「田舎×リモートワーク」のリアル 川遊びと草むしりで叶えるストレス“レス”な暮らし
【拝啓、徳島より9】 リモートワークの普及やワーケーションの登場により、田舎暮らしの方法にも多様性が出てきた昨今。都会と比べて“よりいい環境”を求めて、地方に移住する人も多くなってきました。自然豊かな環境で満員の通勤電車のない暮らしは確かに快適ですが、ストレスがゼロかというとそうでもないのが現実です。今回は、四国は徳島にある小さな港町で、リモートワーカーとして働くリアルな日常と、田舎暮らしならではのリフレッシュ方法を紹介していきます。
家の近くは自然が豊かで、手軽に海や川へ遊びにいけるのが一番の魅力です。1000年以上続くお遍路文化のおかげで、地元の人たちは外から来た人にも寛容で、県外からの移住者も多く住んでいます。物価も安く、家賃は東京の1/5~1/3ほど。暮らしの面ではとても快適に過ごしています。
しかし、仕事となると話は別です。私は現在フリーランスとして主に在宅で仕事をしています。オフィスワーカー時代と仕事量はほぼ変わらず、1日の大半をPCの前で過ごしています。
もちろん通勤ラッシュがない分、オフィスで働くビジネスパーソンよりステレスは少ないかもしれません。しかし、リモートワークが一般的になった今、在宅で働く人にとっては、都会も田舎も仕事に関わるストレスや身体的負担は変わらないのではないかと感じます。
遠くから潮騒が聞こえる部屋で、1日中机に座って仕事をしなければいけない日は、とても苦痛。今すぐにでも泳ぎに行きたい気持ちをぐっとおさえて、淡々とタスクをこなしています。
午前中の仕事がひと段落したら、一目散に川へ。自転車で15分ほど走り、透明度抜群の清流にダイブします。真っ青な空を反射して流れる水はひんやりと冷たく、午前中にフル回転で使った脳みそをクールダウン。20~30分ほど川遊びをしてからシャワーを浴びて、お昼を食べたら仕事に戻ります。
浜のすぐ目の前にはウミガメ博物館(現在リニューアルに向けて休館中)があり、ウミガメが泳ぐ大きなプールは施設の外からでも見学が可能です。ゆったり泳ぐウミガメに挨拶して家に帰ります。この環境が徒歩5分圏内にあるなんて、ラッキーだなぁといつも思います。
防草のため庭には小石を敷いているのですが、夏には雑草がニョキニョキと生え、放っておくと私の背丈よりも高く伸びてしまいます。そこで、仕事の合間に庭いじりをするようになったのですが、これが気分転換にもってこいなんです。
太陽の光を浴びながら黙々と雑草を引っこ抜く時間は、さながら瞑想やヨガのよう。無心で作業をした後は、縁側で冷たいアイスコーヒーを飲むのがお気に入りです。この時に、ぱっと企画のアイデアが浮かんだり、ミスして落ち込んでた気持ちが晴れ晴れしたり、いいことばかり。都会ではなかなかできないリフレッシュ方法ではないでしょうか。
梅を丁寧に洗って一つひとつヘタを取るのですが、草むしりと同じく黙々と作業に没頭できるので気分転換にぴったりなのです。洗った梅を台所に広げておいて、仕事の合間に爪楊枝で梅仕事。ポロッと綺麗にヘタが取れた時の快感はたまりません。
梅の他にも、季節によってスダチや柚子など様々なお裾分けが届くので、その時々の“○○仕事”を本業の合間に楽しんでいます。
都内で働いていた時、気分転換といえば友人との飲み会や買い物、映画などでした。もちろんそれも楽しかったのですが、小さな港町で同じことはできません。代わりに、有り余る自然が遊び場になったり、暮らしの中に「仕事以外のちょっとした任務」を見つけたり、自分で気分転換の方法を見出す楽しさを日々、感じています。(フリーライター・甲斐りかこ)
■Profile
甲斐りかこ
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。
田舎暮らしは本当にストレスフリーなのか問題
私が住む町は、周囲を海、山、川に囲まれたのどかな港町です。人口は約6000人で、高齢化率は49%。徳島市内からは車で約1時間半もかかります。家の近くは自然が豊かで、手軽に海や川へ遊びにいけるのが一番の魅力です。1000年以上続くお遍路文化のおかげで、地元の人たちは外から来た人にも寛容で、県外からの移住者も多く住んでいます。物価も安く、家賃は東京の1/5~1/3ほど。暮らしの面ではとても快適に過ごしています。
しかし、仕事となると話は別です。私は現在フリーランスとして主に在宅で仕事をしています。オフィスワーカー時代と仕事量はほぼ変わらず、1日の大半をPCの前で過ごしています。
もちろん通勤ラッシュがない分、オフィスで働くビジネスパーソンよりステレスは少ないかもしれません。しかし、リモートワークが一般的になった今、在宅で働く人にとっては、都会も田舎も仕事に関わるストレスや身体的負担は変わらないのではないかと感じます。
遠くから潮騒が聞こえる部屋で、1日中机に座って仕事をしなければいけない日は、とても苦痛。今すぐにでも泳ぎに行きたい気持ちをぐっとおさえて、淡々とタスクをこなしています。
仕事の疲れはすぐそこの自然でオフ!
