最近、ごく当たり前のように、「ムール貝の白ワイン蒸しは海外を彷彿させる」と、友人はもとより、あっちこっちで話し回っていたのだが、よくよく考えれば、具体的にどこそこの国と特定できないことに、今更ながらに気づく……。大人げなくはしゃぎ、イメージだけで語っていた己を恥ずかしく思う。
フランスやスペイン、イタリアはもとより、南北アメリカ、オセアニア、アジアだろうと、どこでも食せるに違いないムール貝の白ワイン蒸し。ゆえに海外っぽいと思えた、きっかけとなる記憶をなんとかつまみたいが、長らく海外渡航をしていない身としては余計、薄らいだ記憶を手繰るのは至難の業。
う~むと唸り、ひねり出すように無理やり頭に浮かべる記憶はもはや、脳が勝手に作り出した稚拙な映像のようで、心もとない。
なので、確かな記憶をここに。
場所は大阪、鎗屋町(やりやまち)の『Kamekichi』。ランチで最初に出た「ムール貝の白ワイン蒸し」。
白ワインの酸味もさることながら、バターをたっぷり含んだ貝のエキス。
自宅ならば器を豪快にあおり、一滴も残さず飲み干したくなるくらいの味わい。
さらに、旨かった!という余韻は心を寛容にする。
土曜の昼下がり、ワインを楽しみつつ語らうマダムやカップル、食器にナイフやフォークがあたる音など、店内で聞こえる様々な音がBGMのように心地よく感じられる。
どこの海外かはともあれ、一皿で記憶総動員の大トラベルを満喫できたし、ムール貝という、どちらかといえば脇役の食べ物を、はっきり好きと認識できるようになったのは、もしかしたら自分にとっては幸運なことかもしれない。どこかに行く際はきっと、ムール貝のチェックを怠らないようになるのだから。
『Kamekichi』
住所/大阪府大阪市中央区鎗屋町1-3-13
※こちらの記事は、関西の食雑誌「あまから手帖」がお届けしています。
あまから手帖=https://www.amakaratecho.jp/amakaratecho/
フランスやスペイン、イタリアはもとより、南北アメリカ、オセアニア、アジアだろうと、どこでも食せるに違いないムール貝の白ワイン蒸し。ゆえに海外っぽいと思えた、きっかけとなる記憶をなんとかつまみたいが、長らく海外渡航をしていない身としては余計、薄らいだ記憶を手繰るのは至難の業。
う~むと唸り、ひねり出すように無理やり頭に浮かべる記憶はもはや、脳が勝手に作り出した稚拙な映像のようで、心もとない。
なので、確かな記憶をここに。
場所は大阪、鎗屋町(やりやまち)の『Kamekichi』。ランチで最初に出た「ムール貝の白ワイン蒸し」。
白ワインの酸味もさることながら、バターをたっぷり含んだ貝のエキス。
自宅ならば器を豪快にあおり、一滴も残さず飲み干したくなるくらいの味わい。
さらに、旨かった!という余韻は心を寛容にする。
土曜の昼下がり、ワインを楽しみつつ語らうマダムやカップル、食器にナイフやフォークがあたる音など、店内で聞こえる様々な音がBGMのように心地よく感じられる。
どこの海外かはともあれ、一皿で記憶総動員の大トラベルを満喫できたし、ムール貝という、どちらかといえば脇役の食べ物を、はっきり好きと認識できるようになったのは、もしかしたら自分にとっては幸運なことかもしれない。どこかに行く際はきっと、ムール貝のチェックを怠らないようになるのだから。
『Kamekichi』
住所/大阪府大阪市中央区鎗屋町1-3-13
※こちらの記事は、関西の食雑誌「あまから手帖」がお届けしています。
あまから手帖=https://www.amakaratecho.jp/amakaratecho/