オーティコン補聴器は4月5日、耳かけ型のプレミアム補聴器「Oticon Real(オーティコン リアル)」の国内販売を開始した。同社は、独自の研究から「BrainHearing(ブレインヒアリング)」というコンセプトのもと、聞こえを脳から考えた製品開発を行い、数々の国際的な賞を受賞するなど、先進的なテクノロジーにより業界を牽引している。新製品リアルには、長年にわたり補聴器業界が抱えてきた課題であり、実際、10人中7人の補聴器ユーザーが日常的に煩わしく感じる不快な音を抑制する二つの新機能「突発音スタビライザー」と「風切り音/擦れ音スタビライザー」を搭載。AIと新技術によって“大きくはないが不快と感じる音”をしっかり抑えつつ、会話聞き取りへの影響を最小限にしたのが特長だ。Webサイトからの申し込みで2週間の無料試聴体験もできる。
「これまでの補聴器にもさまざまな雑音低減の仕組みが入っていたが、不快に感じる突発的な音、強い風の中での会話、音を集めるマイク部分が擦れる際におこる不快な音などで、聞こえを悪くすることも今まではあった」と語るのは、マーケティング本部の橋本正輝・コマーシャルマーケティング部部長。例えば突発音では、音量そのものは小さくても、ドアが閉まるときの音やPCのキー入力音で会話が聞きにくく感じることもあるという。また、自転車に乗っているときやゴルフのプレー中など、風の「ゴ~」というノイズのある状況下での聞き取りは難しくなるし、髪をかき上げたりメガネを着脱したりするときに補聴器のマイクに触れてしまうとガサゴソと擦れ音がする。
そこで、オーティコン リアルではユーザーが、快適にそして重要な音にアクセスできるよう、新基軸の技術を用いて「突発音スタビライザー」と「風切り音/擦れ音スタビライザー」の二つの仕組みを新たに搭載した。
突発音スタビライザーは、補聴器に内蔵された検出器によって音環境を常時モニターし、小さな音から大きな音まで、あらゆる突発的な音を感知するとバランスをとって快適さはそのままに、瞬時に補聴器の聞こえを適応させる。同本部の渋谷桂子・プロダクトマネジメント部部長は「従来の補聴器技術では、一般的に反応が遅く突発音を不自然に過剰に増幅してしまうか、会話を含む全ての音の利得を低減していた。その結果、ユーザーは聞きたい音に注意を向けることが難しくなり、会話についていく努力が求められることもあった」と説明する。オーティコン補聴器の調べによれば、このような突発音の発生件数は1日に約50万回以上。オーティコン リアルでは、生活パターンなどに合わせて、それらの突発音を最大6段階で低減できる。
一方、風切り音/擦れ音スタビライザーは、「補聴器に搭載された二つの補聴器マイク(音の入り口)を利用した新技術である」と渋谷部長。従来技術では、不快な風切り音と擦れ音を十分に抑制できず、快適性や聞き取りにマイナスの影響があったが新しいアプローチでは、毎秒500回、風切り音や擦れ音などを検出しクリアにしている。またこのような不快な音の影響を受けている周波数についてのみ効果的な処理を行うことで、ユーザーの快適な聞き取りをサポートするとともに音声の明瞭性をも向上させている。
そして、同社の補聴器には先進のAIが搭載されていることも忘れてはいけない。「当社では長年にわたり補聴器の心臓部にAIを搭載しているが、オーティコンリアルでは、信号処理にディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)と呼ばれる進化したAIを採用している」と渋谷部長。DNNには、あらかじめ約1200万の実際の音の情景を使い、あらゆる種類の音、それぞれの音が持つ詳細、またそれらが理想的に聞こえるにはどう認識できるようにするかを学習させている。オーティコン リアルは、ユーザーが長年にわたって抱えてきた問題を新技術で打破するとともに、AIを基にした信号処理を次のレベルへと引き上げる補聴器である。
室内には数多くの装置が並び、中央のテーブルにブラックのダミーヘッド(人間の頭の形をした音響機器)が置かれている。ダミーヘッドの両耳には、オーティコン リアルを装着済み。オーティコン リアルが出す音をダミーヘッド内のマイクで受け取り、アンプを通してヘッドホンで聞く仕組みだ。
