【社会人のためのTOEIC Program・2】Aさんは、新卒で化粧品会社に就職し、顧客管理部に勤務して4年目。英語は大学の授業以来、遠ざかっています。日常業務で英語は必要ないのですが、ECサイトやSNSで英語のコメントをたまに見ることがあります。将来のキャリアを考え、何かしら英語を学びたいと思っていますが、きっかけがつかめないでいます。「TOEIC」という試験の名前は聞いたことがありますが、自分には難しそうで躊躇しています。

「TOEIC Bridge」ってどんなテスト？

　若手社会人の中には、Aさんのように、なんとなく漠然と英語学習の必要性を感じてはいても、そもそも英語が得意ではないし、実際にどこからどうやって始めればいいのか悩んでいて、まだ手をつけていないという人も多いのではないでしょうか。

　忙しい社会人が“学び直し”として英語学習を始めるに当たって、まずは自分が身につけたい英語力がどんなものなのかをイメージし、それに応じた学習法や学習教材を選択することが重要です。例えば、海外旅行が趣味なので旅行先で使える英会話力を身につけたい、海外ドラマ・映画が好きなのでセリフを聞き取れるようになりたい、といった希望もあるかもしれません。しかし、グローバル化が進んだ現代社会において、多くの社会人にとっては、仕事で使える英語力を身につけることが一つの大きな目標ではないかと思います。

　そういう意味で英語の学び直しをしたい社会人が学習の指標とするのにおすすめのテストがあります。それがTOEIC Bridge L＆R （TOEIC Bridge Listening ＆ Reading Tests）です。

　特に英語学習に力を入れていなくても、「TOEIC」 というテストの名前を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。TOEIC Programは日本の多くの企業や大学などで英語力の指標として採用されているテストで、4技能に対応しており、特に、リスニングとリーディングの能力を測るTOEIC L＆R （TOEIC Listening ＆ Reading Test）のスコアが多く用いられています。

　TOEIC L＆Rの特徴は、ビジネスや日常生活の場面の英語力を測る世界共通のテストであるということで、そこが他の英語試験との大きな違いです。テストに登場する単語やシチュエーションは、日常の買い物のやりとりなども含め、広い意味でのビジネス関連のものが圧倒的に多いので、社会人にとっては、学んだフレーズなどがそのまますぐに使える、極めて実用的なテストであるといえます。

　つまり、TOEIC L＆Rはテスト受験のための学習が実際の仕事の場面での英語力にも直結する非常に効率的なテストなのですが、テスト時間が約2時間で全200問（リスニング100問、リーディング100問）なので、英語に苦手意識のある人にとってはハードルが高く感じてしまうかもしれません。

　そんな人でも比較的気軽に受けられるのが、TOEIC Bridge L＆Rというテストです。これは元々、TOEIC L＆Rへの架け橋（Bridge）になることを目的として開発されたテストで、試験時間や問題数もTOEIC L＆Rの半分の分量ですが、テストのクオリティはTOEIC L＆Rに引けを取らず、社会人にとって実用的な英語が使われています。また、当然ながら、ある程度実力がついたらスムーズにTOEIC L＆R受験に移行できるように作られています（具体的には、TOEIC Bridge L＆Rスコア80点程度が、TOEIC L＆Rへの移行の目安です）。

　「やったほうがいいのは分かるけど、今さら英語学習なんて……」と躊躇しているのならば、まずはTOEIC Bridge L＆Rの受験を目指して、学習を始めてみてはいかがでしょうか。
   

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