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民生用電気機器の7月国内出荷は前年同月比85.8%、前年同月比マイナスは3カ月ぶり

データ

2023/08/25 19:00

 日本電機工業会(JEMA)がまとめた白物家電や家事・空調家電など民生用電気機器の7月度国内出荷動向が発表された。国内出荷金額は2429億円で、前年同月比(以下、前同比)85.8%。3カ月連続で前同比プラスとはならなかった。

民生用電気機器の7月度国内出荷金額は
前同比2桁減の85.8%

製品の出荷単価は上昇基調で推移

 前年は6月下旬が猛暑だったため、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの出荷金額が伸長。前年同月実績のハードルが高かったことに加えて、家電の製品価格上昇や外出機会増加に伴う消費行動の変化などが7月の前同比ダウンの要因とみられる。

 電子レンジやホットプレート、ヘアドライヤーは台数・金額とも前同比2桁増となったが、多くの製品では前年同月実績を下回った。全体的に前同比は金額>台数という構図で、単価は上昇基調で推移している。

 エアコンの出荷台数は110万6000台で出荷金額は967億5400万円。台数は前同比76.2%で、金額は同77.2%と前年同月実績を大きく下回った。4月からの累計台数は同88.6%、累計金額も同92.0%となっている。
 
7月のエアコン出荷は前同比で20%以上ダウン

 冷蔵庫の出荷台数は38万6000台で、出荷金額は465億1300万円。台数は前同比96.9%、金額は同95.4%。出荷台数の約4割を占める401L以上の大容量タイプは台数が同88.9%で、金額は同91.3%だった。
 
401L以上の大容量冷蔵庫の出荷実績は
やや停滞気味で推移

 洗濯機の出荷台数は35万台で前年同月比81.7%、金額は333億2900万円で同83.9%。台数・金額とも前年割れで、4カ月連続の前同比プラスとはならなかった。このうち洗濯乾燥機の出荷台数は同83.4%で、金額は同84.0%と洗濯機全体よりも減少率はやや低い。

 4月からの累計では出荷金額が全体、洗濯乾燥機とも前年2桁増。出荷台数も洗濯乾燥機が同113.6%と2桁増で、全体も107.6%。出荷状況としては好調に推移しているといえるだろう。
 
洗濯機の7月出荷は前年割れだったが、
累計では前年プラス

電子レンジの7月出荷金額は前年同月の1.5倍超

 電子レンジの出荷台数は22万8000台で前同比122.3%。4カ月ぶりに前年プラスとなった。出荷金額は同74億8300万円で前同比は台数伸長率を大きく上回る157.8%。出荷金額は3カ月連続で前同比プラスとなっている。

 ジャー炊飯器の出荷台数は31万4000台で前同比87.5%、出荷金額は77億5200万円で同91.9%。台数の前年割れは8カ月連続で4月からの累計でも前年同期比93.5%だが、出荷金額は累計で101.3%と前年同期実績を上回っている。

 クリーナーの出荷台数は38万2000台、出荷金額は104億5100万円で台数・金額とも前年実績を下回った。前同比マイナスは台数が5カ月連続、金額が3カ月連続。4月からの累計では出荷単価こそアップしているが、台数・金額とも前年割れである。
 
電子レンジ、炊飯器、クリーナーとも
4月からの累計出荷台数は前年マイナス

 光熱費や物価が上昇する中、労働者の実質賃金は15カ月連続マイナスで推移している。家電製品の単価上昇が新規購入や買い替えにどのような変化をもたらすのか、今後の動向に要注目だ。
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