• ホーム
  • トレンド
  • 関西ご当地インスタントラーメン食べ比べ! 第18回は“奈良・和歌山・大阪編”

関西ご当地インスタントラーメン食べ比べ! 第18回は“奈良・和歌山・大阪編”

 日本各地で販売されているご当地インスタントラーメンをいただき、旅行気分を満喫するべくスタートしたこの企画。今回は関西より奈良県、和歌山県、大阪府の商品をピックアップ。それぞれが特有のラーメン文化をもつエリアだけに、バラエティー豊かなものが集まった。ではレッツ食べ比べ。

有名ブランドラーメンから未知なる味まで幅広い3商品をピックアップ

関西ラーメン通は必食のスタミナラーメン

寿がきや食品「奈良天理 醤油ラーメン」

 最初にいただいたのが奈良エリアのご当地ラーメン、スタミナラーメンを世に広めた「奈良天理ラーメン」の一杯。奈良のスタミナラーメンというと、白菜、豚バラ、ニンニク、ニラなどをラー油で炒めた具材が特徴的だが、いつも通り具なしでいただく。
 
見た目はよくあるインスタントの醤油ラーメンのよう

 作り方は通常のインスタントラーメン同様、麺を茹でた鍋に液体スープを入れると完成。スープからはとくにニンニクの香りなどは感じないが、さてお味の方はどうか。
 
若干細くちぢれた、コシのあるノンフライ麺

 まずはスープからズズズイっといただくと「ほうほう、白菜が入っていないけどその甘味をしっかりと表現していて、こりゃうめぇー!」。丁度いい濃さの醤油ベースで、ニンニクや辣醤の風味がいい塩梅にきいており一般的な醤油ラーメンとは明らかに違う仕上がりになっている。

 お次は麺をズルズルっとすすってみると、ほど良い甘辛スープが縮れ麺によく絡んで、豊潤な出汁の味わいが口に残る。ノンフライ麺のしっかりとした歯応えや喉越しも魅力で、こいつはよく研究されて作られた一杯。スタミナラーメンの具材を加えると、もっとおいしくいただけること間違いなし。

総評
ご当地感 ★★★★★
汁の個性 ★★★★☆
麺の個性 ★★★★☆
お土産度 ★★★★☆
合計 17ポイント

 スタミナラーメン文化が根付いている奈良のラーメンとあって、ご当地感は当然マックス。強烈なパンチ力の個性ではないがこのエリア特有の味わいであることから、全体的に高い星を獲得した。
 

ご当地ラーメン文化を牽引する実力派

五十嵐製麺「和歌山ラーメン 豚骨しょうゆ味」

 次はご当地ラーメンという文化を生み出したといっても過言ではない、和歌山ラーメンの登場。90年代に話題となり、全国のラーメンファンがこぞって現地まで味を運んだというブランドラーメンだ。
 
スープはやや濁った茶色。醤油のいい香りが漂う

 こちらの作り方は、奈良天理ラーメンと同様なので割愛する。出来上がりを見てみると、なんの変哲もない様子に逆に王者の風格すら感じるから不思議だ。
 
喉越しのいいストレートの低温熟成乾燥麺

 それではスープからゴクゴクっといただいてみると「んー、豊潤な醤油の味わいがたまらん~」。茶色く濁った色からそこそこのこってり味を想像していたが、大間違い。超マイルドな醤油豚骨で、1口目から全身に染み渡るような感覚。

 低温熟成乾燥麺とやらをズルルルっといただくと、つるりとした食感が特徴的で、箸がとまらなくなる。インスタントラーメンながら、「かなりの完成度ですぜ!」。さすが、横浜家系や次郎系などガッツリ系豚骨醤油が人気を博す現在のラーメン界の中で、永きに渡って注目され続ける実力派の味わい。マイルド系醤油豚骨の底力を感じる旨さだった。

総評
ご当地感 ★★★★★
汁の個性 ★★★☆☆
麺の個性 ★★★★☆
お土産度 ★★★★★
合計 17ポイント

 クオリティが高く、もちろん美味いんだけど「個性」として考えた時に、今やマイルドな豚骨醤油がそれほど珍しいものではないことが少々足を引っ張ってしまった。それでも17ポイントの高得点。
 

さすが大阪の超個性的ラーメン

フェイスウィン「マヨらーめん とんこつマヨネーズ味」

 最後にいただいたのが、真っ白なパッケージが印象的な「マヨらーめん」。大阪といえば、お好み焼きやたこ焼きを代表する粉もんだ。そして、粉もんといえばマヨネーズ、ということで生み出されたと推測する。
 
スープはインスタントでもお店でも見かけない驚きの白さ

 作り方は、あらかじめ器にスープを作り、茹でた麺とドッキングさせるセパレートタイプだ。インスタントラーメンでは珍しく乾燥具材がついている。お湯を入れた器に粉末マヨネーズとやらをバサッと入れると、豚骨よりもさらに白いスープが誕生し、見た目のインパクトにドキドキが止まらない。
 
マヨスープにそこそこの太麺を合わせるセンスが憎い

 コーン、キャベツ、カニカマ、人参などが浮いたスープから恐る恐るいただいてみると「ギョエ~、ほんまにマヨネーズの味が口いっぱいに広がりまっせー!」。クリミーでマイルドで、ほんのり酸っぱいスープに唖然。美味い美味くないでは語ることのできない新感覚の味わいだ。

 食べ応えのある中太縮れ麺をズルズルっと啜ってみても、「うーん」。やはり薄っすらマヨ味。そういえばラーメンも粉もんだし、となるとマヨネーズとの相性も悪くないはず、という方程式は成りたっている。けど、スープにマヨネーズを溶かすという感覚に、まだ頭や口がついていかない。さすが、普通が1番ダメという大阪の根性が凝縮された一杯だ。

総評
ご当地感 ★★★☆☆
汁の個性 ★★★★★
麺の個性 ★★★☆☆
お土産度 ★★☆☆☆
合計 14ポイント

 自分へのお土産としてなら星五つだが、人にプレゼントするなら冒険心が強すぎることから、超個性が悪い方に転んでしまった。大阪といえばマヨネーズ、というつながりもそこまで濃く感じないかも。商品への注目度は100点満点。
 

くっきり明暗が分かれる結果に

 さて、今回はじめて三つのエリアを扱ったが、くっきり明暗が別れる結果。大真面目なご当地ラーメンから新感覚の超個性派ラーメンまで、という幅の広さこそが「関西地方の面白さであり、底力なんやで!」と無理やり締めくくってみた。(エフェクト・山葉のぶゆき)