【日本全国を制覇したバンワーカーが教える至福のあれこれ・1】バンワークとは、車で旅をしながら仕事をする新しいワーケーションスタイル。編集プロダクション「マイカ」が所有するハイエースは、移動手段であると同時にオフィスでもある。取材が決まれば全国どこにでも赴き、取材のあとはすぐにオフィスで原稿を書き上げる。そのおかげか、クライアントから「最速ライター集団」という嬉しい異名をいただいた。2022年4月からバンワークを開始し、今年7月に日本一周を達成。仕事をしながらでも日本制覇できるバンワークのポテンシャルに、今さらながら驚いている。これからも日本全国を走り回りながら、このユニークな働き方を続けていく所存だ。

安心して車中泊できるRVパーク

　バンワーカーにとって、安全で快適な宿泊場所の確保は重要である。道の駅や高速道路のサービスエリアで仮眠をとることもあるが、安心して夜を過ごすため、よくRVパークを利用する。

　RVパークとは、日本RV協会が定めた条件を満たす車中泊施設。余裕のある駐車場スペース、24時間利用可能なトイレ、100V電源の使用、近隣の入浴施設、ゴミ処理の可能性などが主な条件となっている。

　今年8月現在、全国各地の温泉、旅館、道の駅、遊園地など、さまざまな施設に470カ所以上のRVパークがある。まだ訪れていないところも多いので、これからは全国のRVパーク制覇を目標にしようかと画策しているところだ。

おすすめRVパーク「宇都宮ICくまくま」

　今回は、実際に訪れたRVパークの中から、特に優れた施設を紹介する。選定基準としてトイレ、入浴施設、ゴミ処理、電源、水場、ランドリー、食事処といった設備が徒歩圏内にあり、快適に使用できることを重視した。この条件を満たすRVパークは全国にいくつかあるが、今回は栃木県宇都宮市にある「宇都宮ICくまくま」というRVパークを紹介しよう。

名称：RVパーク 宇都宮ICくまくま
住所：栃木県宇都宮市新里町丙357-14
利用料金：3000円/1泊
利用可能台数：10台
チェックイン：15時～20時　チェックアウト：11時まで

　施設内には電源、洗い場、トイレ、シャワー、洗濯機が完備されており、長期滞在にも対応できる充実した設備が整っている。敷地内にはレストランがあり、ゴミ処理も可能だが、その場合45リットル袋一つ当たり500円の料金が必要になる。

イタリアンレストランが運営するRVパーク 

　このRVパークの最大の魅力は、RVパークのオーナーが経営するイタリアンレストラン「wildkitchen kumakuma」だろう。ここでは、朝食から夕食までおいしい料理が楽しめる。ランチタイムやディナータイムには、そば粉入りの極太うどん「JUJU焼きうどん」や、餃子を海苔巻きで包んだ変わり種料理「まき餃子」が食べられる。
 
　ディナータイムには、ふわふわな耳がおいしい窯焼きピザや、自家製の燻製ミックスなど、この店ならではの料理がおいしいワインやお酒と一緒に楽しめる。敷地内のRVパークに宿泊すれば、飲酒運転の心配なく食事を堪能できるのも大きな魅力だ。翌朝は、ボリューム満点の朝食も用意されている（要予約）。
 
　RVパークの敷地には、無料で利用できる清潔なトイレとシャワールームが用意されている。食器洗いや洗面用のシンク、洗濯機なども備えられており、長期滞在者にも配慮された設備となっている。
 
　温泉好きの人は、徒歩圏内にある道の駅「ろまんちっく村」にある「天然温泉 湯処あぐり」（510円）に行ってみよう。泉質はアルカリ性単純温泉で、ゆっくり浸かれば冷え性や筋肉痛などに効果があるとのこと。内風呂のほかに露天風呂もあり、温泉気分が味わえる。
 
　車中泊を楽しむには、キャンピングカーや車中泊仕様の車でなければならないと考える人は多い。しかし、「宇都宮ICくまくま」にはトイレや食事、入浴などの施設が完備されているため、車内で眠れる準備をしておけば、車中泊の醍醐味を存分に味わえる。「車中泊に憧れるが一歩踏み出すことができない」という人は、こういった施設で車中泊を体験してみてはいかがだろうか。（マイカ・井上真花）


■Profile
井上真花
雑誌、書籍、新聞やWeb記事などを制作する編集プロダクション「有限会社マイカ」の代表取締役。コロナ禍を機にフルリモート体制となり、自作キャンピングカーを職場とする「バンワーク」を実践中。2024年7月に全国制覇を果たした。