自動で応答してくれる? 意外に知らないAIの使われ方
【身近に感じることのできるAIのあれこれ・1】 昨今、ChatGPTに代表されるLLM(大規模言語モデル)と呼ばれるAI(人工知能)を利用して、その問題を解決しようとする動きが活発になっています。そこで、本連載では「身近に感じることのできるAIのあれこれ」と題してAIについて分かりやすく解説していきます。
問い合わせ方法は電話やWebサイトのチャットなど、さまざまな方法がありますが、特に電話などでは「ただいま混雑しております。もう一度おかけいただくか……」といった応答の後、長い時間、音楽を聞かされながら待たされた経験、非常に多いかと思います。
メーカーやサービス提供会社もコンタクトセンター(電話対応やチャット対応を行う部門)に可能な限り人を配置しているものの、無制限に配置することもできないため、どうしてもそのような不便が消費者に起こってしまっています。そこで、AIが話題になっているのです。
「AIに聞いて正確な対応ができるの?」「定型的な回答しか結局できないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ChatGPTのような言語処理モデルのAIは進化が著しく、日常会話や専門的な内容まで適切に理解して、自然な回答を行うことができるようになっています。すでに、LINEを活用して実は裏側でAIが回答している、というサービスも増えてきています。
また、これはLINEやチャットなどのテキストベースでの問い合わせ対応に限った話ではなく、電話によるお問い合わせでも同様です。文字の意味を適切に理解して、正確な回答を行うことができる言語処理のAIだけでなく、音声認識や音声生成のAI技術も非常に進歩しています。
電話で話した内容をAIが適切に認識することができるようになっており、またAIが自然な音声を作ることもできます。そのため、AIが話し言葉を文字として認識し、その文字を言語処理のAIが適切に理解して、生成された回答を音声生成のAIが自然な口調で返答する、そんなことが現実にできるようになっているのです。
また、言語処理AIではメーカーやサービス提供会社ごとに、各社が持っているマニュアルなど、オリジナルの学習を行うこともできます。そのため、「特定のエアコン製品の不具合について知りたい」「〇〇で契約しているクレジットカードの解約方法を知りたい」といった場合、一般的な回答ではなく特定の会社やサービスごとにオリジナルで正確な回答を行うこともできるようにもなっています。
合わせて、音声生成のAIは、例えばAさんの言葉を数分間録音することで、まるでAさんが話しているように音声を生成することなどもできます。これらの技術を合わせることで、ちゃんと話しを理解して、最適な回答を作ることができて、さらにスムーズな音声で回答する、というAIを構築することができるのです。
日本で人口減少が叫ばれる中、人の採用や育成で困っている企業はますます増えています。そのため、今後数年間のうちに、このようなAIはより多くの会社が導入していくことが予想されますし、実際にすでに活用している企業も増えています。
また、企業の人材採用難を解決する手段としてはもちろんですが、なによりAIの活用が進むと、コンタクトセンターに問い合わせたときに、長い時間待たされなくて済むようになったり、深夜でも簡単に問い合わせをすることができるようになったりと、消費者にとっても非常に便利で頼もしいサービスとなり、企業に対しての好感度も上がるかもしれません。
このように、企業だけでなく消費者にとってもメリットがあるため、今後コンタクトセンターに問い合わせたら、人ではなく実はAIと話していた、そんな世の中になるのもそう遠くはないかもしれません。(BizTech・森下佳宏)
問い合わせた経験ある?
日々生活をしている中で、エアコンやPCなど、家電製品の使い方が分からなかったり、「故障じゃないか?」と思ってメーカーに問い合わせたり、という経験を持つ人は多いのではないでしょうか。もちろん家電製品に限らず、例えばクレジットカードに関する問い合わせなど、多くの人が問い合わせを行った経験はあるかと思います。問い合わせ方法は電話やWebサイトのチャットなど、さまざまな方法がありますが、特に電話などでは「ただいま混雑しております。もう一度おかけいただくか……」といった応答の後、長い時間、音楽を聞かされながら待たされた経験、非常に多いかと思います。
メーカーやサービス提供会社もコンタクトセンター(電話対応やチャット対応を行う部門)に可能な限り人を配置しているものの、無制限に配置することもできないため、どうしてもそのような不便が消費者に起こってしまっています。そこで、AIが話題になっているのです。
「AIに聞いて正確な対応ができるの?」「定型的な回答しか結局できないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ChatGPTのような言語処理モデルのAIは進化が著しく、日常会話や専門的な内容まで適切に理解して、自然な回答を行うことができるようになっています。すでに、LINEを活用して実は裏側でAIが回答している、というサービスも増えてきています。
また、これはLINEやチャットなどのテキストベースでの問い合わせ対応に限った話ではなく、電話によるお問い合わせでも同様です。文字の意味を適切に理解して、正確な回答を行うことができる言語処理のAIだけでなく、音声認識や音声生成のAI技術も非常に進歩しています。
電話で話した内容をAIが適切に認識することができるようになっており、またAIが自然な音声を作ることもできます。そのため、AIが話し言葉を文字として認識し、その文字を言語処理のAIが適切に理解して、生成された回答を音声生成のAIが自然な口調で返答する、そんなことが現実にできるようになっているのです。
また、言語処理AIではメーカーやサービス提供会社ごとに、各社が持っているマニュアルなど、オリジナルの学習を行うこともできます。そのため、「特定のエアコン製品の不具合について知りたい」「〇〇で契約しているクレジットカードの解約方法を知りたい」といった場合、一般的な回答ではなく特定の会社やサービスごとにオリジナルで正確な回答を行うこともできるようにもなっています。
合わせて、音声生成のAIは、例えばAさんの言葉を数分間録音することで、まるでAさんが話しているように音声を生成することなどもできます。これらの技術を合わせることで、ちゃんと話しを理解して、最適な回答を作ることができて、さらにスムーズな音声で回答する、というAIを構築することができるのです。
日本で人口減少が叫ばれる中、人の採用や育成で困っている企業はますます増えています。そのため、今後数年間のうちに、このようなAIはより多くの会社が導入していくことが予想されますし、実際にすでに活用している企業も増えています。
また、企業の人材採用難を解決する手段としてはもちろんですが、なによりAIの活用が進むと、コンタクトセンターに問い合わせたときに、長い時間待たされなくて済むようになったり、深夜でも簡単に問い合わせをすることができるようになったりと、消費者にとっても非常に便利で頼もしいサービスとなり、企業に対しての好感度も上がるかもしれません。
このように、企業だけでなく消費者にとってもメリットがあるため、今後コンタクトセンターに問い合わせたら、人ではなく実はAIと話していた、そんな世の中になるのもそう遠くはないかもしれません。(BizTech・森下佳宏)