楽天経済圏に激震 「毎月5と0のつく日はポイント5倍」が「ポイント4倍」にダウン その狙いを読む
【連載・住まい選びとマネー論・9】 ECサイト「楽天市場」を利用する楽天カード会員に好評を得ている楽天カードの特典「毎月5と0のつく日は楽天カード利用でポイント5倍」は、12月5日から「ポイント4倍」にダウンする。「楽天市場」の買い物に対して、楽天の各サービスの利用状況に応じて付与するポイント倍率が変わるSPU(スーパーポイントアッププログラム)の12月1日の改定とあわせ、SNSでは、楽天市場、ひいては楽天経済圏が急速に縮小するのではないかと危惧する声が上がった。今回はSPUを中心に、今回の改定の狙いを考えてみたい。
まず、12月1日以降、MVNOの楽天モバイルが提供する「スーパーホーダイ」「組み合わせプラン」「コミコミプラン」はSPUの対象外となり、MNOの楽天モバイル「Rakuten最強プラン」のみ対象となる。この変更の狙いは、「Rakuten最強プラン」への移行をうながすためだと考えられ、第4のキャリア・楽天モバイルの位置づけを考えるとやむを得ない措置だろう。
マイナスの改定のうち、特に影響が大きいのは、「楽天ブックス/楽天Kobo/Rakuten Fashionアプリ」の達成条件変更と、現行は「+2倍」とポイントアップ率の高い「楽天プレミアムカード 特典」の終了、「楽天銀行+楽天カード」のポイント倍率引き下げ・獲得上限ポイントダウンだろう。
「楽天ブックス」と「楽天Kobo」は、ともに現行の「1回1000円以上購入」から「3000円以上購入」に最低購入金額が引き上がり、「Rakuten Fashionアプリ」に至っては「アプリで購入」だったところ、「アプリで5000円以上購入」に変わる。SPUのポイント倍率アップ狙いの少額購入をなくしたいという意図はわかるものの、ユーザーの目線では改悪だと言わざるを得ない。
また、「楽天プレミアムカード 特典分」の終了は、年会費1万1000円の「楽天プレミアムカード」のメリットを一つ減らす変更となり、正直なところ、その狙いは測りかねる。なお、楽天カード会員向けに、11月1日から要エントリーのキャンペーン「楽天モバイルご契約者様限定! 楽天カードの街でのご利用分がポイント2倍!」が新たに始まっており、年会費無料カードと有料カード(楽天ゴールドカード/楽天プレミアムカード)の違いは、楽天証券での投信積立の「楽天カードクレジット決済」のポイント進呈率のみにシンプル化したいという思惑なのかもしれない。
このほか、全体的に獲得上限ポイントが低くなり、毎月、「楽天市場」で、スマートフォン本体などの高額商品や家族・親戚の分もまとめて日用品や食材などを購入していた場合は還元上限に達してしまい、現行よりお得度は下がることになる。ただし、もともと上限に達していない利用状況なら今回の獲得上限ポイント引き下げの影響はなく、今は「楽天モバイル契約でダイヤモンド会員なら+3倍」のところ、「楽天モバイル契約で会員ランクを問わず誰でも+4倍」に変わるので、楽天PointClubの最高ランク「ダイヤモンド」会員(要・楽天カード入会)になれるほど「楽天市場」や楽天の各サービスを使っていないライトユーザーにとってはプラスだ。
そのほかのプラスの改定は、楽天回線対応のAndroid製品を対象とした「楽天モバイル キャリア決済を月2000円以上利用で+2倍」「Rakuten Turbo/楽天ひかり契約で+2倍」など。特に「楽天モバイル キャリア決済」は現状の「+0.5倍」からの大幅アップなので、SPUをきっかけに利用促進につなげたい意図がうかがえる。
全体的としてみると、今回のSPU改定は改悪と言わざるを得ないが、影響を大きく受けるのはヘビーユーザーであり、ライトユーザーはほとんど影響がない。よって記者は、現時点においては「楽天経済圏崩壊」とは言い過ぎだと考える。それでも「経済圏を変えたい」と考えるなら、ソフトバンク「ペイトク」、au「マネ活プラン」、楽天モバイル「Rakuten最強プラン」、ドコモ「eximo/ahamo」などを比較して、自分のEC利用スタイルなら、どのプランがお得か比較・検討してみてはいかがだろうか。(BCN・嵯峨野 芙美)
ライトユーザー優遇、「5と0のつく日」以外の利用喚起が狙い?
