移住先に「阿波踊り」があってよかった!徳島で知った阿波踊りの魅力と楽しみ方
【拝啓、徳島より7】 徳島県の夏の風物詩といえば阿波踊り。毎年お盆が近づくと、街のあちこちで踊り手の掛け声や鳴り物さんの軽快なリズムが聞こえてきます。徳島に来る前は、阿波踊りを「大きな夏祭りの一つ」くらいにしか思っていなかった私ですが、移住して踊りを習いはじめてからすぐにその面白さの虜に。今回はまだまだ他県の方には伝わりきっていない阿波踊りの魅力を、祭りの楽しみ方と一緒に紹介していきます。
その歴史は古く、はじまりは400年以上前に遡ります。1586年頃、当時のお殿様が徳島城を築城したことを祝い、無礼講を許した際の踊りを起源とする説が有力です(諸説あり)。
毎年お盆の時期に開かれる祭り本番には、県内外から「連」が集まり、朝から晩まで“踊る阿呆”たちの熱狂が続きます。連とは阿波踊りのチームのこと。県内には大小様々な連があり、中でも特に実力のある「有名連」は県外にもファンができるほどの人気です。
踊りのスタイルは、大まかに2種類に分けられます。傘を被り下駄を履いて踊る「女踊り」と、着流しを来て踊る「男踊り」です。女踊りは基本的に女性が踊りますが、男踊りは男性の他に女性が踊ることもあります。ちなみに私は男踊りを踊っています。
楽器を奏でる人たちのことを「鳴り物(なりもん)さん」と呼び、踊り同様、連によってそのリズムや音色にも個性があります。同じ阿波踊りでも連によって様々なので、自分のお気に入りを見つけるも楽しみ方の一つです。
楽しそうに踊る人たちを観ていて「自分もやってみたい」と思う人もきっと多いはず。そんな時は、ぜひ思い切って参加者になってみてください。
阿波踊りでは1日に数回、踊りたい人は誰でも参加できる「にわか連」が結成されます。踊りの経験があってもなくても関係なし。飛び入り参加大歓迎。時間によっては有名連から踊りのレクチャーを受け、法被をレンタルすることも可能です。
阿波踊りの基本はとてもシンプルなので、誰でもすぐに踊れるのもいいところ。格好よく、または美しく踊れるようになるには相当の練習が必要ですが、二拍子のリズムに合わせて手と足を前に出せば基本的な型は完成です。
あとは笑顔で楽しめばパーフェクト。会場中の人が“にわかさん”を歓迎して、大声援で盛り上げてくれます。「観て楽しい、踊ってもっと楽しい」。他ではなかなか味わえない阿波踊りの醍醐味です。
特に決まった場所があるわけではなく、演舞場での踊りと違って構成内容が決まっているわけでもありません。その場のノリと空気で踊りを組み立てていきます。例えるなら、ラップやストリートダンスの“バトル”のような雰囲気があると個人的には感じています。
輪踊りの面白いところは、阿波踊りフリークたちの卓越した踊りや演奏を楽しめることに加えて、にわか連同様、観客も自由に参加できるところ。上手な踊り手や鳴り物さんほど観客を巻き込むのがうまく、気がついたら人の輪が4重、5重になっている・・・なんてこともあります。
その光景はまさに、踊る阿呆。せっかく徳島まで来たのなら、ぜひ熱狂の渦の中で、その場にいる人と一緒に狂気乱舞してみてください。
阿波踊りは、とにかく暑い。屋根のある演舞場もありますが、通りの会場などは炎天下にされされる場所がほとんどです。帽子や携帯扇風機などによる暑さと熱中症対策は必須です。駅前などで配られるうちわは、踊りのアイテムとしても使えるので、一つもらっておくことをおすすめします。
演舞場や大通り会場が市内に点在しているため、必然的に街中を1日中行ったり来たりすることになります。ビールなどのお酒類を提供している屋台も多く、太陽の下で飲むキンキンに冷えたビールは最高にうまいのですが、知らず知らずのうちに水分不足になっている場合もあります。コンビニや自販機を見つけたら水分をこまめに買い足すようにしましょう。
