女性のSTEM領域への転職、増加率で男性より上回る

経営戦略

2023/09/27 17:30

 リクルートは9月26日に、STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematicsの略。ここでは具体的に電気、機械、化学、ITを指す)領域における女性エンジニアの転職動向について、転職支援サービス「リクルートエージェント」のデータを分析し、まとめたものを発表した。同調査は、5~8月に行われている。

女性のSTEM領域への転職数が約10年で6.38倍に増加

「電気・機械・化学」の女性エンジニアの転職者数は7.61倍

 同分析によれば、STEM領域への女性の転職数は約10年で6.38倍に増加しており、男性の転職数の増加率(2.94倍)と比較しても、大きく増えていることが明らかになった。

 リクルートでは、STEM領域への女性の転職数増加の背景として、ダイバーシティ経営の加速によって、女性活躍に力を入れる企業が増えたこと、労働市場の構造的な人材不足によって、企業が新しいターゲットに間口を広げたことで、女性がより自分に合った企業に転職しやすくなったことなどを挙げている。

 ほかにも、製造業に多く就業する電気・機械・化学の女性エンジニアの転職者数は7.61倍と、全業種やSTEM領域エンジニア全体と比較しても増加幅が大きいことがわかった。これは、サステナビリティやGXといったビジネス上でも自然環境に配慮した動きを求める機運が高まるとともに、STEM領域でも女性の就学が多い傾向にある化学分野へのニーズが高まっていることから、企業が転職意向を高めるために働き方などの工夫をしていることなどが背景にあると考えられる。
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