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アインHDによるFrancfrancの買収、札幌市の隣接店舗で相乗効果を実証

経営戦略

2024/07/04 17:00

 コスメ関連商品に特化した「アインズ&トルペ」を全国83店舗で展開するアインホールディングスは7月3日、ライフスタイル雑貨やインテリアのFrancfranc(フランフラン)を全国161店舗で展開するFrancfrancの全株式を約500億円で取得して子会社化すると発表した。両社の商品カテゴリや出店スタイルなどにおける相互補完を可能とする。既に札幌市の隣接店舗では、相乗効果があることを実証しているという。

Francfrancの買収を発表した、
「アインズ&トルペ」を展開するアインホールディングス

「コスメ関連商品」と「コスメ雑貨」でクロスMD

 今回の買収でポイントになるのが、コスメ分野における「アインズ&トルペ」と「Francfranc」の取扱商品がバッティングせず、補完しあえる点。

 アインズ&トルペが商品構成比の約88%をコスメ関連商品で占めるのに対し、Francfrancは企画から販売まで一気通貫で手掛けるSPA型インテリア雑貨で約90%を占める。これをクロスマーチャンダイジング(クロスMD)で販売することで、シナジー効果が得られるというわけだ。
 
アインズ&トルペとFrancfrancによる「クロスMD」の具体例
(アインHDの資料より、以下同じ)

 具体的に、アインズ&トルペのリップや美容液と、Francfrancのスタンド型ミラーとフェイシャルスチーマーを同じ店舗で扱えば、顧客はこれらの商品をワンストップで購入できる。店にとっては顧客1人当たりの購入点数や単価アップにつながる。

Francfranc初のオリジナル美容家電もきっかけ?

 なお、Francfrancは2024年2月から同社初となるオリジナル美容家電「salon(サロン)」シリーズの販売を開始している。フェイシャルスチーマーのほか美顔器や振動イオンヘアブラシ、充電式ホットアイラッシュカーラー、ストレートアイロン、シェーバー、ドライヤーなど全8機種15モデルをラインアップしている。

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Francfranc初のオリジナル美容家電 店舗とECで取り扱い
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 Francfrancが美容家電を展開しはじめたタイミングも、両社によるクロスMDが活かせるという点で、買収の大きなきっかけになったといえるだろう。

札幌ステラプレイス店の隣接店舗で実証

 こうしたクロスMDにおける成功事例は、札幌駅ビル商業施設にある札幌ステラプレイス店で実証しているという。

 1階フロアではアインズ&トルペとFrancfrancは隣接出店していて、店舗間で回遊する顧客の消費行動が確認。また、両ブランドとも全国店舗の中で坪当たり売上高は1位を記録している。
 
店舗間の回遊が確認でき、
両社の坪当たり売上高も全国1位

 また、出店エリアについても主要都市を中心とする駅ビルや商業施設など似ているところが多く、店舗同士の親和性が高い。今後はクロスMD効果を高める戦略的な共同出店や出店形態のバリエーションを増やしたり、Francfrancの強みであるSPAを生かした両社による商品開発に着手したりして、さらにビジネスを拡大していく。(BCN・細田 立圭志)
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