エレコムの葉田順治取締役会長は三重県熊野市の河上敢二市長と隈研吾建築都市設計事務所の隈研吾氏、社会福祉法人聖マッテヤ会の池田修一理事長とともに8月7日、三重県庁で服部浩副知事に「東紀州こどもの園」プロジェクトの報告をした。
施設の敷地面積は約2000平方メートルで延床面積は約800平方メートル。児童家庭支援センター1棟と児童養護施設2棟の合計3棟からなる。定員は居住やショートステイ、一時保護のシェルターなどを含めて約10人。7月4日に着工しており、2024年春に完成する予定だ。
総工費は約6億5000万円。葉田会長が個人で5億円を寄付し、エレコムが2500万円、県が補助金として1億1500万円を支援する。
葉田会長は十年近く前から、個人として、また公益財団法人葉田財団として児童養護施設などへの寄付をはじめ、子どもたちへの支援活動を行ってきた。
今回のプロジェクトも当初は葉田会長個人で始めたものだったが、世界的建築家の隈研吾氏に、地元の紀州材をふんだんに使用する本ロジェクトの趣旨と合わせて設計・デザインの監修を依頼したところ、隈氏から快諾を得たという。
また、三重県で児童養護施設などの運営に携わる社会福祉法人聖マッテヤ会の池田修一理事長や、用地探しなどで河上敢二熊野市長からも賛同を得て、プロジェクトの発足に至った。
施設の設計・デザインを監修する隈氏は「山に包み込まれた土地を見た瞬間に、開かれて、守られている優しさを感じた。紀州の木材を使って、『開かれる』と『守る』が両立するイメージの施設を設計しようと考えた」と、木のぬくもりと、開放的な施設にしようとした着想について説明した。
河上市長は、「葉田会長は個人の思い付きとおっしゃったが、まったくそんなことはない。子どもたちへの強い思いをお持ちで、どこかでこのような施設を実現したいと常々考えられていたのでしょう。児童養護施設は長くいるより、早く卒園した方がいいので、例えば通常1年かかるところを、この施設の子どもは半年で卒園するような実例をつくれば、熊野市だけでなく県全体にもいい影響を与えるだろう」と語った。
施設の取り組みについて池田理事長は、「児童養護施設がなかった東紀州で、単独の法人で資力が乏しい中で考えあぐねていたところ、葉田会長から『任せておけ』と心強い言葉をいただいた。世界的に著名な隈研吾さんの名前を聞いて夢のようだった」と感謝を述べた。
プロジェクトメンバーからの報告を受けて服部副知事は「東紀州初の児童養護施設ということで、これまでの施設のイメージを一新するような施設ができることに感謝を申し上げたい。子どもさんもいろいろな課題を抱えていると思うが、施設に入るだけでも心の持ちようが変わってくるだろう。県一丸となって大きな施策として子ども施策を進めていきたい」と述べた。
エレコムは「社会との共生」を1986年の創業時から経営の根底に据えており、サステナビリティレポート2023にも記載している。(BCN・細田 立圭志)
葉田会長個人で5億円を寄付
「東紀州こどもの園」プロジェクトは、熊野市金山町内に児童養護施設を建設するというもの。葉田会長個人の着想により始まった活動で、自身の故郷である熊野市への寄付で建設する。施設の敷地面積は約2000平方メートルで延床面積は約800平方メートル。児童家庭支援センター1棟と児童養護施設2棟の合計3棟からなる。定員は居住やショートステイ、一時保護のシェルターなどを含めて約10人。7月4日に着工しており、2024年春に完成する予定だ。
総工費は約6億5000万円。葉田会長が個人で5億円を寄付し、エレコムが2500万円、県が補助金として1億1500万円を支援する。
葉田会長は十年近く前から、個人として、また公益財団法人葉田財団として児童養護施設などへの寄付をはじめ、子どもたちへの支援活動を行ってきた。
今回のプロジェクトも当初は葉田会長個人で始めたものだったが、世界的建築家の隈研吾氏に、地元の紀州材をふんだんに使用する本ロジェクトの趣旨と合わせて設計・デザインの監修を依頼したところ、隈氏から快諾を得たという。
また、三重県で児童養護施設などの運営に携わる社会福祉法人聖マッテヤ会の池田修一理事長や、用地探しなどで河上敢二熊野市長からも賛同を得て、プロジェクトの発足に至った。
隈研吾氏が「開かれる」と「守る」を両立するイメージでデザイン
報告会で葉田会長は「丸山千枚田の寄付の関係で熊野市を訪問した際、東紀州のような地で児童虐待があることを知ってびっくりした。子どもたちが施設での生活を通して自信を回復し、卒園後も誇りをもって生活できるような施設をつくりたいと考えた。また、卒園後も地元で働けるようにITエンジニアの職に就けるように育成する仕組みも考えている」と、子どもたちに職を提供する構想についても語った。施設の設計・デザインを監修する隈氏は「山に包み込まれた土地を見た瞬間に、開かれて、守られている優しさを感じた。紀州の木材を使って、『開かれる』と『守る』が両立するイメージの施設を設計しようと考えた」と、木のぬくもりと、開放的な施設にしようとした着想について説明した。
河上市長は、「葉田会長は個人の思い付きとおっしゃったが、まったくそんなことはない。子どもたちへの強い思いをお持ちで、どこかでこのような施設を実現したいと常々考えられていたのでしょう。児童養護施設は長くいるより、早く卒園した方がいいので、例えば通常1年かかるところを、この施設の子どもは半年で卒園するような実例をつくれば、熊野市だけでなく県全体にもいい影響を与えるだろう」と語った。
施設の取り組みについて池田理事長は、「児童養護施設がなかった東紀州で、単独の法人で資力が乏しい中で考えあぐねていたところ、葉田会長から『任せておけ』と心強い言葉をいただいた。世界的に著名な隈研吾さんの名前を聞いて夢のようだった」と感謝を述べた。
プロジェクトメンバーからの報告を受けて服部副知事は「東紀州初の児童養護施設ということで、これまでの施設のイメージを一新するような施設ができることに感謝を申し上げたい。子どもさんもいろいろな課題を抱えていると思うが、施設に入るだけでも心の持ちようが変わってくるだろう。県一丸となって大きな施策として子ども施策を進めていきたい」と述べた。
エレコムは「社会との共生」を1986年の創業時から経営の根底に据えており、サステナビリティレポート2023にも記載している。(BCN・細田 立圭志)