世界思想教学社は4月10日に、同社の発行する大学入試の過去問題集「赤本」の、5月に発売する2025年版からデザインを一新することを発表した。

高校生の声を反映して、ミントグリーンの差し色に

　2024年に創刊70周年を迎える「赤本」の表紙は、2024年版まで2006年から約20年続くデザインが使用されている。
 
　書店で存在感を放つ「赤本」は、大学受験の象徴であり「志望校の赤本を買うとやる気が出る」「心強い」と好評だった一方で、「大学名が目立ちすぎて持ち歩くのがちょっと恥ずかしい」「表紙の圧がすごい」といった意見もあったことから、創刊70周年を機に新デザインへの変更に至った。

　新デザインでは、「ぱっと見て赤本だとわかること」「受験のプレッシャーを与えないこと」「親しみを感じられること」を重視し、受験生に寄り添って応援することを一番の軸としたという。
 
　新デザインを手がけたのは、明後日デザイン制作所の近藤さんと井澤さんで、モダンで読みやすいエディトリアルデザインを得意としていることからオファーを行い、最終的に2案の中から花園中学・高等学校の高校1・2年生に協力してもらい、デザインが最終決定された。2025年版の表紙に使用されるミントグリーンの差し色は、これまでの「赤本」にはない爽やかなカラーとなっている。
 
　新デザインを採用した2025年版の「赤本」は、5月から順次刊行される。表紙だけでなく、本文も新しいデザインとなっており、問題解答にツメを入れたり、見出しを大きくしたりと、使用しやすさを重視している。