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デジタルカメラの5月度国内出荷台数は前年同月比10%増と伸長

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2023/07/10 19:00

 スマホのカメラ機能が進化し、デジタルカメラの代替としての使用が広く普及している。さらにコロナ禍が追い打ちをかけ、デジタルカメラの需要は長期低迷状態から抜け出せずにいる。しかし、このところ徐々にだが、回復の兆しが見えてきた。

デジタルカメラの需要減少は下げ止まりか

2023年累計で出荷台数・金額はともに前年実績プラス

 カメラ映像機器工業会(CIPA)がまとめたデジタルカメラの出荷統計によると、2023年5月度の国内出荷台数は前年同月比110.1%で、出荷金額は同104.4%。台数は4カ月連続、金額は5カ月連続で前年同月実績を上回った。
 
出荷金額は5カ月連続して前年同月実績をクリア

 出荷実績には当然、新製品も入っている。新製品が発売となり、流通に対して初期ロットとして出荷されれば、その台数・金額も加算される。従って新製品が発売となった月は当然、出荷ボリュームが増えるわけだ。

 だが、新製品も既発製品も売れなければ次の出荷オーダーにはつながらない。このような観点で見ると出荷金額は2023年1月から、出荷台数も2月から前年実績プラスが続いているのは、売れている状況が継続していると考えられる。
 
 実際に23年1~5月累計でも出荷台数は前年同期比109.9%で、出荷金額も同128.7%と伸長しており、販売状況は改善していると捉えてよいだろう。

ミラーレスタイプが出荷実績増に貢献

 5月の出荷実績で、タイプ別の出荷台数ではレンズ一体型が約35.4万台で、一眼レフタイプが約4.1万台、ミラーレスタイプが約37.6万台だった。
 
2023年1月からの累計出荷台数では、
ミラーレスタイプが全体出荷の約51%を占めている

 21年の年間出荷台数ではレンズ一体型が約77万台に対し、ミラーレスタイプは約30.3万台とダブルスコア以上の差があった。しかし、22年はレンズ一体型が約45.8万台、ミラーレスタイプは約40万台と差が縮まった。

 23年5月までの累計ではレンズ一体型が約16.2万台で、ミラーレスタイプは約18.6万台。出荷金額はもとより、出荷台数でもミラーレスタイプがレンズ一体型を抜いている

 23年1~5月のタイプ別累計出荷台数を前年実績と比較すると、レンズ一体型は前年同期比89.4%、一眼レフタイプは56.6%と前年割れだが、ミラーレスタイプは153.4%と前年比1.5倍の伸長。前述の販売状況改善は、ひとえにミラーレスタイプが好調に推移しているためであることが分かる。
 
ミラーレスタイプは好調で、
2023年3月からレンズ一体型の出荷台数も前年プラスで推移している

 デジタルカメラの出荷状況は回復しつつある。だが、出荷台数では08年、出荷金額は07年をピークとして、出荷実績は減少基調で推移してきた。出荷実績がコロナ禍以前に戻るのは難しく、現状では需要減少の下げ止まりの目が見えてきたというところだろう。

 最近のスマホは広角や望遠用として複数のレンズを搭載し、夜間の撮影でも明るく撮れる機能が搭載されている。しかし手軽さの反面、拡張性や出力での画像再現性、表現力などではデジタルカメラに及ばない面もある。

 デジタルカメラの付加機能や用途、スペックなどがどのように進化していくか。その動向を注視するとともに、ユーザー層の拡大につながるような製販の取り組みを期待したい。
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