通りの会場は席が設けられていないフリーエリア(立ち見)の場所も多いので、もしお気に入りの鑑賞スポットを見つけたら腰をおろしてじっくり鑑賞するのも楽しみ方の一つです。その際にお尻の下に引くシートがあると便利です。
おすすめは100円ショップなどで売っているアウトドア用のミニシート。軽くてコンパクトなので持ち運びに便利で、周囲の邪魔にもなりません。休憩する時にも使えるのでカバンに一つ入れておくといいかもしれません。
ご近所さんからは「練習頑張ってね」「今年も楽しみにしてるね」と声をかけられることも多く、阿波踊りがよそ者の私と地域の人を繋いでくれたなと感じます。
自分でもここまで阿波踊りが好きになるとは思ってもみなかったのですが、一度あの熱気と興奮を味わってしまうと、「来年もまた参加したい」という気持ちが止まらなくなるから不思議です。
「踊る阿呆に観る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソンーー」。掛け声が示す通り、踊り手になってはじめて感じる面白さがたくさんある阿波踊り。ぜひ一度、真夏の徳島で、日本一の盆踊りに熱狂する1日を過ごしてみてください。きっと忘れられない思い出ができるはずですよ。(フリーライター・甲斐りかこ)
■Profile
甲斐りかこ
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。
「日本一の盆踊り」阿波踊り
阿波踊りとは、旧・阿波国(現在の徳島県)を発祥とする盆踊りのこと。岐阜県の群上踊りや秋田県の西馬音内盆踊りと並ぶ「日本三大盆踊り」に数えられ、踊り子の数や観客数では日本一の盆踊りと言われています。その歴史は古く、はじまりは400年以上前に遡ります。1586年頃、当時のお殿様が徳島城を築城したことを祝い、無礼講を許した際の踊りを起源とする説が有力です(諸説あり)。
毎年お盆の時期に開かれる祭り本番には、県内外から「連」が集まり、朝から晩まで“踊る阿呆”たちの熱狂が続きます。連とは阿波踊りのチームのこと。県内には大小様々な連があり、中でも特に実力のある「有名連」は県外にもファンができるほどの人気です。
踊りのスタイルは、大まかに2種類に分けられます。傘を被り下駄を履いて踊る「女踊り」と、着流しを来て踊る「男踊り」です。女踊りは基本的に女性が踊りますが、男踊りは男性の他に女性が踊ることもあります。ちなみに私は男踊りを踊っています。
楽器を奏でる人たちのことを「鳴り物(なりもん)さん」と呼び、踊り同様、連によってそのリズムや音色にも個性があります。同じ阿波踊りでも連によって様々なので、自分のお気に入りを見つけるも楽しみ方の一つです。
誰でも踊れて飛び入りOK! それが阿波踊り
期間中は街の至る所に演舞場が設置され、いくつもの通りがパフォーマンス会場に。夜になると輪踊りと呼ばれる即興ダンスが通りのあちこちで始まります。楽しそうに踊る人たちを観ていて「自分もやってみたい」と思う人もきっと多いはず。そんな時は、ぜひ思い切って参加者になってみてください。
阿波踊りでは1日に数回、踊りたい人は誰でも参加できる「にわか連」が結成されます。踊りの経験があってもなくても関係なし。飛び入り参加大歓迎。時間によっては有名連から踊りのレクチャーを受け、法被をレンタルすることも可能です。
阿波踊りの基本はとてもシンプルなので、誰でもすぐに踊れるのもいいところ。格好よく、または美しく踊れるようになるには相当の練習が必要ですが、二拍子のリズムに合わせて手と足を前に出せば基本的な型は完成です。
