2023年の家電量販店 主な新店舗まとめ イオン系商業施設に出店続々
いよいよ年末。2023年に執筆した記事をもとに、記者が今年一番気になった、家電量販店各社の主な新店舗をまとめ、今年の振り返りとしたい。
ヤマダデンキは、藤沢店北口直結の百貨店「さいか屋 藤沢店」(神奈川県藤沢市)の4~7階に家電量販店「LABI 藤沢」を6月2日にオープン。藤沢駅は、JR東海道線をはじめとする3社4路線が利用できる広域アクセスに優れた藤沢市の中核駅。地下1階は高級スーパー「成城石井」のほか、食料品店やカフェが出店する、いわゆる「デパ地下」となっている。デパ地下は「ハレの日の台所」として主に女性を中心に支持されており、大型店の出店にあたり、そうした顧客層と、昨今の高価格化の進む家電製品との親和性は高いとみたのだろう。
3月17日にオープンした「Tecc LIFE SELECT 尼崎店」(兵庫県尼崎市)、6月23日にオープンした「Tecc LIFE SELECT 狭山店」(埼玉県狭山市)、6月28日から順次オープンした総合生活提案型ショッピングスクエア「アークスクエア御経塚」内に出店した「Tecc LIFE SELECT 野々市御経塚店」(石川県野々市市)もまたスーパー+家電量販店の構成で、24年以降も全国で新規出店が続く模様だ。
他社でも同様の事例があった。ケーズデンキは、ダイエーが運営する食品スーパー「イオンフードスタイル守口店」を中核とする地域密着型ショッピングセンター(SC)「イオンタウン守口」(大阪府守口市)の2階に、「イオンタウン守口店」を12月8日にオープン。同SCには、グルメ&フードの専門店として焼肉店・レストランのほか、人気の「スターバックスコーヒー」「ケンタッキーフライドチキン」も出店し、日常生活に必要なものと食の楽しみが一カ所で間に合う、スーパー+家電量販店+カフェ・テイクアウトの理想的なSCとなっている。
関西・中部エリアを地盤とするエディオンは同社最大規模の旗艦店「エディオン横浜西口本店」(神奈川県横浜市西区)を、イオンモールが運営する複合商業施設「CeeU Yokohama(スィーユー ヨコハマ)」内に出店。CeeU Yokohamaは10月27日から順次オープンし、12月15日のエディオン横浜西口本店の開店をもってグランドオープンとなった。
同店のコンセプトは「ワクワクを買いに行こう」。X(旧Twitter)では既存の他店に引けを取らないおもちゃ・ホビーの品揃えやイベントスペースもあるアミューズメントのフロアに対し、好意的なコメントが多くみられ、「スターバックスコーヒー」や女性向けファッションに加え、上層階に「ニトリ」「アニメイト」「ビックカメラアウトレット×ソフマップ」「BOOKOFF」といった店がそろう「横浜ビブレ」とともに、CeeU Yokohamaは、横浜西口の顔となる商業施設になりそうだ。
今年最大の家電量販店関連の話題は、全国10の百貨店・SCを運営するそごう・西武の外資系投資ファンドへの譲渡と、「西武池袋本店」(東京都豊島区)の8月31日のストライキによる全館臨時閉館だろう。
売却交渉の過程で、「西武」「そごう」の主要店舗に家電量販店「ヨドバシカメラ」が出店すると報じられ、それがストライキの要因となったが、ヨドバシホールディングスは、22年11月11日にサイト上で告知した「そごう・西武百貨店に関するフォートレス・インベストメント・グループとの取り組みについてのお知らせ」以降、1年以上何もアナウンスしていない。
しかし、西武池袋本店では11月30日に数店舗が閉店し、地下2階・南エリアにある高品質食品スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」池袋店も24年1月31日で営業終了することが決定した。こうした状況からの憶測となるが、来春には何らかの進展がありそうだ。
百貨店+家電量販店は、前述の「LABI 藤沢」と同じであり、西武池袋本店が初というわけではない。今回の騒動は、「西武」「そごう」それぞれの過去の経緯もあり、百貨店の将来性という視点で論じられることが多かったが、複数の鉄道路線が利用できるターミナル駅の駅力・街力としてみたほうが正しいのではないかと思える。人気投票の側面が強い「住みたい街ランキング」の上位に入るような街(駅)には、複数の大型家電量販店があって当たり前という状況になりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
全国各地にスーパー+家電量販店の商業施設がオープン
