家電量販店の8月売上高は猛暑でエアコンが伸長し店舗売上高も前年実績を上回る
月次売上高(速報ベース)を発表している家電量販店の8月売上高が出揃った。昨年の夏は6月と9月が暑く、肝心の7~8月は天候不順で夏商戦は空振り気味だったが、今年は7月も8月も記録的な暑さでエアコンの販売が好調に推移。店舗の全体売上高も前年同月をクリアした。
各社によって多少の違いはあるものの、4~6月の販売状況は厳しかったが7~8月は前年実績をクリアした企業が多かった。記録的な猛暑となったこの2カ月間、エアコンの在庫切れや設置・修理工事の大幅な遅れも特にはなかったようだ。この結果から今年の夏商戦は、総体的に成功裏に終わったといえるだろう。
ビックカメラとコジマは他社と異なり8月が決算月。2022年9月からの1年間の販売状況を見ると、ビックカメラで前年割れの月は22年10月のみだ。直近の7~8月は2カ月連続して前年同月2桁増と好調をキープ。22年9月~23年8月の累計では前年比105.7%となっている。
一方のコジマは直近1年間で前年同月実績をクリアした月が22年9月と23年8月で、その他の10カ月は前年割れ。ビックカメラと同じ累計期間では前年比95.3%である。
上新電機は同88.8%、コジマは87.6%で、いずれも前年同月比2桁減。特にコジマは22年12月から単月売上高2桁減の状態が継続しており、早急に底上げ施策が必要な状況といえるだろう。
8月は猛暑日が続き、エアコンの販売環境としては良好だったといえるだろう。ケーズHDの8月エアコン売上高は前年同月比144.3%と大きく伸長した。だが、4~6月の第1四半期は前年同期比76.7%と大きく落ち込んだため、4月からの累計では前年同期比99.2%と前年実績に届いていない。
エディオンの8月エアコン売上高は前年同月比116.2%。4月からの累計では前年同期比104.2%と前年実績を上回った。
上新電機の8月エアコン売上高は前年同月比113.2%で、コジマは同123.4%。全社とも8月のエアコン売上高は2カ月続けて前年比2桁増となっている。
ケーズHDは7月も前年プラスだが、4月からの累計では前年同期比95.0%と前年実績に届いていない。エディオンもケーズHDと同様に累計では同99.1%だ。
日本電機工業会(JEMA)の出荷統計を見ると、冷蔵庫の出荷台数は23年7月まで9カ月連続で減少。消費動向調査での冷蔵庫の平均使用年数は徐々に長期化する傾向が見られる。コロナ禍での需要前倒しや製品価格の上昇なども絡み合い、冷蔵庫の販売が足踏み状態になっていると推測できる。
その他の商品では、洗濯機の販売がおおむね好調だった。ケーズHDの8月売上高は前年同月比106.6%で、4月からの累計でも前年同期比101.3%と前年実績をクリア。エディオンも8月は同105.8%、累計でも100.8%と前年実績超をキープ。コジマも8月は同107.2%と伸長した。
パソコンは4月以降、苦戦状態が続いている。ケーズHDはパソコンと情報機器の合算で、4月は前年同月比102.1%と伸長したものの、5月以降は前年割れの月が続いている。エディオンの8月パソコン売上高は同78.5%。4月からの累計でも前年同期比88.9%と2桁減。上新電機も8月は同79.4%と前年同月実績を大きく割り込み、コジマも81.3%だった。
3月決算の企業にとっては、この9月が上期の最終月。累計売上高をどこまで伸ばせるか、9月の発表を待ちたい。
ビックカメラの年度累計は前年同期比105.7%と伸長
8月の売上高はビックカメラが前年同月比111.1%と2桁伸長し、ケーズホールディングス(以下、ケーズHD)は同109.6%、エディオンが102.6%と続く。3社よりも伸長率は低いが、コジマは100.1%、上新電機は100.0%と全社とも前年同月実績を上回った。各社によって多少の違いはあるものの、4~6月の販売状況は厳しかったが7~8月は前年実績をクリアした企業が多かった。記録的な猛暑となったこの2カ月間、エアコンの在庫切れや設置・修理工事の大幅な遅れも特にはなかったようだ。この結果から今年の夏商戦は、総体的に成功裏に終わったといえるだろう。