現行のSPUからの変更は多岐にわたり、いずれも12月1日から適用される。これらの変更が改悪だと感じるなら、11月中の前倒し購入をおすすめしたい。まず、12月1日以降、MVNOの楽天モバイルが提供する「スーパーホーダイ」「組み合わせプラン」「コミコミプラン」はSPUの対象外となり、MNOの楽天モバイル「Rakuten最強プラン」のみ対象となる。この変更の狙いは、「Rakuten最強プラン」への移行をうながすためだと考えられ、第4のキャリア・楽天モバイルの位置づけを考えるとやむを得ない措置だろう。
マイナスの改定のうち、特に影響が大きいのは、「楽天ブックス/楽天Kobo/Rakuten Fashionアプリ」の達成条件変更と、現行は「+2倍」とポイントアップ率の高い「楽天プレミアムカード 特典」の終了、「楽天銀行+楽天カード」のポイント倍率引き下げ・獲得上限ポイントダウンだろう。
「楽天ブックス」と「楽天Kobo」は、ともに現行の「1回1000円以上購入」から「3000円以上購入」に最低購入金額が引き上がり、「Rakuten Fashionアプリ」に至っては「アプリで購入」だったところ、「アプリで5000円以上購入」に変わる。SPUのポイント倍率アップ狙いの少額購入をなくしたいという意図はわかるものの、ユーザーの目線では改悪だと言わざるを得ない。
また、「楽天プレミアムカード 特典分」の終了は、年会費1万1000円の「楽天プレミアムカード」のメリットを一つ減らす変更となり、正直なところ、その狙いは測りかねる。なお、楽天カード会員向けに、11月1日から要エントリーのキャンペーン「楽天モバイルご契約者様限定! 楽天カードの街でのご利用分がポイント2倍!」が新たに始まっており、年会費無料カードと有料カード(楽天ゴールドカード/楽天プレミアムカード)の違いは、楽天証券での投信積立の「楽天カードクレジット決済」のポイント進呈率のみにシンプル化したいという思惑なのかもしれない。
このほか、全体的に獲得上限ポイントが低くなり、毎月、「楽天市場」で、スマートフォン本体などの高額商品や家族・親戚の分もまとめて日用品や食材などを購入していた場合は還元上限に達してしまい、現行よりお得度は下がることになる。ただし、もともと上限に達していない利用状況なら今回の獲得上限ポイント引き下げの影響はなく、今は「楽天モバイル契約でダイヤモンド会員なら+3倍」のところ、「楽天モバイル契約で会員ランクを問わず誰でも+4倍」に変わるので、楽天PointClubの最高ランク「ダイヤモンド」会員(要・楽天カード入会)になれるほど「楽天市場」や楽天の各サービスを使っていないライトユーザーにとってはプラスだ。
そのほかのプラスの改定は、楽天回線対応のAndroid製品を対象とした「楽天モバイル キャリア決済を月2000円以上利用で+2倍」「Rakuten Turbo/楽天ひかり契約で+2倍」など。特に「楽天モバイル キャリア決済」は現状の「+0.5倍」からの大幅アップなので、SPUをきっかけに利用促進につなげたい意図がうかがえる。
各通信事業者とも取り組む、ECと金融・通信の連携
一方、「毎月5と0のつく日は楽天カード利用でポイント5倍」から「ポイント倍率4倍」への引き下げ(「5と0のつく日特典+2倍」を「SPU楽天カード特典+1倍」に変更)と、「5と0のつく日特典」分の獲得上限ポイント数の引き下げ(11月中は上限3000ポイント、12月5日以降は1000ポイント)は改悪と言わざるを得ない。好意的に受け取るなら、「5と0のつく日特典」にあわせて、5と0のつく日に集中している注文を他の日にも分散させ、配送業務などを平準化するためかもしれない。全体的としてみると、今回のSPU改定は改悪と言わざるを得ないが、影響を大きく受けるのはヘビーユーザーであり、ライトユーザーはほとんど影響がない。よって記者は、現時点においては「楽天経済圏崩壊」とは言い過ぎだと考える。それでも「経済圏を変えたい」と考えるなら、ソフトバンク「ペイトク」、au「マネ活プラン」、楽天モバイル「Rakuten最強プラン」、ドコモ「eximo/ahamo」などを比較して、自分のEC利用スタイルなら、どのプランがお得か比較・検討してみてはいかがだろうか。(BCN・嵯峨野 芙美)