げそ唐揚げ、チキンカツ、海老フライ、山芋短冊揚げ……。18品ある定番メニューのうち、揚げ物が11品を占める店。名を『高田屋旭店一色屋』という。長い名前である。黒板の下には「本日のおすすめ」が掲げられている。

そちらは海老チリ、すじどて煮、骨付きカルビ、あら炊き、酢がきなど、居酒屋にあれば嬉しい一品がずらり。「定番」ではあれだけ揚げ物を推していたのに、こちらにはカキフライとたこ天ぷらくらいしか見当たらない。どちらにラインナップされるのが、この店的には勝ち組なのだろうか。

男性のひとり客が多く、カウンターからいっぱいになっていく。みんな一杯目から日本酒を頼んでいく。酒どころ・灘に来たのだから、日本酒を呑まなきゃ始まらない。それともこの店がそうさせるのか。

アテはエイヒレ、トンテキ、焼きそばをチョイス。定番メニューにラインナップされているものの、揚げ物の陰に隠れて日の目を見ていない（かもしれない）メンツを選んでみた。天邪鬼精神が発揮されたのもある。結果は、どれも美味しかった。

今度は揚げ物を頼んでみよう。店は夕方４時から営業中。こんな酒場でアペリティフなんて、最高に格好いい。
 
『高田屋旭店一色屋』
住所／兵庫県神戸市灘区水道筋1-32

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