あとは笑顔で楽しめばパーフェクト。会場中の人が“にわかさん”を歓迎して、大声援で盛り上げてくれます。「観て楽しい、踊ってもっと楽しい」。他ではなかなか味わえない阿波踊りの醍醐味です。
即興パフォーマンス「輪踊り」でさらに阿呆の極みへ
にわか連と合わせて、是非、参加してみてほしいのが「輪踊り」。踊り手と鳴り物さんが街中で輪をつくり、即興でパフォーマンスを行う踊りのことです。特に決まった場所があるわけではなく、演舞場での踊りと違って構成内容が決まっているわけでもありません。その場のノリと空気で踊りを組み立てていきます。例えるなら、ラップやストリートダンスの“バトル”のような雰囲気があると個人的には感じています。
輪踊りの面白いところは、阿波踊りフリークたちの卓越した踊りや演奏を楽しめることに加えて、にわか連同様、観客も自由に参加できるところ。上手な踊り手や鳴り物さんほど観客を巻き込むのがうまく、気がついたら人の輪が4重、5重になっている・・・なんてこともあります。
その光景はまさに、踊る阿呆。せっかく徳島まで来たのなら、ぜひ熱狂の渦の中で、その場にいる人と一緒に狂気乱舞してみてください。
阿波踊りを120%楽しむために
阿波踊りの魅力をお伝えしたところで、祭りをより楽しむために注意点をいくつかお伝えします。1:うちわを使って暑さ対策
阿波踊りは、とにかく暑い。屋根のある演舞場もありますが、通りの会場などは炎天下にされされる場所がほとんどです。帽子や携帯扇風機などによる暑さと熱中症対策は必須です。駅前などで配られるうちわは、踊りのアイテムとしても使えるので、一つもらっておくことをおすすめします。
:水筒・ペットボトルは必携
演舞場や大通り会場が市内に点在しているため、必然的に街中を1日中行ったり来たりすることになります。ビールなどのお酒類を提供している屋台も多く、太陽の下で飲むキンキンに冷えたビールは最高にうまいのですが、知らず知らずのうちに水分不足になっている場合もあります。コンビニや自販機を見つけたら水分をこまめに買い足すようにしましょう。
3:小さめのレジャーシートでベスポジと休憩場所を確保
通りの会場は席が設けられていないフリーエリア(立ち見)の場所も多いので、もしお気に入りの鑑賞スポットを見つけたら腰をおろしてじっくり鑑賞するのも楽しみ方の一つです。その際にお尻の下に引くシートがあると便利です。
おすすめは100円ショップなどで売っているアウトドア用のミニシート。軽くてコンパクトなので持ち運びに便利で、周囲の邪魔にもなりません。休憩する時にも使えるのでカバンに一つ入れておくといいかもしれません。
一生に一度は、徳島で踊り狂う夏を過ごしてみては
私が所属する連は地元密着型で、連員さんの多くが同じ町内に住んでいます。阿波踊りがきっかけで出会った友達や知り合いも多く、「移住先に阿波踊りがあってよかった!」と心から思います。ご近所さんからは「練習頑張ってね」「今年も楽しみにしてるね」と声をかけられることも多く、阿波踊りがよそ者の私と地域の人を繋いでくれたなと感じます。
自分でもここまで阿波踊りが好きになるとは思ってもみなかったのですが、一度あの熱気と興奮を味わってしまうと、「来年もまた参加したい」という気持ちが止まらなくなるから不思議です。
「踊る阿呆に観る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソンーー」。掛け声が示す通り、踊り手になってはじめて感じる面白さがたくさんある阿波踊り。ぜひ一度、真夏の徳島で、日本一の盆踊りに熱狂する1日を過ごしてみてください。きっと忘れられない思い出ができるはずですよ。(フリーライター・甲斐りかこ)
■Profile
甲斐りかこ
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。