8月決算のビックカメラの第3四半期(2022年9月1日~23年5月31日)累計(以下、3Q)の連結決算が発表された。売上高は前年同期比102.7%で増収となったが、営業利益や経常利益、四半期純利益の利益面は減益となった。
このほど発表された3Qの連結決算では、売上高が約6124億8500万円(前年同期比102.7%)と増収だった。しかし、営業利益は109億200万円(同71.4%)、経常利益は123億9700万円(同72.5%)で、四半期純利益も46億1700万円(同56.6%)で減益となった。
前年同期比2.7ポイント増の売上高に対し、売上総利益は同1.5ポイント増にとどまったため、粗利益率は26.7%から26.4%へダウン。この粗利益ダウンも減益の要因の一つだが、直接的な要因は販管費増にある。
販管費は前年同期比104.7%となっており、人件費と広告宣伝費、水道光熱費、地代家賃などの経費負担が増加。その結果として営業利益は前述の同71.4%と減少し、売上高営業利益率も前年同期の2.6%から1.8%にダウンした。
経常利益は前年同期比72.5%だが、四半期純利益はさらに落ち込み、同56.6%。これは有価証券評価損を含む特別損失として計上した額が前年同期より約2.8倍以上膨れたためである。
23年8月期通期業績予想は2Qの決算発表時から変更なく、前期比104.7%の増収で営業利益と経常利益は減益、当期純利益は増益となっている。店舗力強化を掲げている同社の取り組みがどのように作用するのか、第4四半期であるこの夏商戦の動向に期待したい。(BCN・風間 理男)
売上総利益を上回る販管費の伸長が利益面に影響
ターミナル立地の店舗が多いことからコロナ禍でその集客に大きなダメージを受けたビックカメラ。物価や光熱費の上昇などもあり、コロナ禍以前まで復調してきたとはいえないが、徐々に業績は回復基調にあるといえるだろう。このほど発表された3Qの連結決算では、売上高が約6124億8500万円(前年同期比102.7%)と増収だった。しかし、営業利益は109億200万円(同71.4%)、経常利益は123億9700万円(同72.5%)で、四半期純利益も46億1700万円(同56.6%)で減益となった。
前年同期比2.7ポイント増の売上高に対し、売上総利益は同1.5ポイント増にとどまったため、粗利益率は26.7%から26.4%へダウン。この粗利益ダウンも減益の要因の一つだが、直接的な要因は販管費増にある。
販管費は前年同期比104.7%となっており、人件費と広告宣伝費、水道光熱費、地代家賃などの経費負担が増加。その結果として営業利益は前述の同71.4%と減少し、売上高営業利益率も前年同期の2.6%から1.8%にダウンした。
経常利益は前年同期比72.5%だが、四半期純利益はさらに落ち込み、同56.6%。これは有価証券評価損を含む特別損失として計上した額が前年同期より約2.8倍以上膨れたためである。
非家電売上は伸長したが、家電売上は前年実績に届かず
3Qの商品別売上高では、カメラや理美容は前年2桁増で、オーディオや洗濯機なども前年実績を上回った。しかし、家電商品カテゴリとして全体を捉えると、実績は前年割れ。それにも関わらず、増収となったのはゲームや玩具、医薬品・日用雑貨、時計、スポーツ用品などの非家電売上が伸長したからである。また、PCやスマホの中古販売売上高も前年実績の2倍近くまでアップした。23年8月期通期業績予想は2Qの決算発表時から変更なく、前期比104.7%の増収で営業利益と経常利益は減益、当期純利益は増益となっている。店舗力強化を掲げている同社の取り組みがどのように作用するのか、第4四半期であるこの夏商戦の動向に期待したい。(BCN・風間 理男)