パン食にあわせて野菜を採ろうとすると、レタスなどの葉モノ系のサラダにスープとパターンが決まりがちです。作りおきのミネストローネなどがあればいいのですが。朝でもパッと作れて野菜がきちんと採れる「お味噌汁」を「ランチパック」と一緒に食べれば、野菜のパワーで多幸感がアップすること間違いありません。
ランチパック・ピーナッツ味とよく合うレシピを紹介します。「鶏ささみとかぼちゃの味噌汁」と、葉モノ系ではないサラダで、かつ手軽に作れるものとして、フルーツを使った「トマトとぶどうのサラダ レモン醤油ドレッシング」です。
・鶏ささみ:100g
・かぼちゃ:100g
・水:200cc
・調製豆乳:200cc (水と豆乳は合わせておいて良い)
・ほんだし:小さじ1
・味噌:大さじ1(今回は麦味噌系の白っぽい味噌を使用)
・白すりごま:少々
ささみを裏返し、筋と肉の間に包丁を寝かせて入れます。左手で筋の端をしっかり固定し、包丁を少しずつ右にスライドしながら筋を取り除きます。
この間にささみの筋を取り、2~3cm角にカット。塩(分量外、1g目安)で下味を付けます。かぼちゃは火が入ったら、一口大にカットします。
かぼちゃは、あらかじめ加熱してカットしたものを冷凍保存しておくと便利です。チンしてカットしたら粗熱を取り、クッキングシートを敷いたバットに並べ冷凍します。固まってから袋に移せばかぼちゃ同士がくっつかず、一切れずつ取り出せて便利です。4分の1カット(約350g)なら500wで5~6分です。
2分の1カットや4分の1カットのかぼちゃを生のまま冷蔵保存する場合も、種とわたはしっかり除いてからラップにくるんで保存しましょう。わたの部分には水分が多く、傷みが生じやすいためです。
・プチトマト(お好みのもの):5粒
・ぶどう(皮ごと食べられるもの):5粒
・レモン醤油ドレッシング:はちみつ(小さじ1)、レモン汁(小さじ1)、醤油(小さじ1)、オリーブオイル(大さじ1)、塩(少々、1g目安)
最後に、オリーブオイルを加えれば完成です。容器に移し、使う直前によく振ってください。密閉の小瓶やディスペンサーに材料を入れて振り混ぜて作れば、そのまま保存できますし、洗い物も少なく済みます。
時間に余裕のあるときは、プチトマトとぶどうの皮を剥き、お皿に盛る前にドレッシングと混ぜ合わせると味の絡みがよくなります。
まずピーナッツクリームに合う食材として、コクと甘味のある旬の野菜「かぼちゃ」が浮かび、次にかぼちゃとピーナッツクリームを受け止めるには、どんな味噌がいいか思案しました。
甘みを感じられて、香りがいい味噌が合いそうだと思い、いくつかの味噌で試したところ、ぴったりマッチしたのが「糀美人」です。このお味噌の魅力は、たっぷり使われた糀由来のふくよかな香りと甘み。繊細でありながら、料理にメリハリを与えるのに十分な塩味もあるので、たくさん使わなくてもしっかり米みその存在感と旨味を表現してくれます。
空気を含んだような軽いテクスチャーで、お味噌汁を作るときには湯に直接加えてぐるぐるっと混ぜれば、漉し器を使わなくてもふわっとほどけるように溶けてくれるのもうれしい(今回のレシピでは、他のお味噌を使うことも想定して「漉し入れる」と表記しています)。
家庭で普段使われているお味噌でも、今回のレシピはおいしく作ってもらえると思います。その場合、かぼちゃの甘味など食材一つ一つの味に「耳を傾け」、味噌の量も調整していただければと思います。
キャラクター設定によると、「何事にも興味津々」とのこと。味噌汁とのマッチングも、きっと二人は喜んでくれているはずです。
家族においしくて体にいいものを食べさせたいと思い、勉強し、献立を考え料理を作る。これを毎日3食というのは、とても大変なことです。しかも、一生懸命作ったものが、必ずおいしいといってもらえるかというと、そんなこともない(これはプロも一緒です)。
家庭での料理を、「義務」としか感じられなくなってしまうかもしれません。そんなときに、自分がもっている「料理の常識」の幅をゆる~く広げていくことって、とても大事だと思うのです。
おいしい料理を作るためのセオリーは、もちろん存在します。しかし、それだって絶対ではありません。料理が作られる環境や食べ手によって変化するべきものです。筆者もレシピを考えるときはセオリーを意識していますが、家庭の台所事情を想像した上でセオリーをあえて大きく無視することもあります。
もし「この料理はこうしなくちゃいけない」「手間ひまかけた料理が上等な料理だ」などの思い込みがあるとしたら、一度取っ払ってみてください。思い込むならば、「料理って自由だし、おいしいものは簡単に作れる!」と思い込んだ方がずっといい。
