【いま注目のトレンドワード・343】 12月3日に「エイティシックス」というワードがX（旧Twitter）でトレンド入りした。2021年に放送されたSFアニメ「86－エイティシックス－」のことを指すワードだが、なぜ今話題となったのだろうか。

アニメ好きも一目置く「86－エイティシックス－」とは

　「86－エイティシックス－」とは安里アサト氏原作のSFアニメで、2021年4月～翌年3月にかけて2クールに分けて放送されていた作品だ。物語が始まる舞台は、大国ギアーデ帝国が開発した無人兵器・レギオンによる侵略を受けているサンマグノリア共和国。共和国は無人機・ジャガーノートを開発し、レギオンの侵攻に対応していた。

　しかし無人機とは名ばかりで、実際は共和国全85区画外に排除された、人として存在を認められていない「エイティシックス」と呼ばれる少年少女たちが搭乗し戦い続けていたのだ。人としての尊厳を奪われ、死と隣り合わせの最前線に立ち続けるエイティシックスの少年と、後方から特殊通信で指揮を執る指揮官の少女が織りなす、苛烈な戦い、人種差別、人の死や別れなど、重めのテーマが描かれている。

　悲しい場面も多い作品だが、ストーリーとともに無人兵器の実態が明かされていく伏線や、主人公と指揮官の相対する2つの視点を使った深みのある構成にはぐっと惹きつけられる。

　2年前のアニメが今回大きな話題を呼んだきっかけは、12月3日放送の「行列のできる相談所」。同番組に出演したK-POPガールズグループ・Kep1erのチェヒョンさんが、ベストアニメとして「86－エイティシックス－」を推したからだ。

　同作のファンを中心に、ネット上には「まさか行列でエイティシックスの名前を見れるとは！」「興味を持ってくれる人が増えるとうれしいな」といった声が相次いだ。また「エイティシックスをベストアニメに挙げるなんて、チェヒョンはガチのアニメ好きだな」と称賛する声も見られた。

　内容はハードだがかなり深みのある「エイティシックス」は、知っているとアニメ好きからも一目置かれる作品だ。ぜひ一度チェックしてみてはいかがだろうか。（フリーライター・井原亘）

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■Profile
井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている