関西の食雑誌「あまから手帖」の編集者として、東京から大阪に移り住んで6年。
当初、まったく縁もゆかりもなかった大阪には、ただただ不安しかなかったけれど、住めば都とはよくいう。
とにかく、安くて旨い飲食店が圧倒的に多い。「この値段なのに、だしがちゃんと利いている!」などと、関西なら当たり前のことを、関西人を前に何度連呼したか知れず……。
帰郷するたび、慣れ親しんでいたハズの居酒屋の味が霞んでしまうこともしばしば。この手の店なら関西の方がよいと。
そんな風にどんどん好みの味が関西色に染まる中、もはや唯一といっていいくらいだが、相変わらず染まらないものがある。
蕎麦だ。
もっとも、旨い蕎麦店なら関西にも多い。ただ、残念なのは立ち食い蕎麦のように気軽にささっと、安く食べられる店舗が駅以外ではなかなか見当たらないことだ。
しかもわざわざ食べに行きたい良店ともなれば……、東京圧勝で間違いなかったのだが……。
京都・清水五条の『suba』は、関西では珍しい町場にある店舗型の立ち食い蕎麦店。
京都らしく、つゆにだしが利いているのは言うに及ばずだが、嬉しいのはかけでも醤油がキリっと立っていること。
関西で温蕎麦を食す際は常々、備え付けに醤油があれば、店主の目を盗み、ふた回しはかけたいくらい甘みを強く感じてしまうが、こちらはそのままで十分(もちろん、しょっぱいということではなく、醤油のキレという意味で)。
箒のように先が広がり、カラリと揚がるエノキダケ天がまたよい。噛めばぬたーとした食感で蕎麦ともよく合う。
関西にもこんな店、どんどん増えてほしい!
『立ち食い蕎麦 suba』
住所/京都府京都市下京区美濃屋町182-10東
※こちらの記事は、関西の食のwebマガジン「あまから手帖Online」がお届けしています。
あまから手帖Online=https://www.amakaratecho.jp/
当初、まったく縁もゆかりもなかった大阪には、ただただ不安しかなかったけれど、住めば都とはよくいう。
とにかく、安くて旨い飲食店が圧倒的に多い。「この値段なのに、だしがちゃんと利いている!」などと、関西なら当たり前のことを、関西人を前に何度連呼したか知れず……。
帰郷するたび、慣れ親しんでいたハズの居酒屋の味が霞んでしまうこともしばしば。この手の店なら関西の方がよいと。
そんな風にどんどん好みの味が関西色に染まる中、もはや唯一といっていいくらいだが、相変わらず染まらないものがある。
蕎麦だ。
もっとも、旨い蕎麦店なら関西にも多い。ただ、残念なのは立ち食い蕎麦のように気軽にささっと、安く食べられる店舗が駅以外ではなかなか見当たらないことだ。
しかもわざわざ食べに行きたい良店ともなれば……、東京圧勝で間違いなかったのだが……。
京都・清水五条の『suba』は、関西では珍しい町場にある店舗型の立ち食い蕎麦店。
京都らしく、つゆにだしが利いているのは言うに及ばずだが、嬉しいのはかけでも醤油がキリっと立っていること。
関西で温蕎麦を食す際は常々、備え付けに醤油があれば、店主の目を盗み、ふた回しはかけたいくらい甘みを強く感じてしまうが、こちらはそのままで十分(もちろん、しょっぱいということではなく、醤油のキレという意味で)。
箒のように先が広がり、カラリと揚がるエノキダケ天がまたよい。噛めばぬたーとした食感で蕎麦ともよく合う。
関西にもこんな店、どんどん増えてほしい!
『立ち食い蕎麦 suba』
住所/京都府京都市下京区美濃屋町182-10東
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