正月といえばお節料理。多くの人がそう答えるだろうが、実際のところ作るには時間も技術も必要だし、かといって注文するのは値段が高くて手を出しづらいという、なかなかの厄介者でもある。というわけで、今回はコンビニ商品で手軽＆リーズナブルに、お節っぽいものが作れないか検証。これで正月のおめでたい気分も、もっと盛り上がるはず。

意味が通ればOKの新時代の三種

　お節料理で欠かせないのが、三種と呼ばれる縁起物の食べ物。まずはその代表格であり、子宝繁栄を意味する数の子を用意したいところ。しかし、普段のコンビニには置いていないので、同じ魚卵の明太子で代用しよう。子宝繁栄も表現できている上、赤色が華を添えてなかなかグッド。
 
　次は、五穀豊穣を願ってイワシを田畑にまいたことや、頭から尻尾まで入っていることで縁起がいいとされる田作り（ごまめ）。やはりコンビニで見たことがないため、うるめイワシのおつまみで代用。頭から尻尾まで入っているので、こちらも問題なしだ。ただ、大きいのに地味な上、転がったり滑ったりして重箱に納めづらいのが難点。
 
　次はマメに働ける、真っ黒に日に焼けるくらい働けること。つまり健康を願った黒豆。やはり、こいつもコンビニで見たことがないし、似た惣菜も見当たらない。黒色繋がりで、ヒジキあたりに逃げそうになったその時、お菓子売り場で天啓。真っ黒でさらにーナッツ（豆）も入っているチョコボール的なものでOKですやん。器に入れてみるとほら、ほぼ黒豆の大健闘ではないだろうか。
 

その他の縁起物は海老と玉子に決定

　三種の次は縁起物を詰めていこう。腰が曲がるまで健康で過ごせるように、長寿祈願の意味がある海老。コンビニで海老といえば、そう海老チリの出番。赤いソースの色も華やかだ。そして卵黄が金、卵白が銀を指すことから縁起がいいとされる、たまご料理も欠かせない。本来は伊達巻きや錦糸卵を使用するそうだが、卵焼きで代用。黒豆のチョコボールに勇気づけられたのか代用も大胆になってきた。
   

お節定番メニューもあれこれ代用

　今度はお節でよく見かける定番料理を詰め込んでいこう。まず栗きんとんを探してみたが、やはりコンビニでは見当たらないので、カボチャサラダでどうだ。黄色に光るビジュアルと、甘さもしっかり感じられるので、我ながらナイスアイデアかと。そして酢の物として選んだのが焼き鯖のおろしポン酢。ポン酢で味付けした料理を酢の物と呼べるのか少々悩むが、実際に酸っぱいしOKでしょう。
   

飾りになる数品を加えて完成

　あとは、豪華なお節に入っていそうなものを飾りとして加えたい。ということで、カニに見立てて定番のカニカマをゲット。それも、巨大で本物のカニの足をイメージさせるタイプだ。そして、ローストビーフの代わりに生ハム。これはライバルがチャーシュー、ミミガー、砂肝だったため、同じ洋食の生ハムに軍配が上がりセレクトした。こちらを重箱の余った隙間に詰め込んで、コンビニお節料理が完成。
       
　いかがでしょう、この見た目のクオリティー。そこそこ意味にも沿っているし、筆者的にはそこらのお節よりも立派なものができたのではないかと自画自賛。特に黒豆（チョコボール）なんて、ツヤツヤしてまるで本物ではないか。これで総額2500円程度というのも、うれしいポイント。さて、正月まで待てないので、今日はこのコンビニお節を肴に熱燗二合いただきます。（エフェクト・山葉のぶゆき）