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目標達成に向けた最適解 ビジョンボードと仮説思考で夢を現実化する【後編】

暮らし

2024/04/01 17:30

 前編では、ビジョンボードの概要と夢や目標を実現しやすいビジョンボードの特徴について紹介しました。後編では、仮説思考を使ったビジョンボードの作り方について解説します。

仮説思考とは?

 仮説思考とは、限られた情報をもとに自分なりの「仮の答え」を出し、それを検証・修正していくことで、目指す状態を実現しようとする思考法のことです。もともとは戦略系コンサルティングファームで提唱された、コンサルタントが問題解決をするための思考法でした。しかし、変化が激しく先行きが見えない現代においては、問題点を素早く見極め、大局を読みながら迅速に仮説・検証に臨む姿勢が求められます。そのため、昨今、仮説思考はコンサルタントだけでなく、ビジネスパーソン全員に必須の思考法ともいわれています。
 

仮説思考を使ったビジョンボードの作り方

 仮説思考の手順は、(1)情報収集、(2)仮説立案、(3)仮説検証&修正、の3ステップで構成されています。この流れをビジョンボードづくりに応用することで、夢や目標が実現しやすいビジョンボードが完成します。
 

ステップ(1)情報収集

 ビジョンボードをつくろうとして、いきなり「理想の未来の姿」をイメージした写真を貼っていく人がいます。しかし、それだと「これまでの延長では到底実現できないような夢や目標だらけ」になってしまうリスクがあります。写真を貼る前に、まずは自分の過去について、1日かけてしっかり棚卸をすることが大事です。「どんな子供だった?」「時間を忘れて没頭したことは?」「人生で一番幸せを感じた瞬間は?」などを、自分自身に問うのです。その際、頭の中から最低限の情報を集めて書き出していくことで、棚卸がしやすくなり、目の前の仕事に日々追われて忘れかけていた、普段は心の奥底にしまっている、「本当はこういうことがしたい」という気持ちを発見することができます。これこそが、ビジョンボードのコアとなる部分になります。
 
 

ステップ(2)仮説立案

 「本当はこういうことがしたい」という気持ちを発見したら、今度は、「それをとことん極めていくと誰にどんな影響を及ぼすのか、どんな未来になるのか?」を言語化していきます。事業を自身で行っているのであれば、会社の経営ビジョンなどをたてていることも多いと思いますが、会社員やフリーランスであっても「自分は何のために生きるのか?」と個人の人生ビジョンを明文化することで、誰に何をいわれようと、社会情勢の変化があろうと、ぶれない軸を手に入れることができます。この、自分の過去の棚卸をしたことで得られた限られた情報から、未来がどうなるのかについて予測を立てるというのは、まさに仮説思考における仮説立案のところになります。
 

 こうして、個人の人生ビジョンが固まったら、ビジョンボードの真ん中に大きく目立つようにその言葉を貼っておきます。そして、ビジョンを起点として、周囲を「プライベート」「趣味」「仕事」とカテゴリ分けして、文章、写真、イラストで飾り付けていきます。これでビジョンボードはいったん完成です。
 

ステップ(3)仮説検証

 最後に、たてた仮説の検証を行います。実は、個人のビジョンというのは一朝一夕で定まるものではありません。ビジョンボードが完成してから、「やっぱり違うかも…」と感じたり、「この目標はちょっと背伸びしすぎて、しっくりこないな」と思ったりすることがあれば、都度、その部分はまるごとはがしてしまいましょう。そして、表現を変えたり、新しい写真に差し替えたりするのです。こうして、日々ビジョンボードの修正を行い、自分が100%納得する状態にまでもっていくこのプロセスこそ、まさに仮説思考における、仮説の検証&修正の部分になります。
 

ビジョンボード完成後、夢実現に近づくには?

 ビジョンボードが完成したら、常に自分の目にとまるところに置いておきましょう。自宅のリビングや書斎の壁にかけておくだけでなく、携帯電話の待ち受け画面にしたり、写真を撮ってデスクにかざったり、オフィスのロッカーや手帳に貼ったりするのもおすすめです。ビジョンボードは、作るだけでは効果を発揮しません。毎日何度も何度も眺め続け、潜在意識への刷り込みを行うことで、自然に夢実現に向けた行動ができるようなるのです。
 

 さらに、より実現スピードを速めるには、ビジョンボードを周囲の人間に見せて宣言することが効果的です。自分のためだけでなく、みんなが幸せるになるような夢であれば、共感・応援されやすいため、「あなたの力になりたい」と感じてくれれば、人を紹介してくれたり、サポートしてくれたりするため、夢実現に向けて多くのチャンスをつかむことができます。もしビジョンボードそのものを見せることに抵抗がある場合は、内容やビジョンの部分だけを伝えるということも有効です。最も手軽で簡単なのは、SNSの投稿です。日々の何気ない投稿の中に、必ず自分のビジョンをいれてみてください。共感・応援してくれる人がたくさん出てくるはずです。
 

 このやり方を実践し、これまで多くの人が「金持ちになりたい」という自分のためだけのビジョンを、「この道を突き進むことで、社会をこうかえていきたい」というみんなのためのビジョンに変更し、あちこちでその内容を語ってもらいました。その結果、周囲から熱烈に応援されながら自分らしく楽しい人生を過ごし、夢や目標を次々と実現する人生を送れるようになっています。

 ぜひみなさんも、仮説思考を活用したビジョンボードづくりにチャレンジして、夢を叶えていきましょう。(JOENパートナーズ・城野えん)