地球温暖化による気候変動で、日本の平均気温は長期にわたって上昇基調にある。パナソニックは6月に熱中症対策セミナーを実施。気象予報士でTBSテレビのTHE TIMEに気象キャスターとして出演している増田雅昭氏が変化する日本の夏について講演を行った。
宮崎は東京よりも平均気温が約2度高く、一般的に暑い地域というイメージがある。新潟は東京よりも逆に平均気温が約2度低く、一般的に寒い地域のイメージだ。つまり、平均気温が2度上昇するというのは東京が宮崎になったようなもので、同様に新潟が東京になったイメージだ。
1990年代以降は気温が35度以上の猛暑日や25度以上の熱帯夜となる日数も増加傾向にある。特に昨年の2023年は1898年の統計開始以降で最も暑い夏だった。平均気温はもちろん、年間の猛暑日や真夏日は過去最多で、9月には最も遅い猛暑日記録を更新した。
気温の上昇は、熱中症での救急搬送者増加につながる。実際に2023年の救急搬送数は調査開始以降2番目に多かった。エアコンの普及率が低い北海道と東北の搬送数は前年比約2倍で、特に8月は北海道と秋田で前年比約10倍の搬送数を記録した。
熱中症は炎天下の屋外で発症するイメージがあるが、実際の救急搬送状況を見ると実は屋内で発症したケースが多い。2023年では救急搬送数の約4割が屋内での発症だった。
屋内で発症する要因としては、気密性の高い部屋が増えたことなどによる「環境」と体調不良や睡眠不足などによる「からだ」、長時間の作業や水分補給をしない「行動」の3つがあると増田氏は解く。また、気温が高いにも関わらず、エアコンを使用しなかったために熱中症を発症してしまったというケースも多かったようだ。
この気温上昇予想は日本だけでなく、各国の気象機関による地上気温予測でも同じ傾向を示しているという。つまり、世界的に今年の夏は暑くなる確率が高いのだ。
気温上昇は世界規模で改善していかなければならない大きな課題である。気温上昇の原因は、やはり地球全体の温暖化。その原因は周知のとおり、CO2やメタンガスなどの温室効果ガスの排出や森林伐採による緑地の減少などである。
これら人間の活動に端を発する要因以外にもエルニーニョ現象などの海水面温度の変動や火山の噴火、太陽活動などの自然変動も温暖化の要因として考えられる。
自然変動を要因とする温暖化をコントロールすることはできないが、人間の活動においてはコントロールが可能だ。増田氏は、そのコントロールについて節電やリサイクル、省エネ家電の活用などを挙げる。要はエネルギー消費を抑えてCO2の排出を減らすこと、環境に配慮した行動や活動を大事にすること、と増田氏はまとめた。
しかし、使用しているエアコンに不満を感じている層も約17%おり、その不満トップは省エネ性能と冷暖房の効きで、以下に掃除の手間、カビの発生、除菌機能の非搭載と続く。
パナソニックのエオリア アプリのログデータでは、8月中にリビングのエアコンを24時間稼働した世帯は2021年が平均で18.7%だった。翌22年は同19.2%で、23年は同21.0%と24時間運転の割合は増加している。
また、同ログデータから寝室で睡眠中にエアコンを使用する割合も増加傾向を示しており、23年は午前0時から4時までは平均で7割以上が稼働していた。
これらのデータで分かるとおり、エアコンはリビングや寝室などでの稼働時間が確実に増えている。稼働時間が長くなれば当然、電気の消費量も増加する。電気代の抑制という観点からも省エネはエアコン選びにおいて重要な要素だが、前述のとおり不満点のトップに挙げられている。
エアコンには複数のグレードがあり、そのグレードによって省エネ性能が異なる。例えば、冷房使用時において木造平屋で8畳、鉄筋マンションでは12畳が目安の2.8kWタイプでもパナソニックのハイグレードモデルであるXシリーズとスタンダードモデルのJシリーズでは、冷房能力やAPF(通年エネルギー消費効率)、省エネ基準達成率などに大きな違いがある。
畳数はあくまで目安で、エアコンを設置する部屋の環境は個々の住宅で異なる。例えば天井までの高さや西日の当たり加減、階層などの要素も考えて最適な能力帯とグレードを選びたい。
2023年は統計開始以降で最も暑い夏だった
気象庁が集計している「日本の年平均気温」によると、1900年と現在の比較では平均気温が2度ほど上昇している。2度の平均気温上昇とはちょっとイメージしづらいが、増田氏は東京と宮崎、新潟の平均気温を例に挙げて解説した。宮崎は東京よりも平均気温が約2度高く、一般的に暑い地域というイメージがある。新潟は東京よりも逆に平均気温が約2度低く、一般的に寒い地域のイメージだ。つまり、平均気温が2度上昇するというのは東京が宮崎になったようなもので、同様に新潟が東京になったイメージだ。