料理は、誰でも人を幸せにできる「コミュニケーション方法」だと思っています。できるならば、少しでも料理と食事を楽しんでほしいと心から願っています。(齋藤 晶)
※本記事は2020年「VALED PRESS」に掲載された記事を加筆・修正したものです。
■Profile
齋藤晶(さいとうあき)
大学で日本文学を専攻した後、厨房の世界に。5年間の日本料理のキャリアを経てイタリアンに転向。麻布十番のリストランテでスーシェフを務める。実践で得た経験と文学部のスキルで家庭でもできる新しいレシピを伝える。1987年生まれ。宮城県石巻市出身。
ランチパックのコクとよく合うレシピ
パンをよく食べる京都などでは、そもそもパンとお味噌汁を一緒に食べる人も少なくないようです。お味噌汁はスープよりも手軽に作れて、何よりお味噌のもつ栄養価や免疫力効果が期待できます。ランチパック・ピーナッツ味とよく合うレシピを紹介します。「鶏ささみとかぼちゃの味噌汁」と、葉モノ系ではないサラダで、かつ手軽に作れるものとして、フルーツを使った「トマトとぶどうのサラダ レモン醤油ドレッシング」です。
鶏ささみとかぼちゃの味噌汁
材料2~3人前(調理時間10分)・鶏ささみ:100g
・かぼちゃ:100g
・水:200cc
・調製豆乳:200cc (水と豆乳は合わせておいて良い)
・ほんだし:小さじ1
・味噌:大さじ1(今回は麦味噌系の白っぽい味噌を使用)
・白すりごま:少々
ささみの筋の取り方
筋がある方を上にしてささみを置き、筋から肉を剥がすように左右から切り込みを入れます。切っ先が下まで貫通しないように気を付けてください。ささみを裏返し、筋と肉の間に包丁を寝かせて入れます。左手で筋の端をしっかり固定し、包丁を少しずつ右にスライドしながら筋を取り除きます。
ステップ1
かぼちゃ100gをラップでくるみ電子レンジ500wで3分加熱します(ここで全体が柔らかくなるまでしっかり加熱してください)。この間にささみの筋を取り、2~3cm角にカット。塩(分量外、1g目安)で下味を付けます。かぼちゃは火が入ったら、一口大にカットします。
ステップ2
鍋にかぼちゃ、ささみ、水、豆乳、ほんだしを入れ強火にします。鍋のふちが沸々し、豆乳の表面が揺れるくらいまで温まったら火を止めます。ステップ3
味噌を漉して入れます。この時点で、ささみにもかぼちゃにも火が入っていることを確認し、もしまだ火が入っていなければ、そのまま2~3分置き予熱を加えてください。もし、自宅に「白ねりごま」があれば、ここで大さじ1を目安に加えてみてください。ねりごまの風味、油分が加わることで味に厚みとまとまりが出て、お味噌汁とピーナッツクリームの仲をより取り持ってくれます。ステップ4
器に盛り、白すりごまを少々振って完成です。白すりごま以外にも、ブラックペッパーまたはシナモンを振るのもおすすめです。かぼちゃは、あらかじめ加熱してカットしたものを冷凍保存しておくと便利です。チンしてカットしたら粗熱を取り、クッキングシートを敷いたバットに並べ冷凍します。固まってから袋に移せばかぼちゃ同士がくっつかず、一切れずつ取り出せて便利です。4分の1カット(約350g)なら500wで5~6分です。
2分の1カットや4分の1カットのかぼちゃを生のまま冷蔵保存する場合も、種とわたはしっかり除いてからラップにくるんで保存しましょう。わたの部分には水分が多く、傷みが生じやすいためです。
トマトとぶどうのサラダ レモン醤油ドレッシング
材料2人前(調理時間5分)・プチトマト(お好みのもの):5粒
・ぶどう(皮ごと食べられるもの):5粒
・レモン醤油ドレッシング:はちみつ(小さじ1)、レモン汁(小さじ1)、醤油(小さじ1)、オリーブオイル(大さじ1)、塩(少々、1g目安)
ステップ1
レモン醤油ドレッシングを作ります。塩の粒は油に溶けづらいので、まず油以外の材料をよく混ぜ塩を溶かしましょう。最後に、オリーブオイルを加えれば完成です。容器に移し、使う直前によく振ってください。密閉の小瓶やディスペンサーに材料を入れて振り混ぜて作れば、そのまま保存できますし、洗い物も少なく済みます。
ステップ2
プチトマトとぶどうを縦半分にカットします。プチトマト、ぶどう、あれば好みの葉物(水菜、ベビーリーフ、白菜の葉の部分などやわらかいものが合います)を器に盛り、ドレッシングをかければ、かわいいサラダの完成です。時間に余裕のあるときは、プチトマトとぶどうの皮を剥き、お皿に盛る前にドレッシングと混ぜ合わせると味の絡みがよくなります。
甘いパンに合う栄養のあるお味噌汁を作れる?
