10月4日からLINEの画面上に表示されている「プライバシーポリシー統合のご案内」に同意しないと、11月以降は同意するまでLINEアプリやYahoo!メールなどの継続利用ができなくなる。「LINE株式会社とヤフー株式会社のプライバシーポリシー統合のご案内」のFAQにそう明記されている。自分だけでなく家族や友人、グループの仲間などに、内容を確認の上、同意する、同意しないの判断をするように知らせよう。

「よくわからないから、とりあえず保留」が危険

　10月1日にLINEとヤフーが一つの会社「LINEヤフー」に統合したのを機に、両社のプライバシーポリシーを統合した「LINEヤフープライバシーポリシー」が策定・公表された。10月4日から順次、LINEやヤフーの各サービス内で同意画面が掲出されており、新しいプライバシーポリシーへの同意を求めている。

　「よくわからないから、とりあえず保留」――。そんな人も多いかもしれないが、保留のままにしていると、10月中は保留できても11月以降は同意するまでの間、LINEアプリやYahoo!メールなどの継続利用ができなくなるというのだ。

　「LINE株式会社とヤフー株式会社のプライバシーポリシー統合のご案内」のFAQ（よくある質問）には次のように記載してある。

質問「LINEやLINEグループ・ヤフーのサービスの継続利用にプライバシーポリシーへの同意は必須でしょうか」

回答「10月中は同意を留保いただくことが可能ですが、同年11月以降は順次サービスの利用に当たりLINEヤフープライバシーポリシーへの同意が必要となる予定です。同意いただけない場合、同意いただけるまでの間はLINEアプリ、Yahoo!メールなどの継続利用ができなくなります。それに伴い、たとえばLINEアプリ上で提供されているLINEグループのサービスも一部、継続利用ができなくなりますのでご留意ください」

　FAQの中でも最後の質問に記載されているので、見落としている人も多いかもしれない。再度、チェックの上、同意、同意しないの判断をしてほしい。

　今や情報伝達ツールの社会インフラにもなっているLINEで、10月4日に画面で告知して、31日までに同意を迫るという手段もどうかと思うが、11月に入っていたるところで連絡が取れなくなったなどのパニックに陥らないことを祈りたい。ちなみに、新会社は「ユーザープライバシーファースト」を指針として掲げる、とのことだ。

リターゲティング広告活用への同意

　今回の「LINEヤフープライバシーポリシー」における要点は次の五つ。１.広告主などのパートナーからの広告配信などに利用する情報の取得・利用、2.解析情報や統計情報の作成・提供、3.越境移転先の国・地域の明確化、4.識別子などの第三者提供、5.識別子の紐づけ――となる。
 
　各項目について各自で確認の上、判断していただきたいが、簡単に説明すると、LINEとYahoo!JAPAN IDの紐づけをして双方のサービスにおける商品購入履歴などを統合する。そのデータを、企業など広告主のリターゲティング広告やサービス、コンテンツなどに活かしたり、広告主にマーケティングデータとしてフィードバックしたりする。その際にやりとりされるデータは、個人が特定されないデータ（単体ではユーザーを直接特定できない識別子で年代、性別、興味関心などのユーザー属性情報）であるという内容である。

　11月に入ってどのような事態が起きるのかはわからない。突然LINEグループから次々と人が退出していくという状況が起きるのかどうか。いずれにしても冷静に対応したい。（BCN・細田 立圭志）