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上新電機の23年3月期連結 売上高は前期比0.3%減、営業利益は6.5%減

経営戦略

2023/05/18 19:00

 上新電機がこのほど発表した2023年3月期連結決算は、売上高が4084億6000万円(前期比0.3%減)、営業利益が83億1100万円(同6.5%減)、経常利益が83億1700万円(同14.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が49億7200万円(同22.2%減)の減収減益となった。

上新電機の2023年3月期連結決算

24年3月期は「営業利益率」を高める

 家電小売業界では、一昨年のコロナ禍における需要の前倒しの反動や、物価高に起因する消費の伸び悩み、行動制限緩和によるレジャー支出の増加などから、携帯電話をはじめとした一部を除いて前年実績を下回る状況となった。

 主力商品別売上高では、エアコンが同5.1%増、携帯電話が同19.6%増、ゲーム・模型・玩具・楽器が9.8%増となったほかは前年実績を下回った。
 
商品別売上高(上新電機の決算資料より)

 上新電機にとって、2023年3月期は3カ年の中期経営計画「JT-2023経営計画」の最終年度だった。中計は、グループの経営資源や販売形態を有機的に統合・再編しするために、(1)各種販売チャネルの融合、(2)「人財(人材)」ポテンシャルを引き出し、最大活用することを基本方針とした。

 営業キャッシュ・フローの創出と将来の成長に向けた投資の実行により、さらなる発展に向けた強固な事業基盤の構築を目指した計画で、目標達成に向け具体的な戦略立案により着実に計画を遂行したという。

 店舗展開では、日本橋店(大阪府)を含む5店舗を出店、7店舗を撤収した結果、当期末の店舗数は216店舗となった。

 24年3月期の業績見通しは、売上高4100億円(0.4%増)、営業利益90億円(8.3%増)、経常利益90億円(8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益60億円(20.7%増)を計画している。
 

新たな中計「JT-2025経営計画」を策定

 上新電機は5月9日、新たな3カ年の中計となる「JT-2025経営計画」(23年度~25年度)を発表。経営指標として、「収益効率」を重視した収益力の強化により「営業利益率」を高め、投資効率を向上・維持するための基盤を構築する。

 具体的に、25年度の売上高は4200億円、営業利益率は2.6%、営業利益は110億円を目指す。30年度の「あるべき姿」として営業利益率4.0%レベルを目指す。(BCN・細田 立圭志)
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