TVS REGZAが液晶テレビで年間首位、有機ELテレビでは逆転劇
「BCN AWARD」は、家電量販店などから集計している実売データ(POSデータ)をもとに、部門ごとに年間販売数量累計1位のメーカーを称える制度。前年の実績に基づくため、「BCN AWARD 2025」の対象期間は2024年1月~12月となる。
25年1月20日に発表された「BCN AWARD 2025」から、本記事では薄型テレビカテゴリの3部門である「液晶テレビ(4K未満)部門」「液晶テレビ(4K以上)部門」「有機ELテレビ部門」を取り上げ、それぞれのNo.1メーカーや市況を解説する。
まず、液晶テレビ(4K未満)部門でAWARDを獲得したのはTVS REGZAだった。同社は2021年から4年連続でNo.1を獲得。メーカー別販売台数シェアは24.6%で、2位のシャープと3.1ポイントの僅差で激戦を制した。また、3位にはHisenseが15.9%でランクイン。昨年はTCL Corporationに及ばずTOP3入りを逃したが、2年ぶりに返り咲いた。
TVS REGZAは液晶テレビ(4K以上)部門でもAWARADを獲得。昨年初めて年間No.1となっており、2年連続でその座を守った。シェアは26.6%で昨年と同様、市場の4分の1以上を占めた。また、2位はシャープの18.4%、3位はHisenseの18.3%となり、僅か0.1ポイント差の熾烈な2位争いとなった。
有機ELテレビ部門でAWARDを獲得したのはシャープ。部門設立以来7年連続でソニーが首位だったが、8年目にして逆転劇が起こった。また、2位はTVS REGZA、3位はパナソニックで、ソニーはTOP3から陥落する波乱の展開となった。
有機ELテレビ部門において、シャープのシェアをけん引したのは23年8月発売の55型「4T-C55FQ1」。そのほか、同社は年間の機種別ランキングにて、上位メーカーでは最多の4製品がランクインした。
有機ELテレビ市場の勢力図の変化は、各社の戦略の違いが一因だ。ソニーは高単価化の路線へと舵を切っており、24年全体の平均単価は28万7千円と市場で最も高い。ラインアップも55型や65型、77型といった大画面製品を主力に据えている。
一方、シャープは55型や48型が主力。有機ELとしては小型の42型をラインアップしていることも支持の拡大に貢献した。24年全体の平均単価は19万1千円と、値ごろ感のある価格で販売台数を伸ばした。
2024年の薄型テレビ市場は、液晶テレビ(4K未満)で前年比105.8%、4K以上では100.6%とほぼ前年並みの規模を維持した。しかし、有機ELテレビは前年比77.7%と、市場規模は大幅に縮小した。液晶テレビに比べ高価格であることや、液晶テレビとの差異が消費者にうまく伝わっていないことが一因と考えられる。
以前よりも地上波放送の求心力は弱まり、テレビ離れが叫ばれるようになって久しいが、テレビという機器自体は、Netflix等の動画配信サービスやYouTube等の動画サイトの視聴、ゲームのプレーなど依然として用途は広い。
近年、薄型テレビはミニLEDディスプレイやAI技術を搭載したテレビ、布のように巻き取ることがロール式有機ELテレビの登場など、ハード面でも進化を続けている。そうした新たな動きによる市場の活性化にも注目したい。
(BCN総研・筧采斗)
実売データ提供販売店(24年12月現在)はアマゾン・ジャパン、エクスプライス、エディオン、NTTドコモ、玉光堂、ケーズホールディングス、コジマ、サードウェーブ、サンキュー、上新電機、ストリーム、ソフマップ、ZOA、ナニワ商会、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、三星カメラ、ムラウチドットコム、ユニットコム、楽天ブックス、綿半ドットコム(50音順)。
25年1月20日に発表された「BCN AWARD 2025」から、本記事では薄型テレビカテゴリの3部門である「液晶テレビ(4K未満)部門」「液晶テレビ(4K以上)部門」「有機ELテレビ部門」を取り上げ、それぞれのNo.1メーカーや市況を解説する。
まず、液晶テレビ(4K未満)部門でAWARDを獲得したのはTVS REGZAだった。同社は2021年から4年連続でNo.1を獲得。メーカー別販売台数シェアは24.6%で、2位のシャープと3.1ポイントの僅差で激戦を制した。また、3位にはHisenseが15.9%でランクイン。昨年はTCL Corporationに及ばずTOP3入りを逃したが、2年ぶりに返り咲いた。
TVS REGZAは液晶テレビ(4K以上)部門でもAWARADを獲得。昨年初めて年間No.1となっており、2年連続でその座を守った。シェアは26.6%で昨年と同様、市場の4分の1以上を占めた。また、2位はシャープの18.4%、3位はHisenseの18.3%となり、僅か0.1ポイント差の熾烈な2位争いとなった。
有機ELテレビ部門でAWARDを獲得したのはシャープ。部門設立以来7年連続でソニーが首位だったが、8年目にして逆転劇が起こった。また、2位はTVS REGZA、3位はパナソニックで、ソニーはTOP3から陥落する波乱の展開となった。
有機ELテレビ部門において、シャープのシェアをけん引したのは23年8月発売の55型「4T-C55FQ1」。そのほか、同社は年間の機種別ランキングにて、上位メーカーでは最多の4製品がランクインした。
有機ELテレビ市場の勢力図の変化は、各社の戦略の違いが一因だ。ソニーは高単価化の路線へと舵を切っており、24年全体の平均単価は28万7千円と市場で最も高い。ラインアップも55型や65型、77型といった大画面製品を主力に据えている。
一方、シャープは55型や48型が主力。有機ELとしては小型の42型をラインアップしていることも支持の拡大に貢献した。24年全体の平均単価は19万1千円と、値ごろ感のある価格で販売台数を伸ばした。
2024年の薄型テレビ市場は、液晶テレビ(4K未満)で前年比105.8%、4K以上では100.6%とほぼ前年並みの規模を維持した。しかし、有機ELテレビは前年比77.7%と、市場規模は大幅に縮小した。液晶テレビに比べ高価格であることや、液晶テレビとの差異が消費者にうまく伝わっていないことが一因と考えられる。
以前よりも地上波放送の求心力は弱まり、テレビ離れが叫ばれるようになって久しいが、テレビという機器自体は、Netflix等の動画配信サービスやYouTube等の動画サイトの視聴、ゲームのプレーなど依然として用途は広い。
近年、薄型テレビはミニLEDディスプレイやAI技術を搭載したテレビ、布のように巻き取ることがロール式有機ELテレビの登場など、ハード面でも進化を続けている。そうした新たな動きによる市場の活性化にも注目したい。
(BCN総研・筧采斗)
実売データ提供販売店(24年12月現在)はアマゾン・ジャパン、エクスプライス、エディオン、NTTドコモ、玉光堂、ケーズホールディングス、コジマ、サードウェーブ、サンキュー、上新電機、ストリーム、ソフマップ、ZOA、ナニワ商会、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、三星カメラ、ムラウチドットコム、ユニットコム、楽天ブックス、綿半ドットコム(50音順)。