まずは、風の音に対する効果を試してみた。風切り音/擦れ音スタビライザーをオフにした状態で、扇風機からの風をダミーヘッドに当てると、ゴーゴーと音がして、とたんに会話が聞き取りづらくなる。一部の音は聞こえるものの、雑音の部分を頭の中で補うのも難しい。
ところが、風切り音/擦れ音スタビライザーをオンにすると「ゴー」の部分だけ音が小さくなる。雑音がまったく消えてしまうわけではないが、会話を続けるのに支障のないレベルになることは確認できた。
補聴器に何かが当たったときにも、同様の効果が得られる。試しに補聴器本体のマイクの部分(音を集音するために大切なところ)を指でこすってみると、風切り音/擦れ音スタビライザーがオフの状態ではガサゴソと音がして人の声などが聞こえなくなってしまうのに対し、オンにすればかなり聞こえる状態になる。現状ではマスクの付け外しをしなければならない機会もまだまだ多いので、これは便利そうだ。
突発音については、「会話をしながら電気製品のスイッチをカチカチさせる」状況で試してみた。突発音スタビライザーをオンにしておくと「カチ」の音が少し弱くなり、それに応じて会話も聞き取りやすくなる。「カチ」の音は抑制され、会話の音は補聴器で増幅された状態を保っていたためだ。
オーティコン リアルには4種類のスタイルがある。使用にあたっては、耳鼻咽喉科で診察をしてもらい、その結果をもとに補聴器専門店や補聴器を取り扱う眼鏡店でカウンセリングや調整をしてもらうのが良いだろう。「使用者にベストな“聞こえ”を提供するために、オーティコン補聴器は全国の補聴器専門店・補聴器を取り扱う眼鏡店を対象にトレーニングを実施している」と橋本部長はいう。
ただ、初めて補聴器を使う人や、過去に補聴器で苦い経験をしたことがある人の場合は、購入する前に試してみたくなるはず。そのような人のために、オーティコン補聴器は2週間の無料試聴キャンペーンを実施中だ。気になる人は、ぜひ試していただきたい。
聞こえを妨げる突発音や風の音を2種類のスタビライザーで抑える
補聴器開発の歴史は、雑音との戦いの歴史でもある。現在主流のデジタル補聴器で採用されているのは、ソフトウェアの働きで雑音を低減して会話や音楽を鮮明に聞こえるようにする方式だ。また、近年の研究により、言葉の意味を自然に理解するために、私たちの脳はすべての音の情報を必要としていることが明らかになっている。同社の製品では、「煩わしさを感じる音」に対処する際にも、この脳の働きを重要視してきた。「これまでの補聴器にもさまざまな雑音低減の仕組みが入っていたが、不快に感じる突発的な音、強い風の中での会話、音を集めるマイク部分が擦れる際におこる不快な音などで、聞こえを悪くすることも今まではあった」と語るのは、マーケティング本部の橋本正輝・コマーシャルマーケティング部部長。例えば突発音では、音量そのものは小さくても、ドアが閉まるときの音やPCのキー入力音で会話が聞きにくく感じることもあるという。また、自転車に乗っているときやゴルフのプレー中など、風の「ゴ~」というノイズのある状況下での聞き取りは難しくなるし、髪をかき上げたりメガネを着脱したりするときに補聴器のマイクに触れてしまうとガサゴソと擦れ音がする。
そこで、オーティコン リアルではユーザーが、快適にそして重要な音にアクセスできるよう、新基軸の技術を用いて「突発音スタビライザー」と「風切り音/擦れ音スタビライザー」の二つの仕組みを新たに搭載した。
突発音スタビライザーは、補聴器に内蔵された検出器によって音環境を常時モニターし、小さな音から大きな音まで、あらゆる突発的な音を感知するとバランスをとって快適さはそのままに、瞬時に補聴器の聞こえを適応させる。同本部の渋谷桂子・プロダクトマネジメント部部長は「従来の補聴器技術では、一般的に反応が遅く突発音を不自然に過剰に増幅してしまうか、会話を含む全ての音の利得を低減していた。その結果、ユーザーは聞きたい音に注意を向けることが難しくなり、会話についていく努力が求められることもあった」と説明する。オーティコン補聴器の調べによれば、このような突発音の発生件数は1日に約50万回以上。オーティコン リアルでは、生活パターンなどに合わせて、それらの突発音を最大6段階で低減できる。