リモートワーカーにとって、都会でも田舎でも働く環境に大きな違いはありませんが、休憩時間の過ごし方は全く異なります。最近は酷暑が続き、気だるい日が続く毎日。日々の疲れを吹き飛ばすために実践してる夏場の気晴らしルーティーンをご紹介します。早朝の海散歩
まずは朝起きたら海辺を散歩。歩いて3分の浜に向かいます。ビーチ沿いを歩けば、誰かしら顔見知りに会えるので、ちょっと立ち話してから、ぼんやり太平洋を眺めます。潮風を浴びて1日のやる気をチャージします。
昼は川でクールダウン
午前中の仕事がひと段落したら、一目散に川へ。自転車で15分ほど走り、透明度抜群の清流にダイブします。真っ青な空を反射して流れる水はひんやりと冷たく、午前中にフル回転で使った脳みそをクールダウン。20~30分ほど川遊びをしてからシャワーを浴びて、お昼を食べたら仕事に戻ります。夕方はウミガメに癒される
夕方になり、ちょっと仕事が煮詰まってきたなと感じたら、また海辺へ。自販機で買った100円の缶コーヒーを飲みながらベンチに座って海を眺めます。浜のすぐ目の前にはウミガメ博物館(現在リニューアルに向けて休館中)があり、ウミガメが泳ぐ大きなプールは施設の外からでも見学が可能です。ゆったり泳ぐウミガメに挨拶して家に帰ります。この環境が徒歩5分圏内にあるなんて、ラッキーだなぁといつも思います。
草むしりは、メディテーション?
海や川以外にも、息抜き方法に事欠かないのがこの暮らしのいいところ。例えば、私が最近ハマっているのが庭の草むしりです。私が住む平家の一軒家(賃貸)は、「庭付き・池付き・金魚付き」。8畳ほどの庭には小さな池があり、中には金魚が4匹いて、寿命が来ると大家さんが補充してくれました。防草のため庭には小石を敷いているのですが、夏には雑草がニョキニョキと生え、放っておくと私の背丈よりも高く伸びてしまいます。そこで、仕事の合間に庭いじりをするようになったのですが、これが気分転換にもってこいなんです。
太陽の光を浴びながら黙々と雑草を引っこ抜く時間は、さながら瞑想やヨガのよう。無心で作業をした後は、縁側で冷たいアイスコーヒーを飲むのがお気に入りです。この時に、ぱっと企画のアイデアが浮かんだり、ミスして落ち込んでた気持ちが晴れ晴れしたり、いいことばかり。都会ではなかなかできないリフレッシュ方法ではないでしょうか。
仕事の合間の「梅仕事」で、息抜き!
もう一つ、田舎町ならではの息抜き方法として紹介したいのが「梅仕事」です。毎年、梅雨の時期になると友人から紀州梅をお裾分けしてもらいます。梅干しやシロップなど、楽しみ方は様々ですが、漬ける前には下準備が必要です。梅を丁寧に洗って一つひとつヘタを取るのですが、草むしりと同じく黙々と作業に没頭できるので気分転換にぴったりなのです。洗った梅を台所に広げておいて、仕事の合間に爪楊枝で梅仕事。ポロッと綺麗にヘタが取れた時の快感はたまりません。
梅の他にも、季節によってスダチや柚子など様々なお裾分けが届くので、その時々の“○○仕事”を本業の合間に楽しんでいます。
田舎にいても仕事のストレスは同じ。でも気分転換はしやすいかも
仕事の悩みやストレスは、どこに住んで何をしていてもきっと同じでしょう。ストレスを感じないのは難しいけれど、やりすごす方法はきっと何通りもあるはずです。都内で働いていた時、気分転換といえば友人との飲み会や買い物、映画などでした。もちろんそれも楽しかったのですが、小さな港町で同じことはできません。代わりに、有り余る自然が遊び場になったり、暮らしの中に「仕事以外のちょっとした任務」を見つけたり、自分で気分転換の方法を見出す楽しさを日々、感じています。(フリーライター・甲斐りかこ)
■Profile
甲斐りかこ
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。