国内シェアNo.1の戦略とは? アイ・オー・データ機器の液晶ディスプレイ事業
BCNランキングにおいて2024年上期(1~6月)の液晶ディスプレイ市場でシェアNo.1を獲得したアイ・オー・データ機器。昨年末から今年にかけて、法人向け新ブランド「BizCrysta(ビズクリスタ)」製品をはじめ、法人・個人向け量販モデルの新製品、ゲーム向けモデル、モバイルディスプレイの各カテゴリで続々と新製品を投入し、底上げを図っている。同社製品の強みと下期に向けた展開について、山形誓・第1事業部企画1課課長代理に聞いた。
「ただ、その需要拡大に合わせて各社が在庫を積み増したことから供給過多の状態となり、価格競争を招いた。また、為替の影響を受けるなど、収益面では厳しいのが否めない。ただ、その中でもトップシェアを維持できたことは多くのお客様に支えられているからこそ達成できたことであり、率直にうれしい」と山形課長代理は胸を張る。
液晶ディスプレイ市場で長年に渡ってシェアNo.1を「定位置」としてきた同社にとって、もちろんシェアは重視する命題ではあるが、同時にロングセラーとしてユーザーから長く支持を受ける製品づくりを大切にしているという。特に、トピックとして目立ちやすい上位モデルだけでなく、数を売ることを使命とする量販モデルにおいても品質、性能の向上を確実に進めてきた。
まず、法人・文教向け量販モデルのAシリーズを1月に、Cシリーズを2月に出荷。特に、CシリーズはUSB Type-Cケーブル1本でPCと接続・給電できるなど、使い勝手の高い製品だ。ゲーム向けでは、ミドルレンジ製品を165Hzのリフレッシュレート対応から、180Hzの高速リフレッシュレート対応へと引き上げ、高速応答1.0ms[GTG]を実現した。ゲーミングエントリーモデルも従来75Hzのリフレッシュレートを120Hzのリフレッシュレート対応に引き上げ、エントリーモデルのリニューアルを行っている。
「ゲーム向けではハイエンド向け製品が注目されるが、エントリーモデルからハイエンド向けまで豊富なラインアップをそろえていることが当社の強み。多くのお客様のニーズにお応えしてきた」と山形課長代理。
また、モバイルディスプレイも15.6インチ、17.3インチの新モデルを発表。こちらも、USB Type-Cケーブル1本でPCと接続・給電が可能だ。画面サイズの大型化で、作業効率の向上はもちろん、外出先での取引先などに対するプレゼンでも強くアピールできるなどのメリットがある。
「国内の液晶ディスプレイ市場でシェアNo.1を獲得しているが、その実績とブランド知名度は必ずしも一致しているわけではない。知名度をさらに高め、ブランドとしての認知度を向上していくためにも、コンシューマ向けでのシェア拡大は大きな命題だと捉えている」。その一環として、ゲーミングディスプレイ「GigaCrysta」の発売10周年に向けた施策が進む。
GigaCrystaは“すべてのゲーマーに満足と感動を届ける”というコンセプトのもと、14年10月から商品を提供。24年10月に10周年を迎える。10周年の「10」にかけ、IPホルダーとコラボし、賛同する計10社のゲームメーカーと5月から9月末まで10回連続のプレゼントキャンペーンをGigaCrysta公式Xのアカウントで実施中だ。
山形課長代理は「特設サイトを開設し、SNSを通じたユーザーとのコミュニケーションを大切にしている。国内メーカーとしてお客様の近いところで、真に求められる製品づくりに務める。10周年記念モデルの発売を予定しているのでぜひ、期待してほしい」との考えを示す。
また、無輝点保証サービス「アイオーのプレパはゼロ!」を開始。24年5月1日以降の購入分から対象商品となる液晶ディスプレイに輝点が一つでもあった場合、購入から1カ月以内で無償交換する。
「他社でも同様のサービスは実施しているが、対象製品が上位機種のみとかなり限られることも多い。当社のサービスでは、対象製品が67シリーズと全製品の半数近くに及び、法人・個人双方に提案している最廉価製品であるAシリーズも対象になっている」と山形課長代理はアピールする。それだけ多くの製品で質の高いパネル(プレミアムパネル)を採用していることの表れといえるだろう。
法人向け製品では、23年12月に新ブランド「BizCrysta(ビズクリスタ)」を立ち上げ、スマート&サステナブルな液晶ディスプレイを発売。同梱のケーブル類も見直しを行い最小にした。
一定時間無操作時は、自動でPCスリープ&ディスプレイ省電力モード(スタンバイ)に設定できるため自動で節電でき、ヘルスケアにも効果的な「人感センサー」「照度センサー」を搭載する。また、ディスプレイの節電管理が簡単に実現できるアプリケーションやクラウドサービスを提供。クラウドサービスを通じて、管理者画面からディスプレイの節電状況の可視化や輝度の一括設定が可能など、複数のディスプレイを一元管理できる。
「当社はユーザー目線で必要な機能を検討しており、今後はエコパッケージなどの提供も検討している。当社にとって、お客様から『アイオーのモニターは絵がきれい』と評価されることが一番の誉め言葉。これからも、品質の高さを感じてもらえる製品づくりに努めていきたい」と山形課長代理は意気込んでいる。