交通量の多いロードサイドに家電量販店が隣接する、都心の繁華街に家電量販店が立ち並ぶ、そういったケースは以前からあるが、23年はスーパー+家電量販店、百貨店+家電量販店の組み合わせによる新規出店が特に多かったように思える。ヤマダデンキは、藤沢店北口直結の百貨店「さいか屋 藤沢店」(神奈川県藤沢市)の4~7階に家電量販店「LABI 藤沢」を6月2日にオープン。藤沢駅は、JR東海道線をはじめとする3社4路線が利用できる広域アクセスに優れた藤沢市の中核駅。地下1階は高級スーパー「成城石井」のほか、食料品店やカフェが出店する、いわゆる「デパ地下」となっている。デパ地下は「ハレの日の台所」として主に女性を中心に支持されており、大型店の出店にあたり、そうした顧客層と、昨今の高価格化の進む家電製品との親和性は高いとみたのだろう。
3月17日にオープンした「Tecc LIFE SELECT 尼崎店」(兵庫県尼崎市)、6月23日にオープンした「Tecc LIFE SELECT 狭山店」(埼玉県狭山市)、6月28日から順次オープンした総合生活提案型ショッピングスクエア「アークスクエア御経塚」内に出店した「Tecc LIFE SELECT 野々市御経塚店」(石川県野々市市)もまたスーパー+家電量販店の構成で、24年以降も全国で新規出店が続く模様だ。
他社でも同様の事例があった。ケーズデンキは、ダイエーが運営する食品スーパー「イオンフードスタイル守口店」を中核とする地域密着型ショッピングセンター(SC)「イオンタウン守口」(大阪府守口市)の2階に、「イオンタウン守口店」を12月8日にオープン。同SCには、グルメ&フードの専門店として焼肉店・レストランのほか、人気の「スターバックスコーヒー」「ケンタッキーフライドチキン」も出店し、日常生活に必要なものと食の楽しみが一カ所で間に合う、スーパー+家電量販店+カフェ・テイクアウトの理想的なSCとなっている。
関西・中部エリアを地盤とするエディオンは同社最大規模の旗艦店「エディオン横浜西口本店」(神奈川県横浜市西区)を、イオンモールが運営する複合商業施設「CeeU Yokohama(スィーユー ヨコハマ)」内に出店。CeeU Yokohamaは10月27日から順次オープンし、12月15日のエディオン横浜西口本店の開店をもってグランドオープンとなった。
同店のコンセプトは「ワクワクを買いに行こう」。X(旧Twitter)では既存の他店に引けを取らないおもちゃ・ホビーの品揃えやイベントスペースもあるアミューズメントのフロアに対し、好意的なコメントが多くみられ、「スターバックスコーヒー」や女性向けファッションに加え、上層階に「ニトリ」「アニメイト」「ビックカメラアウトレット×ソフマップ」「BOOKOFF」といった店がそろう「横浜ビブレ」とともに、CeeU Yokohamaは、横浜西口の顔となる商業施設になりそうだ。
今年最大の家電量販店関連の話題は、全国10の百貨店・SCを運営するそごう・西武の外資系投資ファンドへの譲渡と、「西武池袋本店」(東京都豊島区)の8月31日のストライキによる全館臨時閉館だろう。
売却交渉の過程で、「西武」「そごう」の主要店舗に家電量販店「ヨドバシカメラ」が出店すると報じられ、それがストライキの要因となったが、ヨドバシホールディングスは、22年11月11日にサイト上で告知した「そごう・西武百貨店に関するフォートレス・インベストメント・グループとの取り組みについてのお知らせ」以降、1年以上何もアナウンスしていない。
しかし、西武池袋本店では11月30日に数店舗が閉店し、地下2階・南エリアにある高品質食品スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」池袋店も24年1月31日で営業終了することが決定した。こうした状況からの憶測となるが、来春には何らかの進展がありそうだ。
百貨店+家電量販店は、前述の「LABI 藤沢」と同じであり、西武池袋本店が初というわけではない。今回の騒動は、「西武」「そごう」それぞれの過去の経緯もあり、百貨店の将来性という視点で論じられることが多かったが、複数の鉄道路線が利用できるターミナル駅の駅力・街力としてみたほうが正しいのではないかと思える。人気投票の側面が強い「住みたい街ランキング」の上位に入るような街(駅)には、複数の大型家電量販店があって当たり前という状況になりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)