ビックカメラとコジマは他社と異なり8月が決算月。2022年9月からの1年間の販売状況を見ると、ビックカメラで前年割れの月は22年10月のみだ。直近の7~8月は2カ月連続して前年同月2桁増と好調をキープ。22年9月~23年8月の累計では前年比105.7%となっている。
一方のコジマは直近1年間で前年同月実績をクリアした月が22年9月と23年8月で、その他の10カ月は前年割れ。ビックカメラと同じ累計期間では前年比95.3%である。
8月のエアコン売上高は全社とも前年比2桁増
各社の商品別売上高で、共通して数値を発表している商品の8月の販売状況はどうだったか。まずはテレビから。ケーズHDの8月テレビ売上高は前年同月比99.6%で、4月からの累計は前年同期比92.1%。エディオンは8月が92.3%で、累計では91.5%と両社とも長期スパンで厳しい状況が続いている。上新電機は同88.8%、コジマは87.6%で、いずれも前年同月比2桁減。特にコジマは22年12月から単月売上高2桁減の状態が継続しており、早急に底上げ施策が必要な状況といえるだろう。
8月は猛暑日が続き、エアコンの販売環境としては良好だったといえるだろう。ケーズHDの8月エアコン売上高は前年同月比144.3%と大きく伸長した。だが、4~6月の第1四半期は前年同期比76.7%と大きく落ち込んだため、4月からの累計では前年同期比99.2%と前年実績に届いていない。
エディオンの8月エアコン売上高は前年同月比116.2%。4月からの累計では前年同期比104.2%と前年実績を上回った。
上新電機の8月エアコン売上高は前年同月比113.2%で、コジマは同123.4%。全社とも8月のエアコン売上高は2カ月続けて前年比2桁増となっている。
冷蔵庫は累計で前年実績に届かず
冷蔵庫の8月売上高を見るとエディオンは前年同月比98.2%、上新電機は同97.6%、コジマも同98.7%で3社とも前年同月実績を下回ったが、ケーズHDは同106.3%で前年実績をクリアした。ケーズHDは7月も前年プラスだが、4月からの累計では前年同期比95.0%と前年実績に届いていない。エディオンもケーズHDと同様に累計では同99.1%だ。
日本電機工業会(JEMA)の出荷統計を見ると、冷蔵庫の出荷台数は23年7月まで9カ月連続で減少。消費動向調査での冷蔵庫の平均使用年数は徐々に長期化する傾向が見られる。コロナ禍での需要前倒しや製品価格の上昇なども絡み合い、冷蔵庫の販売が足踏み状態になっていると推測できる。
その他の商品では、洗濯機の販売がおおむね好調だった。ケーズHDの8月売上高は前年同月比106.6%で、4月からの累計でも前年同期比101.3%と前年実績をクリア。エディオンも8月は同105.8%、累計でも100.8%と前年実績超をキープ。コジマも8月は同107.2%と伸長した。
パソコンは4月以降、苦戦状態が続いている。ケーズHDはパソコンと情報機器の合算で、4月は前年同月比102.1%と伸長したものの、5月以降は前年割れの月が続いている。エディオンの8月パソコン売上高は同78.5%。4月からの累計でも前年同期比88.9%と2桁減。上新電機も8月は同79.4%と前年同月実績を大きく割り込み、コジマも81.3%だった。
3月決算の企業にとっては、この9月が上期の最終月。累計売上高をどこまで伸ばせるか、9月の発表を待ちたい。
注目の記事
外部リンク
- エディオン月次開示情報=https://www.edion.co.jp/ir/library/monthly
- ケーズホ-ルディングス月次情報=https://www.ksdenki.co.jp/ir/monthlyinfo/
- 上新電機月次売上速報=https://www.joshin.co.jp/ja/ir/library/sales_report.html
- コジマ月次売上速報=https://www.kojima.net/corporation/ir/bulletin2023.htm
- ビックカメラ月次売上=https://www.biccamera.co.jp/ir/monthly/202308.html