アクロニス・ジャパンは、キーマンの3人が2024年に予想されるセキュリティの世界の動向を考察し、「アクロニスの2024年のサイバー脅威予測」を公開した。

生成AIで技術力を高める一方で古典的な攻撃も

　23年、さまざまなサイバー攻撃が発生し、一部インフラが停止するなどの事件が起こった。攻撃者は、生成AIなどを活用して技術力を高めている一方、古典的な攻撃の被害も依然として存在している。これを踏まえて、24年のサイバー脅威を予測している。

　キャンディッド・ヴュースト・サイバープロテクション研究所リサーチ担当バイスプレジデントは、AIの進化とそれに伴うセキュリティリスクの増加に注目。特に、生成AIによるディープフェイクの悪用が増え、社会全体の危機や、家族への恐喝、株式市場の大混乱などをもたらす可能性があると指摘している。また、多要素認証（MFA）の信頼性が変化し始めたこと、24年にジュースジャッキング攻撃の発生件数が増加する可能性があることを訴えている。

　ケビン・リード・最高情報セキュリティ責任者は、AI支援型ソーシャルエンジニアリング攻撃の増加、大規模言語モデル（LLM）の普及による偽情報の増加、ランサムウェア攻撃の増加とAPTアクターの活発化、ソフトウェアの脆弱性を狙った攻撃の継続など、24年のサイバーセキュリティの課題を述べている。

　ガイダー・マグダヌロフ・マーケティング担当プレジデントは、AIを活用した新機能がアプリケーションの標準機能として登場する可能性、包括的なサイバープロテクションが引き続きサイバーセキュリティの主流になること、アプリケーションからプラットフォームへの進化が継続することなどを予測し、APIの公開が急増すると予測している。