200Vにも対応している。

最大12kWhまで容量の拡張が可能
デモでは、DELTA Pro 3からプラグインハイブリッドのボルボXC90 Ultra T8 AWDへ電力を供給。同社では「100Vで電力を送るとどうしても充電に時間がかかってしまい、ユーザーにとってはストレスとなる。DELTA Pro 3は200V対応で、エクストラバッテリーを1台積むと8000Whの電力を200Vで送ることができる」と解説する。


電気自動車に付属のケーブルは大抵200V用で、自動車メーカー純正の100V用充電ケーブルはあるが高価とのこと。つまり、DELTA Pro 3を使えば充電ケーブルを別途入手することなく、電気自動車に付属のケーブルを使って充電ができるというわけだ。
また、漏電による事故発生の防止策として、自動車メーカー純正の充電用ケーブルにはアースの検知機能が搭載されている。電力を供給するデバイスがアース線で漏電対策をしていない場合、検知機能が働いてエラーとなり充電ができないケースもあるという。
しかし、「DELTA Pro 3にはGFCI機能が搭載されていて、EcoFlowアプリで機能をオンにするとアースを取っていなくてもエラーが出ず、充電ができる」
実際にデモを行った会場の中央広場はオープンスペースで、アースを接続する端子や設備はなく、アースを取っていなかったのだが、XC90には約3000Whで電力が供給できていた。

充電中のインジケーターが点灯しているXC90(右)
充電中に発生する動作音は極めて静か
ポータブル電源を使用する場合は、何らかの動作音がするのだが、XC90への電力供給時は非常に静かだった。同社によるとDELTA Pro 3は静音設計になっていて、基板が温まってくると多少の動作音は発生するが、それでも40~45dB程度と説明する。ちなみに静かな事務所の騒音レベルは50dBほどで、自宅で電気自動車に充電しても近隣の住宅に動作音が伝わる心配はほぼないといえよう。

同社では「ポータブル電源はソーラーパネルにつなげ、太陽光で発電した電力を充電すれば電気代がかからず、環境配慮にもつながる。電気自動車はもともと環境配慮を考えた車なので、その意味で親和性は高い」と考えている。
会期の2日間はあいにくの天気で、特に16日は終日の雨となり、屋外での展示ができなかった。同社では今回のイベント出展に関して「ポータブル電源で電気自動車を充電できることを知らなかったという声も多くいただきました。実際に眼の前で充電の様子をご覧いただくことで、新たな活用方法を知っていただく貴重な機会となりました」という。
また、EV充電スポットが見つからないときや災害時のバックアップ電源としても役立ちそうとの声も寄せられ、イベントに出展したことで「ポータブル電源の可能性を広く認識していただけたと感じています」とコメントする。
これまで家電機器への電力供給デモは何度か体験してきたが、ポータブル電源から電気自動車への電力供給は初の体験だった。当初、車へはいくつものツールを使い、ケーブルも連結させて供給すると思っていたが、実際はケーブル1本でつなぐだけで電力供給ができる。その準備と操作はあっけないほど簡単なのが印象的だった。
当初はキャンプなどのアウトドア用途で注目を集めたポータブル電源は、災害時の電力供給源として認知が進んでいる。リン酸鉄リチウムイオンの採用でバッテリー寿命は伸び、日常使いでもさまざまなシーンで活躍する。

家庭内での電力源としても活躍する
同社のコメントにもあるように、ポータブル電源の用途は今後さらに拡大していくだろう。そんな将来を感じさせるイベントだった。(BCN総研・風間理男)