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茨城県つくばみらい市にダイキンが新生産拠点、需要に対する供給の最適化へ

販売戦略

2023/08/03 16:00

 ダイキン工業は8月2日に、空調機の新たな生産拠点を設立すべく、茨城県つくばみらい市の土地取得を決定したことを発表した。同社は関東に新工場を設けることで、国内の空調機需要に対する供給の最適化を図り、さらなる拡大を目指す。

つくばみらい市の新工場完成イメージ

関東初の空調機生産

 ダイキン工業は現在、世界約90カ所で空調機や関連部品を生産しており、国内では堺製作所(大阪府堺市)、淀川製作所(大阪府摂津市)、滋賀製作所(滋賀県草津市)と、創業の地である大阪を中心として関西圏に集中している。

 つくばみらい市への建設を予定する新工場「つくば製作所(仮称)」は、関東における同社初の空調機の生産拠点になり、新拠点の設立を機に既存の工場でも製品の供給力・コスト力・生産技術力といった、モノづくり力のさらなる強化を図る。また、新拠点を含む国内工場の機能を再編することで、日本がグローバルマザーとして、全世界の生産拠点を牽引していく。

 同社では、今回の新工場建設を「生産の国内回帰」ではなく、純粋な「国内生産の強化」と位置づけているという。

 新工場の建設予定地であるつくばみらい市は、都心から40km程度の場所に立地し、つくばエクスプレスまたは車で1時間程度と利便性に優れた「圏央道インターパーク つくばみらい」が利用できるほか、茨城県は北関東3県で唯一、港湾と空港を有しており、需要変動に応じたタイムリーな製品供給が可能であり、今後ますます深刻化する輸送費の高騰やドライバー不足といった長距離輸送の課題に対しても効率的な対応が期待できる、関東エリアへの商品供給に適した場所として選定された。また、近郊市の生産年齢人口が増加傾向にあり、豊富な労働力と人材育成の基盤があることも選定理由としている。

 関東エリアだけでなく、市場の成長が期待される関東以北の寒冷地市場に対しても、陸上、海上輸送の両面で優位性を持っており、気温の上昇やカーボンニュートラルを背景にした燃焼暖房からの置き換えによって需要の高まりが見込まれる寒冷地向けエアコンや、ヒートポンプ式給湯機などのスムーズな供給を可能にする。

 そのほか、これまで同社の国内生産拠点は関西に集中していたが、つくばみらい市での新工場建設によって、自然災害など工場の操業に影響を及ぼす突発的な事象が発生した際の、商品の供給が途絶えるリスクを低減できることも利点として挙げている。
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