1990年代以降は気温が35度以上の猛暑日や25度以上の熱帯夜となる日数も増加傾向にある。特に昨年の2023年は1898年の統計開始以降で最も暑い夏だった。平均気温はもちろん、年間の猛暑日や真夏日は過去最多で、9月には最も遅い猛暑日記録を更新した。
気温の上昇は、熱中症での救急搬送者増加につながる。実際に2023年の救急搬送数は調査開始以降2番目に多かった。エアコンの普及率が低い北海道と東北の搬送数は前年比約2倍で、特に8月は北海道と秋田で前年比約10倍の搬送数を記録した。
熱中症は炎天下の屋外で発症するイメージがあるが、実際の救急搬送状況を見ると実は屋内で発症したケースが多い。2023年では救急搬送数の約4割が屋内での発症だった。
屋内で発症する要因としては、気密性の高い部屋が増えたことなどによる「環境」と体調不良や睡眠不足などによる「からだ」、長時間の作業や水分補給をしない「行動」の3つがあると増田氏は解く。また、気温が高いにも関わらず、エアコンを使用しなかったために熱中症を発症してしまったというケースも多かったようだ。
気温上昇は世界的な課題で、環境に配慮した行動が重要
2024年の夏はどうなるのか。気象庁が発表した向こう3カ月の天候の見通しによると、7月の平均気温は北日本が「平年並み」と「高い」見込みの確率がいずれも40%で、その他の地域は「高い」見込みだ。これが8月になると全国的に「高い」見込みと予想。2023年に続いて2024年の夏も厳しい暑さとなりそうだ。この気温上昇予想は日本だけでなく、各国の気象機関による地上気温予測でも同じ傾向を示しているという。つまり、世界的に今年の夏は暑くなる確率が高いのだ。
気温上昇は世界規模で改善していかなければならない大きな課題である。気温上昇の原因は、やはり地球全体の温暖化。その原因は周知のとおり、CO2やメタンガスなどの温室効果ガスの排出や森林伐採による緑地の減少などである。
これら人間の活動に端を発する要因以外にもエルニーニョ現象などの海水面温度の変動や火山の噴火、太陽活動などの自然変動も温暖化の要因として考えられる。
自然変動を要因とする温暖化をコントロールすることはできないが、人間の活動においてはコントロールが可能だ。増田氏は、そのコントロールについて節電やリサイクル、省エネ家電の活用などを挙げる。要はエネルギー消費を抑えてCO2の排出を減らすこと、環境に配慮した行動や活動を大事にすること、と増田氏はまとめた。
稼働時間の長期化でエアコンはより省エネ性能が重要に
熱中症対策では、エアコンの適切な使用が必須であり、国としても推奨している。パナソニックの調べでは、屋内の暑さ対策でエアコンを使うと回答したのは全体の76.3%。熱中症対策でのエアコン使用は一般に周知されているといえるだろう。しかし、使用しているエアコンに不満を感じている層も約17%おり、その不満トップは省エネ性能と冷暖房の効きで、以下に掃除の手間、カビの発生、除菌機能の非搭載と続く。
パナソニックのエオリア アプリのログデータでは、8月中にリビングのエアコンを24時間稼働した世帯は2021年が平均で18.7%だった。翌22年は同19.2%で、23年は同21.0%と24時間運転の割合は増加している。
また、同ログデータから寝室で睡眠中にエアコンを使用する割合も増加傾向を示しており、23年は午前0時から4時までは平均で7割以上が稼働していた。
これらのデータで分かるとおり、エアコンはリビングや寝室などでの稼働時間が確実に増えている。稼働時間が長くなれば当然、電気の消費量も増加する。電気代の抑制という観点からも省エネはエアコン選びにおいて重要な要素だが、前述のとおり不満点のトップに挙げられている。
エアコンには複数のグレードがあり、そのグレードによって省エネ性能が異なる。例えば、冷房使用時において木造平屋で8畳、鉄筋マンションでは12畳が目安の2.8kWタイプでもパナソニックのハイグレードモデルであるXシリーズとスタンダードモデルのJシリーズでは、冷房能力やAPF(通年エネルギー消費効率)、省エネ基準達成率などに大きな違いがある。
畳数はあくまで目安で、エアコンを設置する部屋の環境は個々の住宅で異なる。例えば天井までの高さや西日の当たり加減、階層などの要素も考えて最適な能力帯とグレードを選びたい。