スマート文具の売り上げが1年ぶりに復調。この7月、販売数と金額が、そろって前年を上回った。スマート文具とは、スマートホン(スマホ)などと連携して使える文具。一見普通のクリアファイルや紙製のメモ・リフィル、マーカーペンなどだが、専用アプリを使ってスマホで撮影することで、データベース化できたり単語帳的な暗記用途に使ったりすることができる。このところ販売が低迷していたが、7月は、販売数前年比が113.5%、販売金額は160.8%と、そろって前年を大きく上回った。全国約2200店舗の家電量販店やネットショップの実売データを集計するBCNランキングで明らかになった。
7月の販売数シェアで最も高かったのがキングジム。59.0%とほぼ6割のシェアを握っている。ここに来てスマート文具の市場が上向いているのは、同社の売り上げ拡大の影響が大きい。売れ筋は、ロングセラーの「ショットドックス」シリーズ。特に売れているのが名刺フォルダー関連製品だ。片面で10枚の名刺が入るシートを台紙に綴じていくタイプ。一見普通の名刺フォルダーだが、専用アプリで撮影するとゆがみを自動補正して画像データを持ち歩けるようになるほか、クラウドサービスのEvernoteと連携することも可能。また、同社のパソコン用デジタル名刺管理ソフト「DA-1」と連携させれば、名刺の画像データからテキストデータの抽出や分類までできるようになる。普通の名刺フォルダが、デジタル化にも使えるとあって人気が高い。ここに来て売り上げも徐々に増えている。本格的なコロナ明けを迎え、名刺交換の頻度が高まっているのかもしれない。
販売数シェア2位は、22.7%のぺんてるだ。同社の売れ筋はスマートフォンン対応の暗記カード作成ノート「Sma Tan」シリーズ。いわば現代の単語帳だ。左ページに質問、右ページに答えを手書きして準備完了。スマホの専用アプリで撮影して使えば、アプリの機能で暗記が進むというもの。質問が表示された後、画面タップで答えが出るという単純な操作性だ。覚えたものを除外したり、回答率をグラフにしたりと、デジタルならではの工夫が施されていて、楽しみながら暗記ができる。
販売数3位はプラスで15.8%。売れ筋はクリーンノートKaiteシリーズ。少し変わり種の製品だ。専用のペンとシートを使って何度でも書いたり消したりできるメモパッド。同社では「磁性筆記ツール」と呼んでいる。磁石になっているペン先を専用シートに近づけて横に移動させると、黒い線が書けるイメージだ。消耗品が不要で消しカスも出ない新しいメモシステム。ただ、線の色が薄い灰色で、やや見えにくいというのが欠点といえば欠点。しかし、スマホの専用アプリで撮影すると、くっきりと黒い線になって見やすくなるほか、ゆがみも自動補正して記録できる。
スマート文具のバリエーションは各社各様。アナログの良さをデジタルに融合させ、より便利な製品にしようと、それぞれに工夫を凝らしている。ChatGPTなど生成AIを中心とした技術が進展すると、スマート文具の守備範囲はさらに広がりそう。今後、思いもよらない新製品が飛び出してくるかもしれない。(BCN・道越一郎)
7月の販売数シェアで最も高かったのがキングジム。59.0%とほぼ6割のシェアを握っている。ここに来てスマート文具の市場が上向いているのは、同社の売り上げ拡大の影響が大きい。売れ筋は、ロングセラーの「ショットドックス」シリーズ。特に売れているのが名刺フォルダー関連製品だ。片面で10枚の名刺が入るシートを台紙に綴じていくタイプ。一見普通の名刺フォルダーだが、専用アプリで撮影するとゆがみを自動補正して画像データを持ち歩けるようになるほか、クラウドサービスのEvernoteと連携することも可能。また、同社のパソコン用デジタル名刺管理ソフト「DA-1」と連携させれば、名刺の画像データからテキストデータの抽出や分類までできるようになる。普通の名刺フォルダが、デジタル化にも使えるとあって人気が高い。ここに来て売り上げも徐々に増えている。本格的なコロナ明けを迎え、名刺交換の頻度が高まっているのかもしれない。
販売数シェア2位は、22.7%のぺんてるだ。同社の売れ筋はスマートフォンン対応の暗記カード作成ノート「Sma Tan」シリーズ。いわば現代の単語帳だ。左ページに質問、右ページに答えを手書きして準備完了。スマホの専用アプリで撮影して使えば、アプリの機能で暗記が進むというもの。質問が表示された後、画面タップで答えが出るという単純な操作性だ。覚えたものを除外したり、回答率をグラフにしたりと、デジタルならではの工夫が施されていて、楽しみながら暗記ができる。
販売数3位はプラスで15.8%。売れ筋はクリーンノートKaiteシリーズ。少し変わり種の製品だ。専用のペンとシートを使って何度でも書いたり消したりできるメモパッド。同社では「磁性筆記ツール」と呼んでいる。磁石になっているペン先を専用シートに近づけて横に移動させると、黒い線が書けるイメージだ。消耗品が不要で消しカスも出ない新しいメモシステム。ただ、線の色が薄い灰色で、やや見えにくいというのが欠点といえば欠点。しかし、スマホの専用アプリで撮影すると、くっきりと黒い線になって見やすくなるほか、ゆがみも自動補正して記録できる。
スマート文具のバリエーションは各社各様。アナログの良さをデジタルに融合させ、より便利な製品にしようと、それぞれに工夫を凝らしている。ChatGPTなど生成AIを中心とした技術が進展すると、スマート文具の守備範囲はさらに広がりそう。今後、思いもよらない新製品が飛び出してくるかもしれない。(BCN・道越一郎)