世の中では様々なビジネス用語が使われているが、中には「どういう意味か全然分からない」という声が上がるものも。「あんちょこ」という言葉もそのひとつだ。一体何を指している言葉なのか、詳しく見ていこう。
あんちょことは、「手軽な参考書」や「自分用のマニュアルやメモ」などを指す言葉。もともとは教科書に解答や解説を付け加え、調べたり考えたりする手間を省けるように作られたもので、予習や復習などの自習のときに使われていた。最初は主に学生が使う言葉だったが、そこからビジネスシーンでも広く使われるように。
実は「あんちょこ」は古くからある言葉で、昭和初期には用例が確認されている。語源は、「安直(あんちょく)」の音が変化して「あんちょこ」になったという説が有力だ。
安直とは、安価で手軽なさまを意味する。分からないことを自分で調べずに、参考書から「安直」に解答を得ようとする姿勢から生まれた言葉と考えられている。
聞いたことがないという世代が増えてきていることから、「あんちょこ」は死語になりつつあるようだ。ビジネスシーンにおいては「あんちょこ作っておくように」と言うよりも、「自分用のマニュアルを作っておくように」や「仕事のメモをまとめておくように」と言い換えたほうがいいかもしれない。(フリーライター・井原亘)
■Profile
井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
美味しそうだけど食べ物ではない「あんちょこ」
SNSなどでは「上司から『あんちょこ作っておきな』って言われたけど意味がわからなくて困った」「『あんこ』と『チョコレート』みたいでおいしそうだけど、どういう意味?」など戸惑いの声が上がっている。あんちょことは、「手軽な参考書」や「自分用のマニュアルやメモ」などを指す言葉。もともとは教科書に解答や解説を付け加え、調べたり考えたりする手間を省けるように作られたもので、予習や復習などの自習のときに使われていた。最初は主に学生が使う言葉だったが、そこからビジネスシーンでも広く使われるように。
「あんちょこ」が通じない世代が増えている
しかし、最近は「あんちょこ」という言葉が通じない世代も増えてきている。40~50代だと「今でも普通に使う」という人も多くいるが、30代以下の人だと「まったく聞いたこともない」という人が多いよう。実は「あんちょこ」は古くからある言葉で、昭和初期には用例が確認されている。語源は、「安直(あんちょく)」の音が変化して「あんちょこ」になったという説が有力だ。
安直とは、安価で手軽なさまを意味する。分からないことを自分で調べずに、参考書から「安直」に解答を得ようとする姿勢から生まれた言葉と考えられている。
聞いたことがないという世代が増えてきていることから、「あんちょこ」は死語になりつつあるようだ。ビジネスシーンにおいては「あんちょこ作っておくように」と言うよりも、「自分用のマニュアルを作っておくように」や「仕事のメモをまとめておくように」と言い換えたほうがいいかもしれない。(フリーライター・井原亘)
■Profile
井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている