電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた民生用電子機器の2023年6月出荷実績が発表された。このところテレビやブルーレイレコーダーの販売は低迷しており、この需要減少が出荷にも反映されているといえるだろう。
2023年1月から6月の累計は、映像機器が前年同期比89.5%でオーディオ関連機器が同84.5%と前年割れだが、カーAVC機器は同100.3%と前年よりも出荷金額は伸長。三つのカテゴリを合わせた民生用機器合計の出荷金額は970億円で同91.4%だった。
民生用機器合計の970億円という出荷金額だが、2000年代以降の6月に1000億円割れとなった年はなく、少なくともこの25年間の6月における出荷金額としては最も低い金額なのだ。JEITAの出荷統計はJEITAに加盟しているメーカーによる集計のため、非加盟メーカーも含む全体像を表しているわけではない。
だが、いわゆる大手メーカーの出荷実績は含まれており、市場の傾向を把握するうえでは有益なデータである。この観点からも6月の出荷金額が2000年代に入ってからミニマムとなったことは、現在の市場の状況がかつてないほど厳しいことの証左といえるだろう。
6月の薄型テレビのサイズ別出荷台数構成比を見ると、29V型が7.8%で30~39V型は16.2%、40~49V型は30.6%、50V型以上は45.2%だった。この構成比を見てもテレビの大画面シフトは進んでいることが分かる。
ただし、これはあくまで出荷台数の構成比で販売とは異なる。地上波放送の番組から動画配信によるコンテンツへと視聴ニーズが変わりつつある今、動画配信サービスはスマホやタブレットでも視聴が可能。さらに大画面の構成比が拡大していくのかは不透明だ。
その4K8Kチューナー搭載タイプだが、6月の出荷台数は26万4000台で前年同月比100.2%と前年実績を上回った。しかし、出荷台数を1月からの累計で見ると前年同期比87.9%で2桁減という状況だ。同タイプの出荷全体に対する台数構成比は66.7%だった。
その他の商品の6月出荷実績を見ると、ブルーレイレコーダーは7万6000台で前年同月比68.8%。1月からの累計でも69.8%だ。システムオーディオは7万台で同82.4%。ラジオ受信機は5万5000台で同110.4%と前年同月2桁増だったが、累計では83.1%。ステレオヘッドホンは33万2000台で同67.0と落ち込んだ。
民生用機器は全体的に厳しい出荷状況が続いている。特にテレビは家電を代表する商品の一つだ。それゆえメーカーサイドには、消費者ニーズに合致した商品開発や訴求力のある広告宣伝活動、販促活動などの市場を活性化する施策構築が必要ではないだろうか。(BCN・風間 理男)
出荷金額1000億円割れは2000年代の6月として初
JEITAでは三つのカテゴリで国内出荷動向をまとめている。テレビやブルーレイレコーダーなどの映像機器の国内出荷金額は497億円で前年同月比94.9%だった。アンプやスピーカー、ヘッドホンなどのオーディオ関連機器は57億円で同82.1%。カーオーディオやETC車載ユニットなどのカーAVC機器は416億円で同88.9%となった。2023年1月から6月の累計は、映像機器が前年同期比89.5%でオーディオ関連機器が同84.5%と前年割れだが、カーAVC機器は同100.3%と前年よりも出荷金額は伸長。三つのカテゴリを合わせた民生用機器合計の出荷金額は970億円で同91.4%だった。
民生用機器合計の970億円という出荷金額だが、2000年代以降の6月に1000億円割れとなった年はなく、少なくともこの25年間の6月における出荷金額としては最も低い金額なのだ。JEITAの出荷統計はJEITAに加盟しているメーカーによる集計のため、非加盟メーカーも含む全体像を表しているわけではない。
だが、いわゆる大手メーカーの出荷実績は含まれており、市場の傾向を把握するうえでは有益なデータである。この観点からも6月の出荷金額が2000年代に入ってからミニマムとなったことは、現在の市場の状況がかつてないほど厳しいことの証左といえるだろう。
50V型以上の出荷台数構成比は45.2%に
6月の薄型テレビ全体の出荷台数は39万6000台で、前年同月比94.9%。1月からの累計では前年同期比87.8%と前年実績に対して2桁減だ。画面サイズ別で見ると、29V型以下は前年同月比74.0%と大きくダウン。30~39V型は91.4%、40~49V型は93.5%と中型サイズは前年比90%台だった。家電量販店が販売に注力している50V型以上は同102.2%と伸長した。6月の薄型テレビのサイズ別出荷台数構成比を見ると、29V型が7.8%で30~39V型は16.2%、40~49V型は30.6%、50V型以上は45.2%だった。この構成比を見てもテレビの大画面シフトは進んでいることが分かる。
ただし、これはあくまで出荷台数の構成比で販売とは異なる。地上波放送の番組から動画配信によるコンテンツへと視聴ニーズが変わりつつある今、動画配信サービスはスマホやタブレットでも視聴が可能。さらに大画面の構成比が拡大していくのかは不透明だ。
4K8Kチューナー搭載タイプの6月出荷台数は前年同月比100.2%
2018年から始まった新4K8K衛星放送に合わせて、受信用のチューナーを搭載したテレビの出荷台数は1212万台。放送開始からの年月を考えると、意外と多くないという印象だ。もっとも受信用チューナー搭載タイプは、ある程度の画面サイズ以上のモデルに限定されているので当然といえるだろう。その4K8Kチューナー搭載タイプだが、6月の出荷台数は26万4000台で前年同月比100.2%と前年実績を上回った。しかし、出荷台数を1月からの累計で見ると前年同期比87.9%で2桁減という状況だ。同タイプの出荷全体に対する台数構成比は66.7%だった。
その他の商品の6月出荷実績を見ると、ブルーレイレコーダーは7万6000台で前年同月比68.8%。1月からの累計でも69.8%だ。システムオーディオは7万台で同82.4%。ラジオ受信機は5万5000台で同110.4%と前年同月2桁増だったが、累計では83.1%。ステレオヘッドホンは33万2000台で同67.0と落ち込んだ。
民生用機器は全体的に厳しい出荷状況が続いている。特にテレビは家電を代表する商品の一つだ。それゆえメーカーサイドには、消費者ニーズに合致した商品開発や訴求力のある広告宣伝活動、販促活動などの市場を活性化する施策構築が必要ではないだろうか。(BCN・風間 理男)