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東京と大阪で左右が逆! エスカレーターで立つ位置が違うのはなぜ?

時事ネタ

2024/07/23 12:30

 【最近気になる注目ワード・45】エスカレーターに乗る時、あなたはどちら側に立つだろうか? 実は左側に立つ地域と右側に立つ地域があることが、ネット上で度々話題に上がる。なぜこの違いが生じたのか、歴史を遡りながら紹介していこう。

エスカレーターで立つのはどちら側?(画像はイメージ)

高度経済成長期の大阪が始まり!?

 エスカレーターに乗る時は、片側を空けて乗ることが暗黙のルールとなっている。東京など多くの地域では、左側に立ち、右側を空けるのが一般的だ。しかし、大阪を中心とした西日本の一部では立ち位置が逆転。右側に立つのが多数派となり、その違いに驚く人も多い。

 そもそも片側を空けて乗る文化がどこから広まったのかというと、1967年頃の高度経済成長期の大阪だ。阪急梅田駅で、先を急ぐ人のために「右側にお立ち願います」とアナウンスを流すようになったのが始まりだと言われている。

 右側に立つようアナウンスした理由は諸説あるが、日本人は右利きが多いため、手すりにつかまりやすい右側に立つように促したという説や、大阪万博を控えており、欧州で主流だった右立ちを徹底したという説などがある。そのため、現在でも大阪とその通勤圏である兵庫や奈良などは、右側に立つ人が多いようだ。
 

多くの地域では「左に立つ」のがスタンダード

 一方、東京の左側に立つルールはバブル期頃に自然発生したと言われている。日本では元々、武士が左脇に下げている刀にぶつかってトラブルにならないように、「スレ違いは右側を空ける」習慣があった。そのため、自然と左側に立つようになったとの説も挙げられている。

 現在では、走行車線・追い越し車線の車道のルールと一致するためか、多くの地域で左立ちルールが違和感なく受け入れられている。

 また、大阪の隣でありながら、特殊な地域なのが京都だ。全国から観光客が押し寄せるためか、「京都だと左側に立つかも」「左右が混ざってる感じがする」という声も多い。

 さらに大阪でも「駅のエスカレーターは左右混ざってる」という声もあり、様々な地域の人が行き交う場所では混ざることも多いようだ。

 なお現在では、エスカレーターは基本的に「立ち止まる」ように周知されている。エスカレーターでの歩行は接触や転落事故の危険性もあり、埼玉県では、2021年に「エスカレーター歩行禁止」の条例が可決された。

 片側を空けることなく左右に立つことがスタンダードになれば、エスカレーターを歩行していた時代も一昔前のこととなるだろう。(フリーライター・井原亘)

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■Profile
井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている