永続的エネルギーを呼び覚ますには

暮らし

2024/10/06 18:00

【理屈を超えたモチベーションの正体・2】モチベーションを「エネルギー」として捉えた場合、エネルギーには2種類あることを前回、ご紹介しました。「反応エネルギー」「真エネルギー」です。どちらも大切なエネルギーです。しかし、反応エネルギーは基本、一時的なものです。つまりそのエネルギーは使ってしまうと枯渇します。それに対して、真エネルギーは永続的なものです。ずっと湧き続けるもの、といっても良いでしょう。どのようにすれば、真エネルギーを得ることができるでしょうか?

まずは結論

 この問いについて、まず答え(結論)から述べたいと思います。答えは、「“私そのもの”」です。意味の取りづらい答えかもしれませんが、これ以上の表現が思いつきません。ですので、この答えについて解説します。

 “私そのもの”であれば、ほぼ無尽蔵にエネルギーが湧いてきます。頑張らなくても自然にです。それはまるで、毎日太陽が昇ってエネルギーを与えてくれているのと同じようなものです。つまり、自分自身の内側に太陽が在り続けているイメージです。

“私そのもの”とは

 では、“私そのもの”とはどのような状態でしょうか。逆にいえば、普段は“私そのもの”ではない、ということでしょうか。答えは、「はい、その通り」です。日常生活で“私そのもの”として生きている瞬間はほとんどありません。それよりも「外部環境」や「外部からの刺激」によって、多かれ少なかれ右往左往しながら、そして揺らされながら生きています。

 例えば、ネットなどから何らかの情報が入ります。その情報そのものは忘れてしまったとしても、潜在意識の中でそれらはしばらく残ります。すると、その影響を直に受けた行動をとります。それは自分の意思で動いているようです。また、ラーメンの宣伝をチラリと見ただけで、ランチでラーメンを食べたくなる、というのも同様です。

 ネットや宣伝だけではありません。ニュースや周りにいる人からの一言や、たまたま出会った出来事や体験などから、常に何かを自身にインプットし、反射的・反応的に動きます。もちろん現実世界に生きている以上、周りからの刺激に晒されるというのは当然のことですし、拒絶もできません。する必要もありません。

 大切なのは、そういった刺激に対して「反射的・反応的」に動くのではなく(何も考えず、流されるように動くのではなく)、しっかり「対応する」こと。自分の意思で動くことです。

 自分に何をインプットしてもOK。ただ、アウトプットはしっかり自分の意思で「決めること」です。本当の自分の意思で決めている状態、これが“私そのもの”です。

「決める」とは

 「決める」とは「他の選択肢を手放す」ということです。例えば、A、B、C、D、という四つの選択肢があった場合、その中から「Aを選ぼう」とするのは、案外すぐにできます。しかし、それだけでなく「B、C、Dを完全に手放そう」という決め方をしようとすれば、躊躇が入ります。

 それは無意識に「他の選択肢も残したままで一つを選ぶ」ことで安心感を得ようとしているからです。選んだ選択が駄目だと分かれば、すぐに別の選択に変えればいい、という融通性を持とうとします。ところが、この生き方が“私そのもの”から離れさせてしまいます。

 「決める」ときはしっかりはっきり決める。「決める」とは、「100%の気持ちでそれをする」ことです。「100%」のためには他の選択肢を「完全に手放す」必要があります。これを日常生活の些細なことも含めて一つ一つの事柄に対して丁寧に実践し続けることができれば、私達は“私そのもの”に近づいていきます。なぜならば、本来、一つ一つの物事をしっかり「決めている」からです。

 「今から何をするか?」を、本当は「完全に決めて」います。“私そのもの”になるとは、その「完全に決めている答え」の通りに生きる、ということなのです。そして“私そのもの”になれた時、私達の内側から永続的なエネルギーが湧き続けるようになります。

 そのために具体的にどうすればいいかについては、最も簡単な方法を次回、解説します。(ITSUDATSU・黒澤伶)