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企業が求める英語力とは? TOEIC Programを学習に役立てよう!

暮らし

2024/06/11 18:00

【社会人のためのTOEIC Program・1】昨今、リスキリングや企業のグローバル化などで、社会人になってから英語を学び直す機会が増えてきています。そこで、「社会人のためのTOEIC Program」と題して、英語学習について解説していきます。連載第1回目のテーマは、「企業が求める英語力とは?」です。

「TOEICスコア」とは

 企業が英語力を知りたいと思ったときによく使われるのが、「TOEICスコア」です。これは、世間的に広く知られているTOEIC L&R(TOEIC Listening & Reading Test)のスコアを基準にしていることが多く、採用試験での要件、企業の人事制度など、さまざまな場面で参考とされています。

 語学力を示すには信頼できるスコアなどの共通の指標が必要になってきます。TOEIC L&Rは2023年度に約192万人が受験しており、多くの学校や企業で英語力を測る一つの基準として活用されています。また、単純に正解、不正解の数で点数を出すのではなく、受験したテスト問題によってスコアにブレが生じないように統計処理を行い、公平で正確なスコアが算出される独自の仕組みを用いているのも特徴です。
 
多くの学校や企業で英語力を測る一つの基準に

TOEIC Programのスコアはどのような企業で活用されているのか

 多くの企業で英語力の指標とされているTOEIC Programのスコアですが、特に電気製品や自動車などのメーカー、総合商社、金融、ITといった業界では長らく活用され続けています。これらの企業に加え、近年は食料品・医薬品メーカーや、不動産、建設といった業界での活用、さらに、医療業界(学会に参加するため)、鉄道(インバウンド需要に対応するため)、電気技師などの技術職(外国人にレクチャーをするため)など、意外な分野でも英語力を必要とするケースも増えてきました。

 国内企業でも、外資系の顧客に対して提案を求められるために自社のソリューションを英語で話せなければいけないといったケースがあります。特にかつて国内需要中心に対応していた中小企業が、グローバル化の中で海外の需要に応えることも増えており、中小企業によるTOEIC Testsの団体受験が増加しています。

近年の傾向

 社員の英語力把握のために、かつて大手企業では企業内での一斉受験もありましたが、コロナ禍によるリモートワークの推進や働き方改革の影響で、その機会は減少傾向にありました。そのため、いざ社員全体の英語力の把握が必要となったときに英語力を数値化できていない、把握できていないという問題が顕在化しつつあります。

 一方で、英語の必要性を感じて受験する人の数は増加しており、企業によって団体受験の平均点が上昇傾向にあります。

企業、部署によって求められる英語力は異なる

 業種や業界だけではなく、部署や業務内容によっても英語力が必要となるケースもあります。例えば、海外から資材を調達するような部署では、スピードを優先するため、翻訳を挟まずに直接海外部署や外国の企業とやり取りすることが求められるといったことも聞くようになりました。

 また従来、高い英語力の一部の人だけが海外出張や会議に参加していたところから、オンライン会議の一般化により、誰もが海外とコミュニケーションをとる機会も増えました。そのため、たとえ完璧な英語ではなくても、業務上のコミュニケーションが取れるくらいの英語スキルというものが重要視されるようになっています。英語のコミュニケーション能力が求められている部署や業務が広がりつつあるため、先んじて準備をしておくことが重要です。
 
今後ビジネスパーソンにとって
重要な知識やスキル

今後求められる英語力とは

 業界や企業、部署や業務内容によって、求められる英語のレベルはさまざまですが、全体的に英語力が求められる場面は増加傾向にあり、今後も増えていくことが予想されます。中には高度なコミュニケーションスキルを求められるような仕事もありますが、企業や部署によってはTOEIC L&Rのスコアが600点ほどで海外勤務や海外業務を担当するようなケースもあります。

 大事なことは、「自分の現状の英語レベルを把握しておく」ということです。自身の現在地を知っておくと、企業の求めるレベルに達しているのか、まだ達していないのであれば、どの程度の学習が必要なのか、今後の目標を立てるのにも役立ちます。
 
社員や職員に不足している・
今後強化する必要がある知識やスキル

ビジネスの場ではListening & Readingに加えてSpeaking & Writingのスキルも必要

 これまで述べてきた「TOEICスコア」は、世間的に広く知られているTOEIC L&Rを基準にしています。ただ、実際の業務ではスピーキングやライティングのスキルを求められるケースも多いでしょう。TOEIC L&Rで500~600点を取れるようになってきたら、TOEIC S&W(TOEIC Speaking & Writing Tests)も受験し、より実践的な英語による発信力を測定しておくことをおすすめします。(国際ビジネスコミュニケーション協会・津田 徹)

■Profile
津田 徹
大手旅行代理店勤務、デンマークブランドの西日本ホールセール責任者を経て、日本企業の国際化に貢献するために国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)に入団。法人担当・学校普及マネージャーおよび経営企画室長を歴任後、2023年度からTOEIC Programを企業へ普及する部の責任者に着任。
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