堅調な需要を取り込む、機能を底上げした新製品を続々と投入
液晶ディスプレイ市場は、コロナ禍「特需」の反動から22年にかなり落ち込んだが23年下期に底打ち。24年前半の需要は、かなり回復しているという。「ただ、その需要拡大に合わせて各社が在庫を積み増したことから供給過多の状態となり、価格競争を招いた。また、為替の影響を受けるなど、収益面では厳しいのが否めない。ただ、その中でもトップシェアを維持できたことは多くのお客様に支えられているからこそ達成できたことであり、率直にうれしい」と山形課長代理は胸を張る。
液晶ディスプレイ市場で長年に渡ってシェアNo.1を「定位置」としてきた同社にとって、もちろんシェアは重視する命題ではあるが、同時にロングセラーとしてユーザーから長く支持を受ける製品づくりを大切にしているという。特に、トピックとして目立ちやすい上位モデルだけでなく、数を売ることを使命とする量販モデルにおいても品質、性能の向上を確実に進めてきた。
まず、法人・文教向け量販モデルのAシリーズを1月に、Cシリーズを2月に出荷。特に、CシリーズはUSB Type-Cケーブル1本でPCと接続・給電できるなど、使い勝手の高い製品だ。ゲーム向けでは、ミドルレンジ製品を165Hzのリフレッシュレート対応から、180Hzの高速リフレッシュレート対応へと引き上げ、高速応答1.0ms[GTG]を実現した。ゲーミングエントリーモデルも従来75Hzのリフレッシュレートを120Hzのリフレッシュレート対応に引き上げ、エントリーモデルのリニューアルを行っている。
「ゲーム向けではハイエンド向け製品が注目されるが、エントリーモデルからハイエンド向けまで豊富なラインアップをそろえていることが当社の強み。多くのお客様のニーズにお応えしてきた」と山形課長代理。
また、モバイルディスプレイも15.6インチ、17.3インチの新モデルを発表。こちらも、USB Type-Cケーブル1本でPCと接続・給電が可能だ。画面サイズの大型化で、作業効率の向上はもちろん、外出先での取引先などに対するプレゼンでも強くアピールできるなどのメリットがある。
コンシューマ向けシェアをさらに拡大し、ブランディングを強化
アイ・オー・データ機器の液晶ディスプレイ事業は、法人向けがコンシューマ向けを若干上回っているものの、今後はコンシューマ向け製品への注力に取り組む方針だ。「国内の液晶ディスプレイ市場でシェアNo.1を獲得しているが、その実績とブランド知名度は必ずしも一致しているわけではない。知名度をさらに高め、ブランドとしての認知度を向上していくためにも、コンシューマ向けでのシェア拡大は大きな命題だと捉えている」。その一環として、ゲーミングディスプレイ「GigaCrysta」の発売10周年に向けた施策が進む。
GigaCrystaは“すべてのゲーマーに満足と感動を届ける”というコンセプトのもと、14年10月から商品を提供。24年10月に10周年を迎える。10周年の「10」にかけ、IPホルダーとコラボし、賛同する計10社のゲームメーカーと5月から9月末まで10回連続のプレゼントキャンペーンをGigaCrysta公式Xのアカウントで実施中だ。
山形課長代理は「特設サイトを開設し、SNSを通じたユーザーとのコミュニケーションを大切にしている。国内メーカーとしてお客様の近いところで、真に求められる製品づくりに務める。10周年記念モデルの発売を予定しているのでぜひ、期待してほしい」との考えを示す。
また、無輝点保証サービス「アイオーのプレパはゼロ!」を開始。24年5月1日以降の購入分から対象商品となる液晶ディスプレイに輝点が一つでもあった場合、購入から1カ月以内で無償交換する。
「他社でも同様のサービスは実施しているが、対象製品が上位機種のみとかなり限られることも多い。当社のサービスでは、対象製品が67シリーズと全製品の半数近くに及び、法人・個人双方に提案している最廉価製品であるAシリーズも対象になっている」と山形課長代理はアピールする。それだけ多くの製品で質の高いパネル(プレミアムパネル)を採用していることの表れといえるだろう。
法人向け製品では、23年12月に新ブランド「BizCrysta(ビズクリスタ)」を立ち上げ、スマート&サステナブルな液晶ディスプレイを発売。同梱のケーブル類も見直しを行い最小にした。
一定時間無操作時は、自動でPCスリープ&ディスプレイ省電力モード(スタンバイ)に設定できるため自動で節電でき、ヘルスケアにも効果的な「人感センサー」「照度センサー」を搭載する。また、ディスプレイの節電管理が簡単に実現できるアプリケーションやクラウドサービスを提供。クラウドサービスを通じて、管理者画面からディスプレイの節電状況の可視化や輝度の一括設定が可能など、複数のディスプレイを一元管理できる。
「当社はユーザー目線で必要な機能を検討しており、今後はエコパッケージなどの提供も検討している。当社にとって、お客様から『アイオーのモニターは絵がきれい』と評価されることが一番の誉め言葉。これからも、品質の高さを感じてもらえる製品づくりに努めていきたい」と山形課長代理は意気込んでいる。