今回、レシピを開発している中で難問となったのは「甘いパンに合う栄養のあるお味噌汁を作れるのか?」というところでした。まずピーナッツクリームに合う食材として、コクと甘味のある旬の野菜「かぼちゃ」が浮かび、次にかぼちゃとピーナッツクリームを受け止めるには、どんな味噌がいいか思案しました。
甘みを感じられて、香りがいい味噌が合いそうだと思い、いくつかの味噌で試したところ、ぴったりマッチしたのが「糀美人」です。このお味噌の魅力は、たっぷり使われた糀由来のふくよかな香りと甘み。繊細でありながら、料理にメリハリを与えるのに十分な塩味もあるので、たくさん使わなくてもしっかり米みその存在感と旨味を表現してくれます。
空気を含んだような軽いテクスチャーで、お味噌汁を作るときには湯に直接加えてぐるぐるっと混ぜれば、漉し器を使わなくてもふわっとほどけるように溶けてくれるのもうれしい(今回のレシピでは、他のお味噌を使うことも想定して「漉し入れる」と表記しています)。
家庭で普段使われているお味噌でも、今回のレシピはおいしく作ってもらえると思います。その場合、かぼちゃの甘味など食材一つ一つの味に「耳を傾け」、味噌の量も調整していただければと思います。
【コラム】ランチパックの秘密
ちなみに、ピーナッツ味のランチパックのかわいい「ピーナッツ」の焼印。これは、かわいさを演出しているだけではなく、アレルゲンに配慮して落花生を使っていることがハッキリ分かるように焼印しているとのこと。キャラクター設定によると、「何事にも興味津々」とのこと。味噌汁とのマッチングも、きっと二人は喜んでくれているはずです。
料理は自由 おいしいものは簡単に作れる!
今回は菓子パンとお味噌汁という、少し無茶にも思えるようなテーマでした。しかし、今回のレシピ制作を通して、あらためて感じたのは「料理に正解はない!」ということ。家族においしくて体にいいものを食べさせたいと思い、勉強し、献立を考え料理を作る。これを毎日3食というのは、とても大変なことです。しかも、一生懸命作ったものが、必ずおいしいといってもらえるかというと、そんなこともない(これはプロも一緒です)。
家庭での料理を、「義務」としか感じられなくなってしまうかもしれません。そんなときに、自分がもっている「料理の常識」の幅をゆる~く広げていくことって、とても大事だと思うのです。
おいしい料理を作るためのセオリーは、もちろん存在します。しかし、それだって絶対ではありません。料理が作られる環境や食べ手によって変化するべきものです。筆者もレシピを考えるときはセオリーを意識していますが、家庭の台所事情を想像した上でセオリーをあえて大きく無視することもあります。
もし「この料理はこうしなくちゃいけない」「手間ひまかけた料理が上等な料理だ」などの思い込みがあるとしたら、一度取っ払ってみてください。思い込むならば、「料理って自由だし、おいしいものは簡単に作れる!」と思い込んだ方がずっといい。
料理は、誰でも人を幸せにできる「コミュニケーション方法」だと思っています。できるならば、少しでも料理と食事を楽しんでほしいと心から願っています。(齋藤 晶)
※本記事は2020年「VALED PRESS」に掲載された記事を加筆・修正したものです。
■Profile
齋藤晶(さいとうあき)
大学で日本文学を専攻した後、厨房の世界に。5年間の日本料理のキャリアを経てイタリアンに転向。麻布十番のリストランテでスーシェフを務める。実践で得た経験と文学部のスキルで家庭でもできる新しいレシピを伝える。1987年生まれ。宮城県石巻市出身。