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上新電機の2024年3月期第2四半期連結決算、売上高は0.2%減だが利益ベースでは前年プラスで減収増益

経営戦略

2023/11/14 17:30

 上新電機の2024年3月期第2四半期累計(以下、2Q累計)の連結決算は、売上高が1974億8300万円で前年同期比99.8%と前年実績にわずか届かず減収となった。しかし、営業利益は45億8600万円(同111.7%)、経常利益は45億4900万円(同110.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億1000万円(同103.5%)となり、減収減益だった。

上新電機の2Q累計は減収ながら
粗利益が前同比103.3%と伸長し、増益に貢献

粗利益は販管費よりも高い伸長率で増益を実現

 上新電機の1Qは売上高が前年同期比95.5%で粗利益は同99.9%とダウン。逆に販管費は同101.1%と増加したため、営業利益は同78.5%、経常利益も同77.2%と利益面が大きく落ち込んだ。

 しかし、2Qでは猛暑による季節家電の販売増に加え、スポンサーとなっている阪神タイガースが9月にリーグ優勝したことでセールを実施。短いセール期間だったが売上高アップに大きく貢献し、2Qは売上高が前年同期比103.7%、粗利益は同106.5%と伸長。営業利益は同128.8%、経常利益も同127.4%と増加した。

 このように1Qのマイナスを2Qでカバーしたことで、前述のとおり売上高は前年同期比99.8%と減収だったが、粗利益は同103.3%と増加。人件費や地代家賃、物流費などが上昇傾向にある中で販管費は増加したが同102.5%でとどめた結果、営業利益は同111.7%と伸長した。

 営業外収益は約8000万円の減少で逆に営業外費用は4400万円増加し、経常利益は前年同期比110.4%。特別損益では損失が増加したため、税引前当期純利益は同110.3%となった。しかし、法人税や事業税などが前年同期より約3億2000万円増加し、最終純利益は同103.4%で着地した。
 
2Q累計は減収だが
粗利益の増加と販管費の抑制で利益が増加

店頭販売は伸長したがインターネット販売は前年2桁減

 売上高のうち、店頭販売は前年同期比102.0%と伸長し、売上高構成比は前年同期の80.9%から82.7%にアップ。しかし、ECサイトでのインターネット販売は売上高が同88.3%と減少し、売上高構成比も前年同期の18.0%から15.9%にダウン。その他売上高は同123.4%と伸長し、売上高構成比も前年の1.1%から0.3ポイントアップの1.4%になった。

 商品別売上高では2Q累計が減収だったこともあり、需要低迷が続いているテレビとパソコン以外の冷蔵庫や洗濯機・クリーナー、エアコンなどの売上高も減少。電子レンジ・調理器具と携帯電話、ゲーム・模型・玩具・楽器は増収となった。
 
2Q累計の商品別では
携帯およびゲームなどのその他が伸長した

 2Q累計の各経営指標で粗利益率が26.8%で前年同期より0.9ポイント伸長した。前述のとおり増加傾向にある販管費率は前年同期より0.6ポイントアップの24.4%。営業利益率と経常利益率はいずれも0.2ポイントアップの2.3%となり、当期純利益率も0.1ポインアップの1.6%となった。
 
販管費の増加以上に粗利益が増加したため、
各利益率は前年同期よりポイントアップ

 2024年3月期は売上高が前年比100.4%の4100億円、営業利益は同108.3%の90億円で、経常利益は同108.2%の90億円を見込み、最終純利益は同120.7%の60億円と予想している。
 
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