一方、風切り音/擦れ音スタビライザーは、「補聴器に搭載された二つの補聴器マイク(音の入り口)を利用した新技術である」と渋谷部長。従来技術では、不快な風切り音と擦れ音を十分に抑制できず、快適性や聞き取りにマイナスの影響があったが新しいアプローチでは、毎秒500回、風切り音や擦れ音などを検出しクリアにしている。またこのような不快な音の影響を受けている周波数についてのみ効果的な処理を行うことで、ユーザーの快適な聞き取りをサポートするとともに音声の明瞭性をも向上させている。
そして、同社の補聴器には先進のAIが搭載されていることも忘れてはいけない。「当社では長年にわたり補聴器の心臓部にAIを搭載しているが、オーティコンリアルでは、信号処理にディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)と呼ばれる進化したAIを採用している」と渋谷部長。DNNには、あらかじめ約1200万の実際の音の情景を使い、あらゆる種類の音、それぞれの音が持つ詳細、またそれらが理想的に聞こえるにはどう認識できるようにするかを学習させている。オーティコン リアルは、ユーザーが長年にわたって抱えてきた問題を新技術で打破するとともに、AIを基にした信号処理を次のレベルへと引き上げる補聴器である。
雑音が軽減されると会話や音楽がしっかりと聞き取れるようになる
では、オーティコン リアルは実際にどれだけ突発音、風切り音、擦れ音を低減することができるのか――。それを、オーティコン補聴器の実験施設で確認させてもらうことにした。室内には数多くの装置が並び、中央のテーブルにブラックのダミーヘッド(人間の頭の形をした音響機器)が置かれている。ダミーヘッドの両耳には、オーティコン リアルを装着済み。オーティコン リアルが出す音をダミーヘッド内のマイクで受け取り、アンプを通してヘッドホンで聞く仕組みだ。
まずは、風の音に対する効果を試してみた。風切り音/擦れ音スタビライザーをオフにした状態で、扇風機からの風をダミーヘッドに当てると、ゴーゴーと音がして、とたんに会話が聞き取りづらくなる。一部の音は聞こえるものの、雑音の部分を頭の中で補うのも難しい。
ところが、風切り音/擦れ音スタビライザーをオンにすると「ゴー」の部分だけ音が小さくなる。雑音がまったく消えてしまうわけではないが、会話を続けるのに支障のないレベルになることは確認できた。
補聴器に何かが当たったときにも、同様の効果が得られる。試しに補聴器本体のマイクの部分(音を集音するために大切なところ)を指でこすってみると、風切り音/擦れ音スタビライザーがオフの状態ではガサゴソと音がして人の声などが聞こえなくなってしまうのに対し、オンにすればかなり聞こえる状態になる。現状ではマスクの付け外しをしなければならない機会もまだまだ多いので、これは便利そうだ。
突発音については、「会話をしながら電気製品のスイッチをカチカチさせる」状況で試してみた。突発音スタビライザーをオンにしておくと「カチ」の音が少し弱くなり、それに応じて会話も聞き取りやすくなる。「カチ」の音は抑制され、会話の音は補聴器で増幅された状態を保っていたためだ。
オーティコン リアルには4種類のスタイルがある。使用にあたっては、耳鼻咽喉科で診察をしてもらい、その結果をもとに補聴器専門店や補聴器を取り扱う眼鏡店でカウンセリングや調整をしてもらうのが良いだろう。「使用者にベストな“聞こえ”を提供するために、オーティコン補聴器は全国の補聴器専門店・補聴器を取り扱う眼鏡店を対象にトレーニングを実施している」と橋本部長はいう。
ただ、初めて補聴器を使う人や、過去に補聴器で苦い経験をしたことがある人の場合は、購入する前に試してみたくなるはず。そのような人のために、オーティコン補聴器は2週間の無料試聴キャンペーンを実施中だ。気になる人は、ぜひ試していただきたい。