• ホーム
  • トレンド
  • デネットのビジネスが好調、データ管理で上半期トップシェア 勤怠管理の導入は約3500拠点

デネットのビジネスが好調、データ管理で上半期トップシェア 勤怠管理の導入は約3500拠点

 データ管理や勤怠管理のソフトを提供するデネットのビジネスが好調だ。データ管理ソフトは、全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」の上半期(2023年1~6月)に販売本数シェアで42.9%を獲得してトップを確保。勤怠管理ソフトは、約3500校(拠点)近くの学校機関や自治体が導入している状況だ。

「データ管理ソフト」の販売本数シェア
(2023年1~6月の集計値データ、最大パネル)

シンプルな機能で60~70代が購入

 デネットは、データ管理ソフト部門の販売本数シェアで20~23年ともに上半期でトップに君臨している。主力製品は、「かんたん住所録Pro8」「パソコンで住所録・宛名印刷」。はがきデザイン機能を搭載せず、住所録と宛名印刷のみの必要な機能だけ絞ったシンプルさが好評を博しているという。ユーザーの年齢層は60~70代がメインで、根強いファンを確保していることが販売好調の理由だ。

 かんたん住所録Pro8は、個人や会社の住所録を簡単に使いやすく作成できることが特徴。個々の宛名データに「同窓会」「親戚」「趣味の会」などと分類を設定しておくと、分類で絞り込んだ宛名リスト表示も可能だ。必要な項目だけ表示するなど、カスタマイズして宛名リストを利用することもできる。

 「お中元」「お歳暮」の内容、年賀状などの送受記録を登録しておけば、それぞれの人との付き合い履歴も管理できる。年賀状名簿、同窓会名簿、自治会名簿など、用途に合わせた住所録ファイルの複数作成も可能だ。

 印刷時には、プレビュー機能で宛名の位置や大きさなどを確認してからの印刷が可能なことに加え、複数の宛名をまとめて印刷できる「一括印刷」と選択した宛名を1件ずつ印刷する「個別印刷」の2種類から選べる。リストから対象の宛名を印刷するかしないかが設定でき、印刷した宛名のチェックを外すことや住所録の画面に戻らず印刷可否の設定も可能だ。ハガキ、封筒、タックシール、登録者の一覧印刷も行える。
 
かんたん住所録Pro8

 パソコンで住所録・宛名印刷は、簡単に住所を登録・管理してプリンタできれいに宛名が印刷できる。通常ハガキはもちろん、年賀ハガキや各種封筒、宛名シールにも対応している。登録した住所データをハガキや封筒などの表面に印刷することができるほか、封筒裏面への差出人印刷、カスタマバーコードや料金別納マークの印刷も可能。宛名の手書き作業や紙媒体などでの住所録管理の労力が軽減できて簡単に印刷できるソフトとしてユーザーから評価が高い。
 
パソコンで住所録・宛名印刷
 

10万人近くが利用

 学校の教職員向け勤怠管理ソフトとしてデネットが提供しているのが、パッケージ版「パソコンで勤怠管理 School」シリーズ(Schoolシリーズ)、ネットワーク版「パソコンで勤怠管理 School NETWORK V2」だ。勤怠管理を通じて長時間労働の見直しが把握でき、教職員の働き方改革を実現できる製品として、47都道府県のうち私立学校も含めて43都道府県の学校・教育機関や自治体などに提供。Schoolシリーズ以外の勤怠管理ソフトも含めて8月2日現在、3488校(拠点)が導入しており、9万8281人が利用している。パソコンで勤怠管理 School NETWORK V2に関しては、一般企業の導入相談にも対応している。

 パソコンで勤怠管理 Schoolシリーズのパッケージ版は、Windwos OSのPCやタブレット端末などを1台、カードリーダー1台があれば勤怠管理システムを1万円台から導入できることが売り。教職員がPCやタブレット端末にICカードをかざすだけで日々の出勤時間と退勤時間を記録できるため、直感的な運用が可能だ。

 Schoolシリーズ「NS版」では、複数シフトや変形労働制でも対応できる「職務コード機能」や直行直帰の場合でも事前に申請できる「出張申請機能」などを搭載。NS版の上位製品「DX版」では、管理が煩わしい教員の有給休暇の取得や付与、残数計算ができる「有給休暇申請機能」を追加しており、時間単位の中抜け、慶弔休暇、夏期休暇など、細かく休暇を記録・管理することができる。
 
パソコンで勤怠管理 Schoolシリーズ(例:NS版)
 
パソコンで勤怠管理 Schoolシリーズ(例:NS版)

 クラウドサービスの普及が進む昨今、特に販売強化を図っているのがパソコンで勤怠管理 School NETWORK V2。数拠点における教職員の勤務時間記録や有給休暇などが管理できるWeb勤怠管理システムだ。リアルタイムで日々の勤務時間を把握・集計確認ができるほか、個人のスマホやPCからブラウザー上での出退勤打刻、ICカード打刻専用アプリ(オプション)によるFeliCa搭載カードやスマホでの打刻、学校単位やグループ(職務)単位での標準勤務時間設定、個人アカウントからの打刻漏れや打刻修正、休暇や休日振替の申請も可能。価格は、1拠点当たり100人以下で年額9900円からに設定している。
 
パソコンで勤怠管理 School NETWORK V2
 

ユーザーの声から細かく機能を改善

 データ管理ソフトで上半期No.1、勤怠管理ソフトで約3500拠点を獲得しているのは、デネットがユーザーの声を吸い上げて細かい部分の機能改善に力を注いでいるからといえる。メジャーバージョンアップというよりは、マイナーバージョンアップを常に続けることで、データ管理と勤怠管理の両市場で、確固たる地位を築いていることになる。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。