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夕方に激烈な電池切れ、いまさらのコロナ感染で悩まされた後遺症【道越一郎のカットエッジ】

オピニオン

2023/11/12 18:30

 遅ればせながら新型コロナウイルス感染症にかかってしまった。幸い症状はたいしたことはなかった。熱も最高で38度4分ほど。パルスオキシメーターで測った酸素飽和度は94~92%程度。決して高くはないが、まあ大丈夫なレベルだ。息苦しさも特になかった。3回接種したワクチンの効果もあってか、極めて軽症で済んだのかもしれない。陽性確認後、症状がひどかったのは最初の3日程度。4日目から熱は37度前後まで下がったものの、平熱になって陰性が確認できるまで9日を要した。しかし、後遺症ともいうべき症状はしばらく続いた。区分が5類に移行したといっても、普通の風邪と異なることに変わりない。

「念のため」に抗原検査キットで調べてみるとまさかの陽性。
「C」と「T」の両方に線が入れば陽性、「C」のみであれば陰性だ

 晴れて陰性が確認されたその日、今度は身内の訃報。断続的な咳と倦怠感は続いていたが、バタバタと1週間を過ごした。結局、陽性確認から16日後にやっと仕事に復帰した。しかし咳と倦怠感は残ったまま。復帰直後の週末に少し無理をして、へろへろになりながら地方取材を敢行。その後しばらくは、朝は元気でも、夕方になると、ガクッと極度の倦怠感に襲われるようになった。夕方、急に電池が切れるような感じだ。後遺症だろう。無理な移動や睡眠不足なども重なって長引いたのかもしれないが、この状態は2週間ほど続いた。最終的に、体がほぼ正常に戻るまで発症からおよそ1カ月かかった。それでも、時折出る咳はさらに1カ月以上続いている。
 
一定数の入院患者数はあるものの、山は小さくなっている
(出典:厚生労働省『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について』
2023年11月6日)

 コロナ陽性になって各行政機関のお知らせなどを見てみたが、高齢者でもなく注意すべき基礎疾患もなく症状が軽い場合は、基本的に「治るまで自宅でじっとして過ごせ」という内容。症状が重くなったら医師に相談という流れが推奨されているようだった。現状では特効薬もなく解熱剤などの対症療法でしか対応できないことから、私も、結局医師にはかからなかった。

 厚生労働省が11月6日に発表した、10月第4週の全国のコロナ報告数は1万4125。入院患者の届出数は1074名。前回ピークの8月では、入院者数は3000名強、前々回のピーク、昨年12月では入院者数が6000名弱だったことから、かなり鎮静化してきたことが分かる。一方、同期間のインフルエンザは報告数が9万7292とコロナの9倍。しかし入院患者の届出数は529とコロナの半分だ。インフルエンザは数こそ多いものの、入院に至る数はコロナに比べそれほどでもない。一方、コロナは、数はだいぶ減ってきたが入院数はそこそこあり、特に基礎疾患を抱えるような人にとっては、依然として警戒しなければならない感染症であることに違いない。
 
エレベーターのボタンもいまだに指の腹で押せない。
これも後遺症か

 実はコロナ初年の2020年3月、「濃厚接触者」になった経験がある。幸い感染はしなかったが、思えばこの頃、社会全体の緊張感はとても高かった。濃厚接触者になった経緯を記事化したほどだ。コメディアンの志村けんさんや、俳優の岡江久美子さんが亡くなったことも大きかった。まさに「非常事態」。それが3年以上も続いたとは、いまだに信じがたい。そういえば、電車に乗って普通につり革を握ることには、まだ抵抗がある。エレベーターのボタンも普通に押せず人差し指の第二関節で押したりしている。これも一種の後遺症だ。コロナ禍は個人にも社会にも甚大な影響を及ぼした。ばらまかれた後遺症の種に、私たちは、これから向き合っていくことになるだろう。(BCN・道越一郎)